自動車整備士の教科書・テキストの選び方|級ごとに何を読むか

自動車整備士の教科書・テキストの選び方を紹介する記事のアイキャッチ。開いた教科書とノートが置かれた整備工場の机

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整備士の勉強を始めようとすると、『教科書って何を買えばいいの?』『テキストと参考書は何が違うの?』と迷いますよね。本屋に行っても見当たらず、困っている方も多いはずです。

結論から言うと、自動車整備士の教科書は、整備振興会の団体が発行している級別の教科書を軸にするのが近道です。そのうえで、問題集と図解の本を役割で足していくと迷いません。

この記事では、教材を3つの役割に分ける考え方と、級ごとに何を読むか、手に入れ方まで順番にお伝えしますね。

目次

自動車整備士の教科書は何を選ぶ?最初に押さえたいこと

先に結論

軸にするのは、日本自動車整備振興会連合会(JASPA)が発行している級別の教科書です。受ける試験の種類と、現行制度か新制度かを確かめてから選びましょう。

『教科書』と一口に言っても、整備士の勉強で使う本はいくつもあります。まずは名前の違いを押さえておくと、店や講習で話が通じやすくなりますよ。

呼び方中身主な役割
教科書装置の構造や働き、点検の方法を図で説明した本仕組みと理由を知る
テキスト講習や学校で配られる教材の呼び方として使われることが多い授業の進み方に合わせて読む
参考書要点をまとめ直した市販の本教科書の言い回しが難しい時の助け
問題集分野ごとに問題を集めた本出る形に慣れる
法令の教材道路運送車両法や保安基準の抜粋法規の問題の対策

JASPAの発刊行物一覧では、教科書を「整備士を目指す人、自動車に興味のある人のための教科書」と紹介しています。エンジンやトランスミッション、サスペンション、ステアリングなどの構造と働きを、多くの図で説明した内容です。

試験の出題も教科書がもとになっている

国土交通省の一級口述試験の出題方針には、問診の設問は「教科書に記載されている基本的な事項」を質問すれば絞り込めるようにする、と書かれています。

一級の口述試験の話ではありますが、試験の土台に教科書があることがよく分かりますよね。3級や2級でも、教科書を軸にしておくと遠回りになりません。

選ぶ前に確かめたい2つのこと

教科書を選ぶ前に、次の2つだけは確かめておきましょう。ここを間違えると、読む本がまるごと違ってしまうことも。

教科書を買う前に確かめること
  • 受ける試験の種類(三級ガソリン・エンジン、三級シャシ、二級ガソリンなど)
  • 現行の区分で受けるか、令和9年1月1日以降の新しい区分で受けるか
  • 講習や学校に通う場合は、教科書代が受講料に含まれているか
  • 職場や講習所で使っている版がどれか

教材を「教科書・問題集・図解」の3つの役割に分けると迷わない

ここでの結論

教材は「教科書=理屈を知る」「問題集=出る形に慣れる」「図解・動画=動きをイメージする」の3つに分けて考えます。全部を同じ量やる必要はなく、級と苦手に合わせて比重を変えれば十分です。

『おすすめの本を全部買ったのに、どれも中途半端になった』という声はよく聞きます。本が悪いのではなく、それぞれの役割が重なっているからなんです。

そこで、この記事では教材を3つの役割に分けて組み合わせる方法をおすすめします。

教材を教科書・問題集・図解や動画の3つの役割に分け、級ごとの比重を示した図解
役割使う教材向いている場面気をつけたいこと
理屈を知る級別の教科書、法令の教材なぜそうなるかを知りたい時最初から全部覚えようとしない
出る形に慣れる過去問、市販の問題集4つの選択肢から選ぶ形に慣れたい時答えの番号だけ覚えない
動きをイメージする図集、図解の多い本、動画部品の動きが頭に浮かばない時試験の言い回しは教科書で確かめる

級ごとの比重の目安

級によって、どの役割に時間をかけるかが変わってきます。あくまでこの記事の考え方による目安です。

級理屈を知る出る形に慣れる動きをイメージする
3級教科書を一通り読む過去問を回す図解で部品の名前と位置を覚える
2級3級より深い原理を教科書で読む分野ごとの過去問を重点的に電気回路や電子制御を図で追う
1級故障の原因を説明できるまで読む筆記の5分野を過去問で確かめる診断の流れを図で整理する

3級は部品の名前と働きを覚える場面が多いので、図解の比重が上がります。2級や1級になると、電気回路や故障診断のように「なぜ」を説明する力が問われるので、教科書を読む時間が増えるんです。

動画は補助として使う

動画は部品の動きをつかむのに便利です。ただ、試験で使われる用語や数値は教科書の表現に合わせて覚えておくと、問題文で迷いにくくなりますよ。

級ごとに読む教科書:3級・2級・1級

ここでの結論

3級は受ける種類の教科書と基礎の教科書、2級は種類ごとの教科書、1級は一級用の教科書を読みます。法規はどの級でも出るので、法令の教材を1冊用意しておくと安心です。

ここからは、級ごとにどんな教科書を読むのかを見ていきますね。JASPAの発刊行物一覧に載っている教科書の一部を、級ごとに並べました。

3級の教科書・テキスト

自動車整備士3級の教科書は、受ける種類ごとに分かれています。現行の区分で受けるなら、次の教科書が基本です。

教科書(JASPA発行)定価(発刊行物一覧の掲載)使う人
三級自動車ガソリン・エンジン1,466円三級ガソリン・エンジンを受ける人
三級自動車ジーゼル・エンジン1,466円三級ジーゼル・エンジンを受ける人
三級自動車シャシ1,760円三級シャシを受ける人
三級二輪1,540円三級二輪を受ける人
基礎自動車工学1,100円共通の基礎を固めたい人
基礎自動車整備作業990円作業の基本を知りたい人

例えば「三級自動車ガソリン・エンジン」の目次は、総論、エンジン本体、潤滑装置、冷却装置、燃料装置、吸排気装置、電気装置、電子制御装置、燃料及び潤滑剤、エンジンの点検・整備です。A4判で157頁あります。

3級の学科は30問・60分の四肢択一です。この目次の分野がそのまま問題に出てくると考えて、章ごとに過去問と照らし合わせると覚えやすいですよ。

新制度の「三級(総合)」の教科書

令和9年1月1日から、資格の種類が見直されます。3級は「三級自動車整備士(総合)」と「三級自動車整備士(二輪)」の2つになる予定です。

これに合わせて、JASPAは「【新制度対応】三級自動車整備士(総合)」の教科書を出しています。定価は4,950円、A4判で381頁です。

目次は、自動車の概要、自動車の機械要素、基礎的な原理・法則、エンジン、エンジン電気装置、シャシ、シャシ電気装置、燃料及び潤滑剤、点検・整備です。エンジンとシャシの両方が1冊に入っているんです。

版の取り違えに気をつける

JASPAの登録試験では、令和8年度第2回(学科は令和9年3月14日)から、新しい区分の学科試験と現行の区分の学科試験が並行して行われる予定です。自分がどちらを受けるのかを確かめてから、教科書の版を選びましょう。

2級の教科書

2級の教科書も、現行の区分では種類ごとに分かれています。

教科書(JASPA発行)定価(発刊行物一覧の掲載)
二級ガソリン自動車エンジン編1,466円
二級ジーゼル自動車エンジン編1,426円
二級シャシ編1,650円
二級二輪1,650円
【新制度対応】二級自動車整備士(総合)5,500円
【新制度対応】二級自動車整備士(二輪)2,310円

2級ガソリン・ジーゼルの登録試験は40問・80分です。直近の合格基準では、エンジン(問題1〜15)、シャシ(問題16〜30)、整備機器等(問題31〜35)、法規(問題36〜40)の分野ごとに一定以上の成績が求められています。

つまり、エンジン編だけを読んでいては足りないんです。シャシ編と法令の教材も合わせて読んでおきましょう。

1級自動車整備士の教科書

1級は、JASPAの発刊行物一覧に「【新制度対応】一級自動車整備士(総合)」(7,975円)と「【新制度対応】一級自動車整備士(二輪)」(3,740円)が載っています。

一級小型の筆記は50問・100分で、5つの分野ごとに一定以上の成績が求められます。さらに口述試験と実技試験もあるので、教科書を「説明できるまで」読むことが大切です。

1級の試験の流れは1級自動車整備士とはで詳しく紹介しています。

どの級でも使う法令の教材

法規の問題は、3級から1級まで出題されます。JASPAの「法令教材(令和8年度版)」はA4判235頁、定価1,320円です。

道路運送車両法の抜粋、自動車点検基準、道路運送車両の保安基準の抜粋、保安基準の主要基準数値の一覧表などが入っています。数字を覚える問題が多い法規では、一覧表が心強い味方になりますよ。

自動車整備士の教科書・本はどこで手に入る?pdfはある?

ここでの結論

JASPAの教科書は、発行物の問い合わせ先として各都道府県の自動車整備振興会が案内されています。まずは最寄りの振興会に聞くのが確実です。公式に公開されているpdfは、教科書ではなく過去問です。

『本屋を何軒も回ったのに、整備士の教科書が見つからない』という方も多いですよね。実は、JASPAの発刊行物一覧では「発行物に関する問い合わせは最寄りの各自動車整備振興会へ」と案内されています。

教科書を手に入れるまでの流れ

教科書を手に入れる手順
  1. 受ける試験の種類と、現行か新制度かを決める
  2. JASPAの発刊行物一覧で教科書の名前を確かめる
  3. 最寄りの自動車整備振興会に、入手方法を問い合わせる
  4. 講習を受ける人は、受講料に教科書代が含まれているかを先に確かめる

講習を受ける予定の方は、少し待った方がいいこともあります。例えば千葉県自動車整備振興会の令和8年度上期の講習案内では、受講料に「教科書代含む」コースと「教科書不要」コースが分かれていました。

先に自分で買ってしまうと、講習で同じ本が配られることもあるんです。講習の流れは自動車整備士の講習で紹介しています。

書店の本や市販の参考書はどう使う?

一般の書店や通販では、問題集や図解の本、要点をまとめた参考書が見つかることがあります。JASPAの教科書が書店で扱われているかどうかは、公式の案内には書かれていません。

市販の本は、教科書の代わりではなく「足りない役割を補う物」として選ぶと失敗しにくいです。

教科書のpdfは公開されている?

『教科書のpdfがあれば、スマホで読めるのに』と思いますよね。ただ、JASPAが公式に公開しているpdfは、登録試験の過去問(学科の問題・解答、実技の問題と留意事項、一級口述の問題)です。

教科書そのものをpdfで公開しているという案内は、JASPAの発刊行物一覧には見当たりません。過去問の探し方は自動車整備士の過去問はどこで見られる?にまとめています。

出どころの分からないファイルに注意

ネット上で教科書をうたうファイルを見かけても、出どころが分からない物は内容が古かったり、版が違ったりすることがあります。試験の勉強には、発行元がはっきりした教材を使いましょう。

自動車整備士の参考書のおすすめの選び方

ここでの結論

参考書や問題集は、受ける種類と区分が合っているか、版が新しいか、図が多いか、解説が付いているかの4点で選びます。1冊を決めて繰り返す方が、何冊も手を出すより力がつきます。

『自動車整備士の勉強の本って、どれがおすすめなの?』とよく聞かれます。特定の本を挙げるより、選ぶ基準を持っておく方が、どの書店でも使えて便利です。

参考書・問題集を選ぶ時のチェック
  • 受ける試験の種類(ガソリン・ジーゼル・シャシ・二輪など)に合っている
  • 現行の区分か新制度の区分か、表紙や前書きで分かる
  • 改訂された年や版が新しい
  • 図や写真が多く、部品の位置が分かる
  • 問題ごとに解説が付いている

市販の参考書を足すと助かる場面

教科書だけで進められる人もいます。一方で、次のような場面では市販の本を1冊足すと楽になりますよ。

困っている場面足すと助かる本使い方
教科書の文章が硬くて頭に入らない図解の多い入門書先に図解で全体をつかみ、教科書に戻る
過去問の正解だけでは理由が分からない解説付きの問題集間違えた問題の解説だけ読む
計算問題が苦手計算の解き方を集めた本式と単位を書く練習をする
通勤や休憩の時間しかない問題アプリ1問ずつ解いて、教科書で確かめる

問題アプリの使い方は自動車整備士の問題アプリの使い方で紹介しています。

教科書を読み進めるコツ:過去問と行き来する

ここでの結論

教科書は1ページ目から順に読み切るより、過去問で出た分野の章を読む方が続きます。「過去問を解く、教科書で理由を読む、もう一度解く」の往復を1日1分野ずつ回してみてください。

教科書は情報が多いので、最初から読むと途中で止まりがちです。『全部覚えないといけない』と思うと、ページが進まなくなるんです。

過去問を解き、教科書で理由を読み、もう一度解く往復の流れを示した図解
教科書と過去問の往復
  1. 過去問を1回分、時間を気にせず解く
  2. 間違えた問題の分野を、教科書の目次で探す
  3. その章を読み、図に印をつける
  4. 同じ問題をもう一度解き、理由を一言で書く

例えば、スパーク・プラグの問題を間違えたとします。教科書の電気装置の章を読み、火花が飛ぶ仕組みを図の横に一言書き込んでから解き直すイメージです。

職場の先輩に聞く時も、教科書のページを見せながらだと話が早いですよ。

「この図の、ここの流れがよく分からないんです」
「ああ、実物で見るとね、ここが動くんだよ」

こんなふうに、教科書と実物をつなぐと一気に覚えやすくなります。勉強全体の進め方は自動車整備士の勉強法で、独学でどこまでできるかは自動車整備士は独学で取れる?で紹介しています。

勉強しやすい環境を選ぶのも一つの手

整備の現場で毎日部品に触れていると、教科書の図がぐっと身近になります。今の職場で先輩に聞きながら続けるのは、とても良い道です。

一方で、整備の作業が少なくて教科書の内容と結びつかない、資格の勉強を応援してもらえないと感じる方もいますよね。そんな時は、資格取得の支援がある整備の職場を比べてみると、勉強の続けやすさが変わることもあります。

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教科書についてよくある相談

ここでの結論

相談で多いのは「教科書がどこで売っているか」「pdfで読めないか」「どのくらいの量が必要か」の3つです。どれも、受ける種類を決めて振興会に聞くところから始まります。

整備士の教科書について、ネットの質問サイトでよく見かける相談を3つ取り上げます。

「3級の教科書が売っている所が分からない」

3級の教科書を写真で示して、どこで買えるか尋ねる相談です。同じように探して困っている方は多いですよね。

JASPAの教科書なら、発刊行物一覧の案内どおり、最寄りの自動車整備振興会に問い合わせるのが近道です。講習を受けるなら、受講料に教科書代が入っているかも合わせて聞いておきましょう。

「2級の教科書をpdfで読めるサイトはないか」

ガソリン・ジーゼル・シャシの教科書をpdfで読みたい、という相談です。持ち歩きたい気持ちはよく分かります。

公式に公開されているpdfは過去問で、教科書は冊子として案内されています。スマホで勉強したい時は、過去問のpdfや問題アプリで解き、理由は手元の教科書で確かめる組み合わせがおすすめです。

「教材はどのくらいの量が必要か」

3級の勉強を始めるにあたって、教科書や問題集をどれだけそろえればいいかという相談です。

まずは「受ける種類の教科書1冊」「法令の教材1冊」「過去問」の3点で十分です。図が分かりにくい時だけ、図解の本を1冊足してみてください。

職場の先輩に聞く時のコツ

教科書の版が先輩の頃と違うこともあります。区分の見直しで章立てが変わっている場合もあるので、「今の版ではここに載っている」と見せながら聞くと話がかみ合いますよ。

よくある質問

自動車整備士の教科書はどこで買えますか?

JASPAの発刊行物一覧では、発行物の問い合わせ先として最寄りの各自動車整備振興会が案内されています。講習を受ける場合は、受講料に教科書代が含まれているかも先に確かめましょう。

自動車整備士3級のテキストは何を選べばいいですか?

受ける種類に合った教科書を選びます。三級ガソリン・エンジンなら「三級自動車ガソリン・エンジン」、新しい区分の三級(総合)なら「【新制度対応】三級自動車整備士(総合)」が軸になります。

自動車整備士の教科書のpdfはありますか?

JASPAが公式に公開しているpdfは、登録試験の過去問です。教科書そのものは冊子として案内されているので、振興会に入手方法を問い合わせてください。

市販の参考書だけで勉強できますか?

市販の本は要点がまとまっていて便利ですが、試験の言い回しや数値は教科書の表現に合わせて覚えておくと安心です。教科書を軸に、足りない役割を市販の本で補うのがおすすめです。

古い版の教科書でも使えますか?

基本的な仕組みは役に立ちますが、令和9年1月1日から資格の種類が見直されるため、受ける区分と版が合っているかを確かめてから使いましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 自動車整備士の教科書は、JASPAが発行する級別の教科書を軸にする
  • 教材は「理屈を知る」「出る形に慣れる」「動きをイメージする」の3つの役割で選ぶ
  • 3級・2級は受ける種類ごと、新制度の区分には新制度対応版がある
  • 教科書の入手は最寄りの自動車整備振興会に問い合わせるのが確実
  • 公式に公開されているpdfは過去問で、教科書と往復しながら使う
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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