自動車整備士の資格の種類|1級・2級・3級・特殊整備士の一覧

自動車整備士の資格の種類を一覧で紹介する記事のアイキャッチ。整備工場に並ぶ乗用車とトラック

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『自動車整備士の資格って、種類が多すぎてよく分からない…』と感じていませんか。ガソリン、ジーゼル、シャシ、二輪と名前が並ぶと、どれを取ればいいか迷いますよね。

結論から言うと、今の制度の資格は一級・二級・三級と特殊整備士の合わせて14種類です。「級」と「扱う車や装置」の2つの軸で並べると、ぐっと分かりやすくなります。

この記事を読めば、種類の全体像と、自分が取るべき種類の見分け方が分かりますよ。

目次

自動車整備士の資格の種類は、今の制度で14種類

先に結論

自動車整備士技能検定規則では、資格の種類が14種類に分かれています。技能検定はこの種類ごとに行われるので、種類ごとに別の資格として取る仕組みです。

まずは、今の制度の14種類を一覧で見てみましょう。法令の正式名称で並べています。

級種類(正式名称)扱う範囲
一級一級大型自動車整備士大型の普通自動車と大型特殊自動車
一級一級小型自動車整備士大型以外の普通自動車、小型自動車、軽自動車、小型特殊自動車
一級一級二輪自動車整備士二輪の小型自動車と二輪の軽自動車
二級二級ガソリン自動車整備士ガソリン・エンジンの普通自動車、小型自動車、軽自動車(二輪を除く)
二級二級ジーゼル自動車整備士ジーゼル・エンジンの自動車
二級二級自動車シャシ整備士普通自動車、小型自動車、軽自動車(二輪を除く)のシャシ
二級二級二輪自動車整備士二輪の小型自動車と二輪の軽自動車
三級三級自動車シャシ整備士自動車のシャシ
三級三級自動車ガソリン・エンジン整備士ガソリン車のエンジン
三級三級自動車ジーゼル・エンジン整備士ジーゼル車のエンジン
三級三級二輪自動車整備士二輪の小型自動車と二輪の軽自動車
特殊自動車タイヤ整備士タイヤとその附属装置
特殊自動車電気装置整備士電気装置
特殊自動車車体整備士車わくと車体

法令上は「ディーゼル」ではなく「ジーゼル」と書きます。履歴書などに書く時も、この正式名称に合わせておくと安心ですね。

級ごとに求められる力

国土交通省は、級ごとの力を次のように説明しています。級が上がるほど、より高度な整備を任される形です。

国土交通省による級の説明
  • 一級:二級自動車整備士より高度な自動車の整備ができること
  • 二級:自動車の一般的な整備ができること
  • 三級:自動車各装置の基本的な整備ができること
  • 特殊整備士:各々の分野について専門的な知識・技能を有すること

級ごとの違いをもっとくわしく知りたい方は、1級・2級・3級の違いで紹介しています。

『級』と『扱う車・装置』の2軸で一覧を見てみよう

ここでの結論

種類の名前は「級」と「扱う車・装置」の組み合わせでできています。縦に級、横に扱う車や装置を並べると、どこに空きがあり、どこから取ればいいかが見えてきます。

『名前を覚えるだけで精一杯…』という方も多いはずです。そこで、14種類を2つの軸で並べた表を作りました。

自動車整備士の資格の種類を、級と扱う車・装置の2つの軸で並べた一覧の図解
級\扱う物四輪のエンジン四輪のシャシ四輪全体二輪特定の装置
一級なしなし一級大型・一級小型一級二輪なし
二級なし二級シャシ二級ガソリン・二級ジーゼル(エンジンの種類で分かれる)二級二輪なし
三級三級ガソリン・エンジン、三級ジーゼル・エンジン三級シャシなし三級二輪なし
級なしなしなしなしなしタイヤ・電気装置・車体

表を見ると、三級はエンジンとシャシが別々の資格です。一方で、二級ガソリンと二級ジーゼルは「ガソリン(ジーゼル)・エンジンを原動機とする自動車」そのものが対象で、エンジンの種類で分かれています。

一級になると、大型か小型かで分かれます。つまり、上の級ほど「車全体」を見る資格になっていくんです。

二輪だけは、一級から三級まで縦に一本の列になっています。四輪の資格とは別の道として、二輪の中で上の級を目指す形なんです。

三級二輪の実務経験には、原動機付自転車の整備作業も含まれます。バイク店で働きながら三級二輪を目指す、という進み方もできますよ。

自分が取る種類の見分け方

どの種類から取るかは、ふだん扱う車と、これから任されたい仕事で考えると決めやすいですよ。

あなたの状況最初に考えたい種類次に目指す種類の例
乗用車の整備が多い三級ガソリン・エンジン、または三級シャシ二級ガソリン
トラックやバスの整備が多い三級ジーゼル・エンジン、または三級シャシ二級ジーゼル
バイクの整備が多い三級二輪二級二輪
板金・塗装の職場で働く自動車車体整備士三級(シャシ・二輪)なども受験できる
電装品やカメラの調整が多い自動車電気装置整備士三級ガソリン・ジーゼルなども受験できる

規則では、自動車タイヤ整備士や自動車車体整備士の合格者は三級シャシ・三級二輪を、電気装置整備士の合格者は三級ガソリン・ジーゼルを受けられる決まりがあります。特殊整備士から三級へ進む道もあるんです。

受ける人が多い種類は?

登録試験の令和7年度第2回(令和8年3月22日)の学科では、三級の受験者数は次のとおりでした。どの種類を選ぶ人が多いかの参考になります。

三級の種類受験者数合格者数
三級ガソリン4,2833,339
三級シャシ1,5951,197
三級ジーゼル544367
三級2輪203170

三級ガソリンを受ける人が一番多いことが分かりますね。くわしくは3級自動車整備士とはで紹介しています。

種類ごとに、試験の問題数と時間も違う

『種類が違うと、試験の重さも違うの?』と気になる方もいるはずです。日本自動車整備振興会連合会の令和8年度の案内では、学科の出題数と時間は次のとおりです。

種類学科の出題数試験時間
三級(シャシ・ガソリン・ジーゼル・2輪)30問60分
二級シャシ30問60分
二級ガソリン・二級ジーゼル40問80分
電気装置・車体40問80分
一級小型(筆記)50問100分

一級小型は、筆記に受かると口述試験(2問・10分)があります。どれも四つの選択肢から一つを選ぶ形なので、種類が決まったら過去問で形に慣れておきましょう。試験の中身は自動車整備士の国家試験とはで紹介しています。

大型車やトラックを扱いたい人は、どの種類を取る?

ここでの結論

大型のトラックやバスを扱う一級の資格は「一級大型」です。二級には大型か小型かの区分はなく、エンジンの種類で二級ガソリンと二級ジーゼルに分かれます。

『トラックの整備がしたいけど、どの資格?』という方もいますよね。大型車を扱う資格は、級ごとに名前が違うので、ここで見比べておきましょう。

一級大型と一級小型の分かれ目

自動車整備士技能検定規則では、一級大型の対象は、普通自動車のうち次のどれかに当たる車と、大型特殊自動車です。

一級大型の対象になる普通自動車
  • 車両総重量が8トン以上
  • 最大積載量が2トンを超える
  • 乗車定員が11人以上

一級小型は、この条件に当たらない普通自動車や、小型自動車、軽自動車、小型特殊自動車が対象です。名前は「小型」でも、大型以外の普通自動車や軽自動車まで含む資格なんです。

種類対象の例
一級大型大型のトラック・バスなど(上の3つの条件のどれかに当たる普通自動車)、大型特殊自動車
一級小型上の条件に当たらない普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車、小型特殊自動車

二級は大きさではなくエンジンの種類で分かれる

二級ジーゼルの対象は、ジーゼル・エンジンを原動機とする自動車です。二級ガソリンの対象は、ガソリン・エンジンを原動機とする普通自動車や小型自動車、軽自動車です。

つまり二級では、車の大きさではなくエンジンの種類で資格が分かれています。トラックを扱う職場なら、扱う車のエンジンがどちらかを先輩に聞いてみてください。

二級ガソリンと二級ジーゼルは種類が別なので、両方を持つ人もいます。どちらから取るかの考え方はガソリンとジーゼルの違いで紹介しています。

一級の登録試験について

日本自動車整備振興会連合会の登録試験で、一級として載っているのは「一級小型自動車」だけです。一級大型や一級二輪を受けたい人は、受け方を最寄りの自動車整備振興会や運輸支局に確かめておきましょう。

特殊整備士(タイヤ・電気装置・車体)とは?

ここでの結論

特殊整備士は、タイヤ、電気装置、車体の3つの分野を専門にする資格です。級はなく、その分野の整備の実務経験で受けられます。

『特殊って、何が特殊なの?』と疑問に思いますよね。特殊整備士は、車全体ではなく一つの分野を深く扱う資格なんです。

種類扱う範囲実務経験として認められる作業の例
自動車タイヤ整備士タイヤとその附属装置ホイール・アライメントやバランスなど
自動車電気装置整備士電気装置充電・始動・点火装置や各種電子制御装置
自動車車体整備士車わくと車体フレームやボディーの点検・修正、各種電子制御装置の点検・調整など

受験資格は「その装置の整備」の経験

特殊整備士の受験資格は、その装置の整備作業に関する1年4月以上の実務経験です。令和7年7月8日の改正で、2年から短くなりました。

大学の機械などの学科を出た人は1年以上、一種養成施設の二級課程を修了した人などは8月以上に短くなります。

例えば、板金・塗装の工場で働いている人なら、車体の修正の経験を積んで自動車車体整備士を目指せます。電装品の取り付けや調整が多い職場なら、自動車電気装置整備士が近い資格です。

『四輪の三級より先に、特殊を取ってもいいの?』と迷う方もいますよね。今の仕事の中身に近い方から取るのが、経験を数えやすく無理のない進め方です。

電子制御の時代に注目される電気装置整備士

国土交通省は、カメラやセンサーの向きを合わせる「エーミング」の作業経験を、自動車電気装置整備士の実務経験として認めると案内しています。電子の装置を扱う仕事が増える中で、注目したい資格ですね。

電子制御装置整備を行う工場では、一級(二輪を除く)の整備士か、講習を修了した二級・車体・電気装置整備士などが少なくとも1人必要です。特殊整備士も、この講習を修了すれば、その1人に数えられるんです。

タイヤ整備士の試験に注意

日本自動車整備振興会連合会の案内では、自動車タイヤの登録試験は「現在、実施しておりません。」とされています。受けたい人は、最寄りの自動車整備振興会に受け方を確かめてみてください。

令和9年1月1日からは9種類に:「総合」の資格とは?

ここでの結論

令和9年1月1日から、資格は「総合」と「二輪」を軸にした9種類に組み直されます。今の資格を持っている人は、新しい資格に合格した人とみなされます。

『総合って、どういう意味?』と気になっている方も多いはずです。ここでは、新しい種類と今の種類の対応を見ていきます。

新しい9種類

改正後の自動車整備士技能検定規則では、資格は次の9種類になります。国土交通省は、電子制御の内容を含む資格を設定することをねらいに挙げています。

今の14種類から令和9年1月1日の9種類への組み直しを示した図解
今の資格令和9年1月1日からの資格(みなし)
一級大型・一級小型一級自動車整備士(総合)
一級二輪一級自動車整備士(二輪)
二級ガソリン・二級ジーゼル二級自動車整備士(総合)
二級自動車シャシ・二級二輪二級自動車整備士(二輪)
三級シャシ・三級ガソリン・エンジン・三級ジーゼル・エンジン・三級二輪三級自動車整備士(総合)
自動車タイヤ整備士自動車タイヤ整備士
自動車電気装置整備士自動車電気・電子制御装置整備士
自動車車体整備士自動車車体・電子制御装置整備士

「総合」は、今ガソリン・ジーゼル・シャシなどに分かれている四輪の資格を、一つにまとめた種類です。三級の4種類も、条文上はすべて三級(総合)にあたります。

二級シャシが二級(二輪)に、三級二輪が三級(総合)にあたるのは、条文の表どおりの対応です。少し意外に見える所なので、表で確かめておいてくださいね。

試験はいつから変わる?

国土交通省の資料では、新しい規則にもとづく試験は施行日以降に行い、最短で令和9年3月、一級は令和10年3月とされています。一級の口述試験は廃止されます。

時期変わること
令和9年1月1日新しい自動車整備士技能検定規則が施行
令和9年3月14日登録試験の学科で、二級(総合)・三級(総合)などの新しい区分も実施
令和10年1月二級(総合)・三級(総合)の実技試験が始まる予定
令和10年8月一級(総合)の実技試験が始まる予定

今の規則の受験資格を持つ人の技能検定は、令和10年3月31日(一級は令和11年3月31日)まで今の例で行えるとされています。教科書も、日本自動車整備振興会連合会から「新制度対応」の版が出ています。

くわしい制度の話は資格制度の改正で紹介しています。

種類を選んだら、働く場所も考えてみる

どの種類を目指すかが決まると、その資格を活かせる職場も見えてきます。今の職場で経験を積むのも、扱う車が合う職場に移るのも、どちらも前向きな選択です。

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資格の種類について、よくある相談

ここでの結論

知恵袋でよく読まれているのは、「三級のシャシとエンジンの違い」「四輪の資格で二輪も整備できるか」「種類が多くて分からない」という相談です。

知恵袋で多く読まれている相談を、要約して答えてみますね。

相談1:三級のシャシとエンジンは、どこが違う?

「三級を取ろうと考えているが、シャシとエンジンでは資格の内容がどう違うのか」という相談です。とても多く読まれている質問です。

結論から言うと、エンジンの資格はエンジン本体とまわりの装置、シャシの資格はエンジン以外の部分が対象です。日本自動車整備振興会連合会の三級ガソリン・エンジンの教科書の目次には、エンジン本体、潤滑装置、冷却装置、燃料装置、吸排気装置、電気装置などが並んでいます。

シャシは、エンジンを除いた部分です。分解整備の定義に出てくるクラッチやトランスミッション、かじ取り装置、制動装置、緩衝装置などが、エンジン以外の装置の例です。

『どっちから取ればいいの?』と迷ったら、ふだんの仕事でよく触る方から選ぶのがおすすめです。勉強した内容が、そのまま毎日の作業で確かめられますよ。

相談2:四輪の整備士の資格で、二輪も整備できる?

「自動車整備士の資格で、二輪の整備もできるか」という相談です。

資格の種類で見ると、二輪は四輪とは別の種類です。二級ガソリンなどの対象は四輪・三輪の自動車で、二輪の小型自動車と二輪の軽自動車は、一級・二級・三級の二輪の資格が対象になっています。

バイクの整備を仕事にしたい人は、二輪の資格を目指すのが近道です。くわしくは二輪自動車整備士とはで紹介しています。

相談3:種類が多くて、調べてもよく分からない

「自動車整備士の資格には種類があるが、調べてもよく分からない」という相談です。そう感じるのは自然なことです。

まずは、今の制度が14種類であること、令和9年1月1日から9種類に変わることの2点を押さえましょう。そのうえで、この記事の2軸の表で「級」と「扱う物」を見ると、名前の意味がつかめます。

迷った時は、職場の先輩や講習所に、こんなふうに聞いてみてください。

「うちの職場で多い車だと、どの種類から取るのがいいですか?」「新しい制度だと、どの資格にあたりますか?」

よくある質問

自動車整備士の資格の種類はいくつありますか?

今の制度では、一級・二級・三級と特殊整備士の合わせて14種類です。令和9年1月1日からは、総合と二輪を軸にした9種類に組み直されます。

自動車整備士の「総合」とは何ですか?

令和9年1月1日から始まる新しい資格の区分です。今ガソリン・ジーゼル・シャシなどに分かれている四輪の資格を一つにまとめた種類で、一級・二級・三級それぞれにあります。

大型車やトラックの整備に関係する資格はどれですか?

一級では、車両総重量8トン以上などの大型の普通自動車と大型特殊自動車が対象の一級大型があります。二級は大きさでは分かれず、エンジンの種類で二級ガソリンと二級ジーゼルに分かれます。

特殊整備士とはどんな資格ですか?

タイヤ、電気装置、車体の3つの分野を専門にする資格です。その装置の整備作業で1年4月以上の実務経験があれば受験できます。

級ごとに種類を全部取らないといけませんか?

技能検定は種類ごとに行われ、それぞれ別の資格です。全部取る決まりはないので、扱う車や目指す仕事に合わせて選びます。

まとめ

この記事の要点
  • 今の自動車整備士の資格は、一級・二級・三級と特殊整備士の14種類
  • 三級はエンジンとシャシが別、二級ガソリン・ジーゼルは車全体が対象
  • 大型車やトラックの一級は一級大型、二級は大きさでなくエンジンの種類で分かれる
  • 特殊整備士はタイヤ・電気装置・車体の3分野で、実務経験1年4月以上で受けられる
  • 令和9年1月1日から「総合」と「二輪」を軸にした9種類になり、今の資格はみなしで引き継がれる
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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