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『整備士の資格がないと、整備工場には入れないのかな』と迷っている方も多いですよね。国土交通省の資料でも、運輸支局長などが高校を訪ねた時に、資格がなければ整備工場に就職できないと思っていた、という声が紹介されています。
結論から言うと、自動車整備士の資格なしで整備の職場に勤め、働きながら資格を取る人はいます。ただし、無資格の人が一人で工場を開いて整備を請け負うことはできず、資格がないと就けない役割もあります。
この記事では、無資格でできることを3つに分けて、罰則の考え方や資格を取る流れまでお伝えしますね。
自動車整備士の資格がなくても働ける?
道路運送車両法の仕組みは、整備を事業として行う「工場」に国の認証を求める形です。認証工場の人員の決まりは「整備士が従業員の4分の1以上」などで、全員が有資格者であることまでは求めていません。そのため、無資格の人が認証工場で働くこと自体は、条文の上では禁じられていないと読めます。
ここは少していねいに見ておきましょう。この整理は、法令の条文の組み立てから読み取ったものです。国土交通省が「無資格の人はここまでできる」と明示した解説ページは、この記事を書く時点で確認できていません。
厚生労働省の職業情報サイト(job tag)の2021年時点の説明にも、入職してから実務経験を積み、そのあと資格を取る場合もあると書かれていました。働きながら資格を取る人のための講習も、各地の整備振興会の技術講習所で行われています。
| よくある思い込み | 法令の仕組みから見たところ |
|---|---|
| 資格がないと整備工場に入れない | 工場の人員の決まりは全員が資格者であることを求めていない |
| 資格がない人は整備に一切触れない | 工場の中で、整備主任者のもとで働く形が一般的 |
| 資格があれば一人で整備業を始められる | 整備を事業として行うには工場の認証が必要 |
『じゃあ、資格はいらないの?』と思うかもしれません。ここが大事なところで、資格がないと就けない役割や、工場として満たすべき人数の決まりがあるんです。
無資格でできること・手伝えること・できないこと
無資格の人の立場は「無資格でもできること」「資格者がいれば手伝えること」「資格がないとできないこと」の3つに分けると見通しがよくなります。この記事独自の分け方で、細かい判断は職場の整備主任者に確かめるのが前提です。

| 分け方 | 中身の例 | 法令の考え方 |
|---|---|---|
| 無資格でもできること | 自分の車の日常の点検、洗車、部品の準備、工具の片付け | 車の使用者には自分で点検し整備する義務がある |
| 資格者がいれば手伝えること | 認証工場での点検・整備の作業(整備主任者の取りまとめのもと) | 工場の人員の決まりは整備士の割合と整備主任者 |
| 資格がないとできないこと | 整備主任者になる、検査員になる、工場の整備士の人数に数えられる | 施行規則・指定自動車整備事業規則で資格が条件 |
無資格でもできること
まず、自分の車の点検です。道路運送車両法では、車の使用者は自分で点検し、必要な整備をして、保安基準に合った状態を保つ義務があるとされています。
自分で特定整備をした時は、点検整備記録簿に書くことも求められています。ただ、ブレーキなどの分解は事故に直結するので、自信がない作業は工場に任せたほうが安心です。
資格者がいれば手伝えること
認証工場では、整備主任者が特定整備と記録簿の記載を取りまとめます。無資格の人は、このような体制の中で点検や整備の作業に加わる形になります。
例えば、先輩の整備士と一緒にリフトに上げた車の点検をしたり、外した部品の洗浄や交換を受け持ったりする場面です。どこまで任せるかは職場の判断なので、最初に確かめておきましょう。
- 自分が一人でやってよい作業はどれか
- 先輩に確認してもらう作業はどれか
- 作業の記録は誰が書くのか
- 分からない時に誰に聞けばよいか
資格がないとできないこと
整備主任者になるには、分解整備の事業場では1級か2級の整備士である必要があります。指定工場の自動車検査員も、整備主任者としての経験と教習が条件です。
また、資格のない人は、認証工場の「整備士の数が従業員の4分の1以上」という決まりの人数には数えられません。工場にとっては、資格を持つ人が増えるほど体制を組みやすくなるんです。
工場の外でも、資格が条件になる仕事があります。例えば京都府警察の車両整備の職員の募集では、自動車整備士の1級か2級の資格を持っていることが受験資格になっていました。
外国人の特定技能(自動車整備分野)でも、技能検定の3級や2級が要件のひとつとして使われています。資格は、仕事の選び方そのものを広げてくれるんですね。
資格とは別に受ける教育もある
資格の有無とは別の話として、ハイブリッド車や電気自動車の整備には特別教育が関わってきます。労働安全衛生規則では、対地電圧が50ボルトを超える蓄電池を積んだ車の整備は、特別教育が必要な業務とされています。
この特別教育は、働く人をその業務に就かせる事業者が行うものです。無資格かどうかにかかわらず、電気で走る車の整備に入る前には、職場で教育を受けることになります。
資格ごとにできることは自動車整備士の資格でできることで詳しく紹介しています。
自動車整備士の無資格に関わる罰則は?
道路運送車両法の罰則は、主に「工場(事業)」に向けたものです。認証を受けずに自動車特定整備事業を経営すると50万円以下の罰金と定められています。働く個人が資格を持たないこと自体への罰則の条文は、この記事で確かめた範囲では見当たりません。
『無資格で整備したら捕まるの?』という不安の声はよく見かけます。罰則の対象を整理すると、次のようになります。
| 違反の内容 | 定められている罰則 | 対象 |
|---|---|---|
| 認証を受けずに自動車特定整備事業を経営する | 50万円以下の罰金(道路運送車両法第109条) | 事業を営む人 |
| 認証の業務範囲の限定に違反する | 同じく第109条 | 事業を営む人 |
| 認証工場でないのに認証工場の標識や似た標識を掲げる | 30万円以下の罰金(第110条) | 掲げた人 |
| 指定工場が自動車検査員を選ばない | 30万円以下の罰金(第110条) | 指定工場 |
つまり、気をつけたいのは「資格がない人が働くこと」より「認証のない場所で他人の車の特定整備を仕事として受けること」なんです。
分解整備・電子制御装置整備は認証工場の仕事
エンジンやブレーキ、かじ取り装置などを外す分解整備は、特定整備にあたります。令和2年4月からは、自動ブレーキのカメラやレーダーの取り外しや調整も電子制御装置整備として加わりました。
電子制御装置整備は経過措置が令和6年3月31日で終わっています。認証のない工場では、エーミングやカメラ・レーダーの取り外しなどの作業はできません。
「知り合いの車だから」と、自宅のガレージでお金を受け取ってブレーキの分解整備を引き受けてしまうことです。仕事として受けるなら、認証を受けた工場で行うのが前提です。迷ったら、管轄の運輸支局に確かめてみてください。
受験の手続きでの注意
もうひとつ気をつけたいのが、資格の受験の手続きです。道路運送車両法では、技能検定で不正があった場合は合格を無効にでき、3年以内の期間を定めて受験させないことができるとされています。
国土交通省の案内では、実務経験の書き方が正しくないと分かった場合は、合格の無効などの処分を受け、最大3年の受験停止になるとされています。実務経験はありのままに書きましょう。
資格なしから自動車整備士になる流れ
資格なしで整備の職場に入った人は、実務経験を積んで3級を受け、次に2級を目指す流れが基本です。令和7年7月8日の改正で、3級に必要な実務経験は6月以上に短くなりました。
『何から始めればいいの?』という方のために、実務経験だけで進む場合の流れを並べてみました。
- 認証工場などの整備の職場に入る
- 15歳以降の整備作業の実務経験を6月以上積む
- 3級を受ける(講習で実技の免除を受ける道もある)
- 3級合格後、2年以上の実務経験を積む
- 2級を受ける
この年数は、令和7年7月8日の改正後のものです。改正前は3級が1年、2級が3級合格後3年でしたが、今はそれぞれ短くなっています。

実務経験に数えられる仕事・数えられない仕事
ここは見落としやすいポイントです。国土交通省の通達では、実務経験として認められる職場と作業が決まっています。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 認められる職場の例 | 自動車特定整備事業の認証を受けた事業場、優良自動車整備事業者の認定を受けた事業場、整備用の機械を備えた販売店の作業場 など |
| 認められる作業の例 | 分解整備、主要な装置の点検・調整、装置や主要部品の交換 など |
| 認められないもの | オイル、タイヤ、灯火装置、ワイパー・ブレード等の交換作業のみ、アルバイト等臨時で勤務しているような作業経験 |
オイルやタイヤの交換だけを続けていても、受験に必要な実務経験にはならないんです。職場を選ぶ時は、分解整備や点検の作業に関われるかを確かめておきましょう。
受験資格の細かい条件は自動車整備士の受験資格と実務経験で、アルバイトの扱いは自動車整備士のアルバイト・派遣で紹介しています。
働きながら通える講習もある
国土交通省の案内では、二種養成施設として全国に53施設があり、各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所がこれにあたります。働きながら受講する人が多く、夜間や休日に講習を行っている施設もあります。
修了すると、修了した課程の実技試験が修了後2年間免除されます。働きながら進める方法は働きながら自動車整備士の資格を取るにはで詳しく紹介しています。
資格なしで入りやすい職場と、実務経験の積みやすさ
無資格で入れる職場はいくつかありますが、実務経験の積みやすさには差があります。下の表は、この記事の目安としての傾向です。
| 職場 | 無資格で入った時の仕事の例 | 実務経験の積みやすさ |
|---|---|---|
| 街の整備工場(認証工場) | 先輩と一緒の点検・整備、部品の準備 | 分解整備に関われることが多い |
| ディーラーの整備部門 | 点検の補助、洗車、車の移動 | 配属や教育の方針による |
| ガソリンスタンド・カー用品店 | オイルやタイヤの交換、点検の受付 | 交換作業だけだと認められない |
| ロードサービス | 故障車の対応の補助 | 通達の例にあるのは特定の団体の救援業務。勤め先が当たるか確認を |
『入ってみたら交換作業ばかりだった』とならないよう、面接で「受験に必要な実務経験になる作業を任せてもらえますか」と聞いてみてください。
学校に通う道と比べてみる
資格なしから目指す道は、働きながら進む道だけではありません。学校(一種養成施設)に通う道と比べてみましょう。
- 給料をもらいながら実務経験を積める
- 二種養成施設の講習は修業年限6か月で、修了すると実技が2年間免除
- 仕事と勉強の両立に工夫がいる
- 一種養成施設は三級課程が1年以上、二級課程が2年以上
- 修了すると受験資格と、実技試験の免除が得られる
- 通う間は働く時間が限られる
どちらが良い悪いではなく、今の暮らしと年齢、学費をどう用意するかで選ぶ道です。学校の選び方は自動車整備士になるにはでも紹介しています。
よくある相談:無資格について聞かれること
知恵袋では「認証工場に2級整備士がいない」「資格がなくても自分の車を整備していいの?」「期間工の経験は実務経験になる?」といった相談をよく見かけます。どれも、工場の決まりと個人の話を分けて考えると答えが見えてきます。
相談1:勤めている認証工場に2級整備士がいない
答え:分解整備を行う認証工場には、1級か2級の整備士が少なくとも1人いて、その中から整備主任者を置く決まりがあります。退職などでいなくなると、認証の基準に合わない状態になりかねません。
働いている側としては心配になりますよね。まずは工場の責任者に体制を確かめ、気になる時は管轄の運輸支局に相談する方法があります。
もし自分が2級を目指せる段階なら、それは工場にとっても心強い話です。受験の時期や講習の支援について、工場と相談してみるのもひとつの手ですね。
相談2:資格がなくても自分の車を整備していいの?
答え:車の使用者には、自分で点検し、必要な整備をする義務があります。資格の有無は関係ありません。
タイヤのローテーションのような作業を自分でする人もいます。整備士の資格を持っていても持っていなくても、自分の車を自分で手入れすること自体は同じ扱いです。
一方で、友人や知人の車を預かってお金をもらうとなると話が変わります。それは整備を仕事として受けることになるので、認証工場の話になるんです。
また、自分で特定整備をした時は点検整備記録簿に書くことが求められているので、その点は覚えておきましょう。
相談3:期間工として働いた経験は実務経験に入る?
答え:通達では、実務経験として認められる職場や作業の例が決まっていて、アルバイト等の臨時の勤務は認められないとされています。期間工の仕事がこれに当たるかは、職場と作業の中身しだいです。
例えば、車を組み立てる工場のラインの仕事と、整備工場での点検・整備の仕事では、作業の中身がかなり違います。通達の「認められる作業」の例と、自分がしていた作業を並べて見比べてみてください。
自分のケースが当たるかどうかは、受験を申し込む運輸支局や、講習を受ける整備振興会に確かめるのがいちばん早いです。
実務経験証明書の全国共通の様式や、誰が証明するかの決まりは、この記事を書く時点で公式の情報を確認できていません。申し込み先の案内に沿って準備しましょう。
無資格から始める人の職場の選び方
無資格から始めるなら、資格を取るための実務経験が積める職場かどうかが一番大事です。資格取得の支援や、講習に通う日の扱いも、求人票と面接で確かめておきましょう。
『資格なしでも採用してくれる所なら、どこでもいい』と考えてしまいがちです。でも、オイル交換だけの毎日だと、受験に必要な実務経験になりにくいんです。
- 認証工場(または指定工場)か
- 分解整備や点検の作業に関われるか
- 資格取得の支援(講習費や受験の手続き)があるか
- 講習に通う日に休みを取れるか
- 資格手当があるか
国土交通省の職場づくりのガイドライン(令和7年6月改訂)でも、整備士資格手当の支給などが取り組みの例として挙げられています。資格を取った後の待遇も、あわせて見ておきたいところですね。
未経験から整備士を目指す流れは未経験から自動車整備士になるにはで年代別に紹介しています。
今の職場で実務経験を積みながら資格を目指す道も、学校に通って一から学ぶ道もあります。資格なしからでも資格取得を支えてくれる職場を探したい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がりますよ。
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よくある質問
自動車整備士の資格なしで整備工場に勤められますか?
認証工場の人員の決まりは、全員が資格者であることまでは求めていないので、資格なしで勤め、働きながら資格を取る人もいます。どこまで作業を任されるかは職場によって違います。
自動車整備士の無資格に罰則はありますか?
道路運送車両法の罰則は主に事業に向けたもので、認証を受けずに自動車特定整備事業を経営すると50万円以下の罰金です。働く個人が資格を持たないことへの罰則の条文は、この記事の範囲では見当たりません。
無資格から3級を受けるには何年の実務経験が必要ですか?
令和7年7月8日の改正後は、15歳以降の整備作業の実務経験が6月以上です。学校の学科によっては短くなったり、いらなくなったりします。
オイル交換の仕事は実務経験になりますか?
国土交通省の通達では、オイルやタイヤ、ワイパーなどの交換作業のみの経験は実務経験として認められないとされています。点検や分解整備に関われる職場を選びましょう。
まとめ
- 法令は工場に認証を求める仕組みで、無資格の人が認証工場で働くこと自体は条文上禁じられていないと読める
- 無資格でもできること・資格者がいれば手伝えること・資格がないとできないことの3つで考える
- 認証なしで特定整備事業を経営すると50万円以下の罰金
- 3級に必要な実務経験は令和7年7月8日の改正後は6月以上
- オイルやタイヤの交換だけでは実務経験にならないので、職場選びが大事
自動車整備士の全体像は自動車整備士とは?でまとめています。





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