自動車整備士の1級・2級・3級の違い|できる作業と取る順番

自動車整備士の1級・2級・3級の違いを紹介する記事のアイキャッチ。整備工場の作業台に置かれたテスタと点検記録

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『自動車整備士の1級と2級の違いって、結局何?』と気になっていませんか。どちらも整備士なのに、何が変わるのか分かりにくいですよね。

結論から言うと、級の違いは「受験に必要な経験」「試験の範囲と形」「職場で任される役割」の3つに表れます。中でも大きいのは、職場で任される役割の違いです。

この記事では、1級・2級・3級の違いを3つの軸で比べて、自分が次に取る級の決め方までお伝えしますね。

目次

自動車整備士の1級・2級・3級の違いをひと目で

先に結論

三級は基本的な整備、二級は一般的な整備、一級は二級より高度な整備ができる資格です。二級からは工場の整備主任者になれて、一級は自動車検査員になるまでの経験が短くなります。

まずは、3つの級の違いを1枚の表にまとめてみました。細かい話は、このあと一つずつ見ていきます。

比べる所三級二級一級
国土交通省の説明自動車各装置の基本的な整備ができること自動車の一般的な整備ができること二級自動車整備士より高度な自動車の整備ができること
実務経験だけで受ける条件6月以上三級合格日から2年以上二級(二級シャシを除く)合格日から3年以上
学科試験の形(登録試験)30問・60分40問・80分(二級シャシは30問・60分)筆記50問・100分と口述2問・10分(一級小型)
整備主任者なれないなれる(分解整備の工場)なれる
自動車検査員までの経験対象外整備主任者として1年以上整備主任者として6月以上

自動車整備士の一級と二級の違いでいちばん分かりやすいのは、検査員になるまでの経験の長さと、試験に口述があることです。二級と三級の違いは、整備主任者になれるかどうかなんです。

級は「三級、二級、一級」の順に上がる

受験資格の決まりでは、二級は三級の合格後、一級は二級の合格後に経験を積んでから受ける形です。学校で学ぶ場合を除けば、下の級から順に取っていくのが基本になります。

『いきなり2級から受けられないの?』と思う方もいますよね。一種養成施設の二級課程を修了した人などは、実務経験の定めなしで二級を受けられます。くわしくは受験資格と実務経験で紹介しています。

級の違いを『受験に必要な経験』『試験の範囲』『職場での役割』の3軸で見る

ここでの結論

級の違いは、3つの軸で並べるとすっきり見えます。受験に必要な経験は級ごとに積み上がり、試験は上の級ほど範囲が広く深くなり、職場で任される役割も重くなります。

『違いがいろいろあって、頭が混乱する…』という方のために、3つの軸に分けて見ていきましょう。

自動車整備士の級の違いを、受験に必要な経験・試験の範囲・職場での役割の3つの軸で並べた図解

1つ目の軸は「受験に必要な経験」

令和7年7月8日の改正で、三級と二級の実務経験の年数が短くなりました。一級の「二級合格後3年以上」は変わっていません。

級実務経験だけで受ける場合学校で学ぶ場合の例
三級6月以上(15歳になった日以後)一種養成施設の三級課程(修業年限1年以上)を修了すると実務経験の定めなし
二級三級合格日から2年以上一種養成施設の二級課程(修業年限2年以上)を修了すると実務経験の定めなし
一級二級(二級シャシを除く)合格日から3年以上二級合格者が一種養成施設の一級課程を修了
実務経験だけで三級から二級、一級へ進む時の受験資格の流れを示した図解

実務経験だけで進むと、三級を受けるまで6月、二級までさらに2年、一級までさらに3年かかる計算です。働きながら一級を目指すなら、長い目で計画を立てておきたいですね。

一種養成施設の一級課程の年限は、施設や入学資格によって違います。国土交通省の一種養成施設の一覧には、二級課程2年と一級課程2年を合わせた「4年」の施設が複数載っています。

2つ目の軸は「試験の範囲と形」

国土交通省の案内では、学科試験の科目は級ごとに書き分けられています。三級は「初等知識」、二級は「一般知識」と、同じ分野でも求める深さが違うんです。

学科の科目の例三級二級一級
構造・機能・取扱い法初等知識一般知識構造、機能及び取扱い法
点検・修理・調整点検、修理及び調整に関する初等知識点検、修理、調整及び完成検査の方法点検、修理、調整及び完成検査の方法
図面なし図面に関する初等知識図面に関する一般知識
整備用機械なしなし整備用機械に関する初等知識
法規保安基準その他の自動車の整備に関する法規同じ同じ

試験の形も、上の級ほど重くなります。日本自動車整備振興会連合会の登録試験では、一級小型だけ学科に口述試験があり、実技も4問・40分と、二級・三級の3問・30分より多くなっています。

級学科の合格基準(直近の公表値)実技
三級(ガソリン・ジーゼル・シャシ・2輪)30点満点で21点以上3問・30分
二級(ガソリン・ジーゼル・2輪)40点満点で28点以上、かつ分野ごとに40パーセント以上3問・30分
一級小型筆記50点満点で40点以上、かつ分野ごとに40パーセント以上。口述は20点満点で16点以上4問・40分

二級からは、合計点だけでなく分野ごとの基準もあるのがポイントです。苦手な分野を残したままだと、合計点が足りていても落ちることがあるんです。

3つ目の軸は「職場での役割」

職場での役割の違いは、法令の決まりにはっきり出ています。ここが、級を上げる一番の理由になる人も多いはずです。

役割三級二級一級
認証工場の整備士数に数えられる数えられる数えられる数えられる
分解整備の工場の整備主任者なれないなれる(原動機の整備では二級シャシを除く)なれる
電子制御装置整備の整備主任者なれない講習を修了すればなれる一級(二輪を除く)はなれる
自動車検査員になるまでの経験対象外整備主任者として1年以上整備主任者として6月以上

国土交通省の案内では、電子制御装置整備の整備主任者になるための講習は、一級小型自動車整備士は受講が免除されます。カメラやレーダーの調整が増える中で、一級の強みが出る場面ですね。

さらに、令和11年4月1日からは、自動運転車の検査を行う自動車検査員は、一級の合格者に限られると国土交通省が発表しています。検査員の仕事は自動車検査員とはで紹介しています。

自動車整備士の3級と2級の違いは?

ここでの結論

3級と2級の違いは、資格の対象と職場での立場です。三級はエンジンとシャシなど装置ごとの資格で、二級は車全体を見る資格になり、整備主任者になれます。

『3級を取ったけど、2級で何が変わるの?』と気になっている方も多いはずです。ここでは、3級と2級の違いを掘り下げてみます。

対象が「装置」から「車」に広がる

三級は、シャシ、ガソリン・エンジン、ジーゼル・エンジン、二輪の4種類に分かれています。三級ガソリン・エンジンなら、ガソリン車のエンジンが対象です。

二級ガソリンは、ガソリン・エンジンを原動機とする普通自動車や小型自動車、軽自動車そのものが対象です。つまり、三級は装置ごと、二級は車ごとに資格が分かれているんです。

三級でできること
  • 自動車各装置の基本的な整備
  • 認証工場の整備士数に数えられる
  • 二級を受けるための出発点になる
二級で新しく任されること
  • 自動車の一般的な整備
  • 分解整備の工場の整備主任者
  • 自動車検査員を目指す道が開ける

2級はエンジンもシャシも法規も、まとめて問われる

二級ガソリン・ジーゼル・2輪の学科は40問です。日本自動車整備振興会連合会の公表では、問1〜15がエンジン、問16〜30がシャシ、問31〜35が整備機器等、問36〜40が法規です。

三級はエンジンかシャシのどちらかの資格でしたよね。二級では両方をまとめて問われるうえ、分野ごとに40パーセント以上の基準もあります。

『三級はエンジンだけ勉強したから、シャシは自信がない…』という方は、二級の準備でシャシから手をつけておくと安心です。

3級と2級の合格率の違い

登録試験の合格率は、回によってかなり違います。令和7年度の公表値で、三級ガソリンと二級ガソリンの学科を比べてみましょう。

回三級ガソリンの学科二級ガソリンの学科
令和7年度第1回(令和7年10月5日)69.2%61.9%
令和7年度第2回(令和8年3月22日)78.0%92.0%

同じ二級ガソリンでも、10月の回と3月の回で合格率が大きく違うことが分かります。数字だけで難しさを決めつけず、自分が受ける回の過去問で確かめるのがおすすめです。

くわしくは2級の合格率と難易度や3級の難易度と合格率で紹介しています。

自動車整備士の1級と2級の違いは?

ここでの結論

1級と2級の違いは、試験で問われる力と、公的な求人などで求められる場面に出ます。一級は口述で問診や説明の力が問われ、実技では電圧の測定などで不具合の箇所を突き止めます。

『1級を取ると、2級と比べて何がいいの?』というのは、よく聞く疑問ですよね。ここでは、自動車整備士の1級と2級の違いを、試験と働く場面から見ていきます。

試験で問われる力の違い

一級の口述試験は、試験委員との対話で行われます。国土交通省の資料では、問題1が故障診断の問診、問題2が整備内容の説明とされています。

国土交通省の学習のポイントでは、問診の基本として「どこがどのように悪いのか」「いつから悪いのか」など5つの項目が挙がっています。お客さんから話を聞いて、故障の場所を絞り込む力が問われるんです。

一級の実技試験で問われるような、テスタで電圧を測る点検の手元

一級小型の実技は、令和7年度第2回(令和8年8月23日)の例では4問でした。サーキット・テスタやオシロスコープを使い、電圧を測って不具合の箇所を特定する問題が出ています。

一級の合格率は回によって大きく動く

登録試験の一級小型の公表値を並べると、次のとおりです。

年度筆記の合格率実技の合格率
令和7年度第2回50.0%91.6%
令和6年度第2回65.7%79.4%
令和5年度第2回59.1%31.9%

口述の合格率は、令和7年度第2回で98.4%でした。筆記と実技の合格率は年によってかなり動くので、一級を目指す人は過去の問題を早めに見ておきましょう。くわしくは1級の合格率・難易度で紹介しています。

公的な募集で見える1級と2級の違い

働く場面での違いは、公的な募集要項を見るとよく分かります。

募集の例二級の場合一級の場合
陸上自衛隊 技術陸曹(令和8年度・整備)二級と大型自動車第1種免許(2年以上の実務経験)、21歳以上、2等陸曹で採用一級と大型自動車第1種免許、23歳以上、1等陸曹で採用
京都府警察 一般職員(自動車整備士・令和8年度)一級か二級の資格が受験資格一級か二級の資格が受験資格

自衛隊の技術陸曹では、一級を持つ人の方が上の階級で採用されます。一方で、警察の例のように、一級と二級のどちらでも応募できる募集もあるんです。

公務員として整備に関わる道は公務員の自動車整備士で紹介しています。

給料の違いが気になる方へ

級ごとに給料がどう変わるかは、職場の資格手当や役職で大きく違います。公的な統計での見方は自動車整備士の級と年収にまとめています。

次に取る級はどう決める?今の状況別に見てみよう

ここでの結論

次の級は、合格してからの年数と、職場で任されたい役割で決めると迷いません。受験資格を満たす時期をカレンダーに書き出すところから始めましょう。

『自分は次に何級を目指せばいいの?』と迷った時のために、状況別の早見表を作りました。

今のあなた次に目指す級いつ受けられるか(実務経験だけの場合)
整備の職場で働き始めたばかり三級実務経験6月以上になってから
三級を持っている二級三級合格日から2年以上たってから
二級を持っていて整備主任者を任されている自動車検査員、または一級検査員は整備主任者として1年以上、一級は二級合格日から3年以上
二級を持っていて電子の装置の仕事が多い一級、または電子制御装置整備の講習一級は二級合格日から3年以上
次の級を決める手順
  1. 今持っている資格と、合格した日を確かめる
  2. 次の級の受験資格を満たす日を数える
  3. 登録試験の受付時期と講習の開始時期を調べる
  4. 職場で任されたい役割(整備主任者・検査員など)を上司と話す

例えば、三級に合格した日から2年たつのが秋なら、その年度の第2回の登録試験を目標にする、といった決め方ができます。試験の日程は試験日と合格発表で紹介しています。

上の級を目指しやすい職場かどうか

上の級を目指すには、講習に通う時間と、実務経験を積める環境が大事です。今の職場で上司に相談して、講習の時期に合わせた勤務の調整を頼んでみるのも一つの方法です。

一方で、資格手当がある職場や、講習の費用を支えてくれる職場に移ることで、上の級に進みやすくなる人もいます。級に合った役割と条件の職場を探したい人は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がりますよ。

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級の違いについて、よくある相談

ここでの結論

知恵袋でよく読まれているのは、「1級と2級は扱える範囲が違うの?」「無資格だと整備の仕事はできない?」「1級の課程に行く意味は?」という相談です。

知恵袋で多く読まれている相談を、要約して答えてみますね。

相談1:1級と2級は、扱える車の範囲が違う?

「自動車の1級整備士と2級整備士は何が違うのか。扱える範囲の違いなのか」という相談です。

扱う車の範囲で見ると、一級小型は大型以外の普通自動車や小型自動車、軽自動車など、二級ガソリンはガソリン・エンジンの普通自動車や小型自動車、軽自動車などが対象です。

対象の範囲は大きく重なっているので、範囲よりも求められる整備の深さが違うと考えると分かりやすいですよ。

国土交通省の説明でも、一級は「二級自動車整備士より高度な自動車の整備ができること」とされています。範囲が広がるのは、一級大型のように大型の普通自動車が対象になる種類です。

相談2:資格がないと、整備士の仕事はできない?

「1級と2級の違いのほかに、整備士の資格を持っていない人は整備の仕事ができないのか知りたい」という相談です。

道路運送車両法の決まりは、整備の事業を行う工場に認証を求める形です。整備をする一人ひとりに免許を求める条文は見当たりません。

認証工場の人の決まりは、一級か二級の整備士が1人以上いることと、整備士の数が従業員の4分の1以上であることです。全員が有資格者である必要はないので、無資格の人が認証工場で整備の仕事をすること自体は、条文上禁じられていないと読めます。

ただし、これは法令の組み立てから読めることで、国土交通省がはっきり解説しているわけではありません。くわしくは無資格でできる仕事と注意点を見てください。

相談3:1級の課程に通っているけど、何がいいのか分からない

「整備の学校の1級課程に通っていて、先生や親は1級の方がいいと言うけれど、何がいいのかよく分からない」という相談です。

一級の強みは、この記事で見てきたとおり、検査員になるまでの経験が短いことや、電子制御装置整備の講習が免除されることです。令和11年4月1日からは、自動運転車の検査を行う検査員は一級の合格者に限られます。

『2級でも働けるのに、なぜ?』と感じるのは自然なことです。ただ、これからの車の整備で求められる場面が増えていく資格だと考えると、学ぶ意味が見えてくるはずです。

よくある質問

自動車整備士の1級と2級の違いは何ですか?

一級は二級より高度な整備ができる資格で、試験に口述があり、実技も4問と多くなります。職場では、自動車検査員になるまでの経験が二級の1年以上に対して6月以上と短くなります。

自動車整備士の3級と2級の違いは何ですか?

三級はエンジンやシャシなど装置ごとの資格で、二級は車全体を見る資格です。二級からは、分解整備の工場の整備主任者になれます。

2級から1級まで何年かかりますか?

実務経験だけで進む場合、一級の受験資格は二級(二級シャシを除く)の合格日から3年以上です。二級合格者が一種養成施設の一級課程を修了する道もあります。

1級を持っていると何ができますか?

分解整備の工場の整備主任者になれるほか、電子制御装置整備の整備主任者になるための講習が一級小型では免除されます。令和11年4月1日からは、自動運転車の検査を行う自動車検査員は一級の合格者に限られます。

令和9年1月の見直しで、級の分け方は変わりますか?

一級・二級・三級の3つの級はそのままで、四輪の資格が「総合」にまとまります。一級の口述試験は廃止されます。

まとめ

この記事の要点
  • 級の違いは「受験に必要な経験」「試験の範囲と形」「職場での役割」の3つに表れる
  • 実務経験だけなら、三級は6月以上、二級は三級合格後2年以上、一級は二級合格後3年以上
  • 3級と2級の違いは、装置ごとか車全体か、整備主任者になれるかどうか
  • 1級と2級の違いは、口述と実技で問われる診断の力と、検査員までの経験の長さ
  • 次の級は、受験資格を満たす日と任されたい役割から決める
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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