自動車整備士の級と年収|1級・2級で給料はどう変わる?

自動車整備士の1級・2級と年収の関係を紹介する記事のアイキャッチ。整備工場で下回りを点検する手元と教科書

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2級を取ったけれど、1級まで取ったら年収はどのくらい変わるのか。『苦労して1級を取っても、給料がほとんど変わらなかったら…』と気になりますよね。

結論から言うと、自動車整備士の1級と2級の年収の差は、級そのものより「資格手当」「任される仕事」「役職」の3つを通して表れます。

この記事を読めば、級が年収に効く道筋と、1級・2級を年収につなげる順番が分かります。

目次

自動車整備士の1級・2級で年収はどう変わる?

先に結論

級ごとの平均年収を示した公的な統計は見当たりません。級の違いは、資格手当の額、任される仕事の幅、整備主任者や検査員などの役割を通して年収に表れるので、この3つで比べるのが現実的です。

『1級の年収は○○万円』という数字を探している方も多いはずです。実は、国の統計や業界団体の調査では、級ごとの年収は公表されていないんです。

まずは、公表値で分かることと分からないことを分けておきますね。

知りたいこと公表値で分かるか手がかり
整備士全体の平均年収分かる賃金構造基本統計調査・JASPAの実態調査
ディーラーと整備工場の差分かるJASPAの業態別の平均年収
1級と2級の年収の差分からない求人票の資格手当・役職の条件で比べる
級で変わる採用条件一部分かる公務員の募集要項など

全体の平均を見ておくと、比べる時の基準になります。令和7年賃金構造基本統計調査の「自動車整備・修理従事者」では、年収の目安は約503.8万円(ノート記載の計算方法による目安)でした。

日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の令和7年度調査では、整備要員の平均年収(自家を除く)は442万8,900円です。くわしい読み方は自動車整備士の年収・給料で紹介しています。

「級ごとの平均」が出ない理由

賃金構造基本統計調査の「自動車整備・修理従事者」は、資格の有無を問わずに集計しています。だから、2級の人だけ、1級の人だけの平均は、この統計からは分からないんです。

級が年収に効く3つの道筋

ここでの結論

級が年収につながる道は「資格手当」「任される仕事」「役職」の3つです。資格手当はすぐ効き、任される仕事と役職はじわじわ効きます。どの道が大きいかは職場によって違います。

『級を上げれば給料が上がる』とひと言で言われても、何がどう上がるのかは分かりにくいですよね。そこで、級が年収に効く道筋を3つに分けてみました。

自動車整備士の級が年収に効く3つの道筋を、資格手当・任される仕事・役職に分けた図解
道筋中身効き方確かめる所
資格手当級ごとに毎月の手当が付く取った月から効くことが多い求人票・給与規程
任される仕事上の級ほど、難しい故障の診断や高度な整備を任される評価や昇給を通して少しずつ効く職場の評価の仕組み
役職整備主任者・検査員・工場長などの役割に就く役職手当として大きく効く役職の条件・役職手当

道筋1:資格手当

国土交通省のガイドライン(令和7年6月の改訂版)では、職場づくりの取組例として「整備士資格手当や役職手当の支給」が挙げられています。資格手当は、級が給料に直結するいちばん分かりやすい仕組みです。

ただ、手当の額や、何級から付くかは会社によって違います。面接では「2級と1級で、資格手当はそれぞれいくらですか?」と聞いてみてください。

道筋2:任される仕事

国土交通省の説明では、2級は「自動車の一般的な整備ができること」、1級は「二級自動車整備士より高度な自動車の整備ができること」とされています。

上の級を持っていると、電子制御の診断など難しい仕事を任されやすくなります。任される仕事が増えると、評価や昇給にも少しずつ表れてきます。

例えば、警告灯が点いた原因を突き止める診断や、車検で見つかった不具合の判断などです。こうした仕事を任されるようになると、職場の中で「この人に聞けば分かる」という立場になっていきます。

その立場が、次の昇給や役職の話につながっていくんです。手当のように目に見える額ではありませんが、長い目で見ると大きな差になります。

道筋3:役職

認証工場では、事業場ごとに「整備主任者」を置くことになっています。分解整備を行う事業場の整備主任者は、1級または2級の整備士から選ばれます。

さらに、指定工場の自動車検査員は、整備主任者としての実務経験を積み、地方運輸局長が行う教習を修了した人がなります。役職に就くと、役職手当という形で年収に効いてきます。

3つの道筋を、自分の職場に当てはめてみる

3つの道筋のうち、どれが大きく効くかは職場の仕組みで変わります。自分の職場では何が効いているのか、次の質問で確かめてみてください。

道筋職場に聞いてみる質問答えから分かること
資格手当「級ごとの資格手当の額を教えてください」級を上げた時に、毎月いくら増えるか
任される仕事「上の級を取ると、どんな作業を任されますか?」評価や昇給につながる仕事が増えるか
役職「整備主任者や検査員になる条件は何ですか?」役職手当まで届く道があるか

例えば、上司との面談ではこんな聞き方ができます。

「2級を取ったら、整備主任者の補佐から任せてもらえますか?」「検査員を目指したいのですが、教習を受けるタイミングはいつ頃になりそうですか?」

答えが具体的に返ってくる職場は、級と役割をつなげる道ができていることが多いです。反対に、はっきりしない時は、評価の仕組みそのものを確かめておくと安心ですよ。

2級自動車整備士の年収はどう考える?

ここでの結論

2級は、整備主任者になれる級であり、公務員の整備職や自衛隊の技術陸曹の応募条件にもなっている級です。2級自動車整備士の年収は、この「職場の要になれる」ことで伸ばしていくのが基本です。

2級を取ったばかりの方は、『2級で年収はどこまで上がるの?』が気になるはずです。2級でできることを整理すると、年収の伸ばし方が見えてきます。

2級で開く役割と働き先

認証工場で分解整備を行う事業場には、少なくとも1人の1級または2級の整備士が必要です。つまり、2級は工場にとって欠かせない資格なんです。

公的な採用の条件にも、2級が出てきます。例えば、次のような募集要項があります。

募集の例級の条件
京都府警察 一般職員(自動車整備士)令和8年度自動車整備士国家試験の1級若しくは2級の資格(受験申込時に取得)
宮城県職員(自動車整備士)令和8年度一級小型・二級ガソリン・二級ジーゼルのいずれかの技能検定に合格
陸上自衛隊 技術陸曹(整備)令和8年度二級自動車整備士及び大型自動車第1種免許(2年以上の実務経験)で21歳以上

京都府警察の例では、採用直後の給与(税込月額、京都市勤務、令和7年4月1日実績)が大学卒で約256,300円、高校卒で約228,300円と示されています。これは学歴ごとの数字で、級ごとの数字ではない点に注意してください。

公務員として整備に携わる道は公務員の自動車整備士で紹介しています。

2級で年収を伸ばすためのチェック

2級で年収を伸ばす時に確かめること
  • 今の職場で、2級の資格手当がいくら付いているか
  • 整備主任者になれる枠や、その条件があるか
  • 検査員を目指せる指定工場かどうか
  • 賞与の実績と昇給の仕組みがどうなっているか
  • 1級を取る支援(講習の費用・受講日の配慮)があるか

『2級を取ったのに、思ったほど給料が上がらない』という声もありますよね。そんな時は、手当だけでなく、役割が広がっているかも一緒に見てみてください。

2級を取った後の1年目にやっておきたいこと

2級を取った直後は、手当が増えたかどうかに目が行きがちです。ただ、年収の伸びは、その後の1年で何を任されるかに左右されます。

2級を取った後の1年目
  1. 給与明細で、資格手当が反映されたかを確かめる
  2. 2級で任される作業の範囲を上司とすり合わせる
  3. 整備主任者の仕事を近くで見て、記録簿の書き方を覚える
  4. 1級を受けられる時期(2級合格から3年以上)をカレンダーに書く

『2級を取ったばかりで、まだ自信がない』という方もいますよね。最初から全部を任される必要はありません。少しずつ役割を広げていけば十分です。

1級自動車整備士の年収はどう考える?

ここでの結論

1級は、検査員になるまでの実務経験が短くなり、一級小型なら電子制御装置整備の整備主任者の講習も免除されるなど、役割を広げやすい級です。一級の年収は、手当に加えて「任される役割」で差をつけていくイメージです。

『一級整備士って、年収はどのくらいもらえるの?』という疑問も多いですよね。1級の強みは、2級よりも就ける役割の幅が広いことにあります。

1級で広がる役割

1級で広がること根拠
自動車検査員になるまでの実務経験が短い指定自動車整備事業規則(整備主任者として1年以上、1級は6月以上)
電子制御装置整備の整備主任者の講習が免除国土交通省の特定整備制度の案内(一級小型自動車整備士は受講免除)
自動運転車の検査を行う検査員になれる令和11年4月1日から、自動運行装置を備える車の検査員は1級に限る
公務員の採用で階級が上になる例陸上自衛隊の技術陸曹は、1級と大型1種で23歳以上・1等陸曹で採用

自衛隊の技術陸曹の例では、2級なら採用時の階級は2等陸曹、1級なら1等陸曹です。級によって入口の待遇が変わる、分かりやすい例と言えます。

1級を取る時に考えておきたいこと

1級を受けるには、2級(2級シャシを除く)に合格した日から3年以上の実務経験が必要です。または、2級合格者が一種養成施設の1級課程を修了する道もあります。

1級を取ると広がること
  • 検査員を目指しやすくなる
  • 電子制御の整備で任される場面が増える
  • 自動運転車の検査を担える
1級を取る前に確かめたいこと
  • 職場で1級の資格手当が付くか
  • 勉強時間を確保できるか
  • 1級を活かせる仕事が今の職場にあるか

1級の試験の内容や道のりは1級自動車整備士とはで詳しく紹介しています。

令和9年1月1日からの制度の見直し

令和9年1月1日から、資格の種類が見直されます。今の一級大型・一級小型は「一級自動車整備士(総合)」に、二級ガソリン・二級ジーゼルは「二級自動車整備士(総合)」に合格した者とみなされます。今持っている級がむだになるわけではないので安心してください。

働きながら1級を目指すには

1級は、働きながら目指す人が多い資格です。二種養成施設(各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所)には1級の課程もあります。

国土交通省の案内では、二種養成施設の1級課程の修業年限は1年6か月以内(二級ガソリン・ジーゼルの両方を持つ人は1年以内とすることができる)です。夜間や休日に講習を行う施設もあります。

講習の流れは自動車整備士の講習とは、勉強の続け方は自動車整備士の勉強法で紹介しています。

級を年収につなげる順番

ここでの結論

年収を上げる順番は「2級を取る」「資格手当と役割を確かめる」「整備主任者・検査員を目指す」「1級を取る」が基本です。級だけを先に上げても、職場で活かせないと年収にはつながりにくいからです。

『とにかく早く1級まで取ればいいの?』と考える方もいるはずです。ただ、年収の面では、級を取る順番と役割を広げる順番をそろえるのが近道です。

3級から2級、整備主任者、1級、検査員へと、級と役割を順番に上げて年収につなげる流れの図解
時期の目安やること年収に効く道筋
3級合格まで実務経験6月以上(学歴などで短縮あり)で3級を受ける資格手当が付き始める職場もある
3級合格から2年以上2級を受ける(学歴などで短縮あり)資格手当が増え、整備主任者を目指せる
2級合格後整備主任者として経験を積む役職手当・任される仕事が増える
2級合格から3年以上1級を受ける検査員などの役割を広げやすくなる

実務経験の年数は、令和7年7月8日の改正で短くなった後の値です。級ごとの条件は自動車整備士の受験資格と実務経験で確かめてみてください。

級を年収につなげる手順
  1. 今の資格手当と、上の級の手当を給与規程で確かめる
  2. 次の級を取る時期を決め、講習や勉強の予定を立てる
  3. 整備主任者や検査員になれる枠があるか上司に聞く
  4. 役職手当と昇給の条件を確かめる
  5. 今の職場で活かせない時は、他の職場の条件も見ておく
よくある失敗

資格を取れば自動で給料が上がると思い込んでしまうことです。資格手当が無い職場や、上の級を活かす仕事が少ない職場もあります。取る前に、取った後どう評価されるかを確かめておきましょう。

級と年収の悩み、よくある相談

ここでの結論

知恵袋では「1級と2級でどのくらい差が出る?」「資格を取った後、給料が良い就職先は?」という相談がよく読まれています。差の大きさは職場の仕組みで決まるので、手当と役割を数字で聞くのが一番です。

知恵袋で多く読まれている相談を、要約して答えてみますね。

相談1:1級と2級で給料にどれくらい差が出る?

「1級と2級では、給料にどのくらい差が出るのか知りたい」という相談です。

差の大きさは、会社の資格手当の額と、1級の人に任せる役割の有無で変わります。公表値で一律に何円とは言えないので、職場の給与規程で確かめるのが確実です。

『結局、会社次第なの?』と思いますよね。だからこそ、面接や上司との面談で「1級を取ったら、手当と役割はどう変わりますか?」と具体的に聞いてみてください。

相談2:2級・1級を取った後、給料が良い就職先は?

「2級や1級を取った後、給料が良い就職先はどこか」という相談です。

JASPAの令和7年度調査では、平均年収はディーラーで535万1,200円、専業・兼業の整備工場で401万5,200円でした。ただ、平均年齢などが違うので、同じ年齢・経験で比べることが大切です。

公務員の整備職のように、1級または2級を応募の条件にしている職場もあります。職場ごとの違いはディーラーと整備工場の自動車整備士の違いで比べています。

相談3:1級で年収1000万円の人はどんな人?

「1級自動車整備士で、年収1000万円に届くような人はどんな人か」という相談です。

級だけで年収1000万円に届くことを示す公表値はありません。雇われて働く整備士の平均とは離れた数字なので、届くとすれば、経営者として独立するなど別の道と考えたほうが現実的です。

独立には、認証工場の設備や人員の条件があります。くわしくは自動車整備士の独立・開業で紹介しています。

級を活かせる職場を探すという選択

今の職場で級を上げ、役割を広げていくのは立派な道です。一方で、資格手当が無かったり、上の級を活かす仕事が少なかったりする職場もあります。

『せっかく取った資格を、もっと評価してもらいたい』と感じたら、他の職場の資格手当や役職の条件を知っておくと判断しやすくなります。資格を活かせる職場を探したい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がりますよ。

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よくある質問

1級自動車整備士の年収はいくらですか?

級ごとの平均年収を示した公的な統計は見当たりません。整備士全体では、令和7年賃金構造基本統計調査の目安が約503.8万円、JASPAの令和7年度調査の平均が442万8,900円です。1級の年収は、資格手当や任される役割で上乗せされていくと考えてください。

2級自動車整備士の年収は3級と比べて上がりますか?

上の級ほど資格手当が付く職場が多く、2級は整備主任者になれる級でもあります。ただ、手当の額は会社によって違うので、給与規程や求人票で確かめてください。

1級と2級ではどちらを優先して取るべきですか?

1級は2級に合格してから3年以上の実務経験などが必要なので、まずは2級です。2級を取ったら、整備主任者などの役割で経験を積みながら1級を目指すのが基本の流れです。

1級の勉強は働きながらでもできますか?

できます。二種養成施設には1級の課程があり、夜間や休日に講習を行う施設もあります。修業年限は1年6か月以内(二級ガソリン・ジーゼルの両方を持つ人は1年以内とすることができる)です。

資格手当がない職場では、級を上げても意味がないですか?

手当が無くても、任される仕事や役職の条件として級が効くことがあります。ただ、評価の仕組みが見えない時は、上司に確かめたうえで、他の職場の条件も見てみるとよいでしょう。

まとめ

この記事の要点
  • 級ごとの平均年収の公表値は無い
  • 級は「資格手当」「任される仕事」「役職」の3つを通して年収に効く
  • 2級は整備主任者や公務員の整備職の条件になる級
  • 1級は検査員になるまでの実務経験が短いなど、役割を広げやすい
  • 取る前に、手当と役割がどう変わるかを職場で確かめる
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

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