自動車整備士のガソリンとディーゼルの違い|どちらを取るか

自動車整備士のガソリンとディーゼルの違いを紹介する記事のアイキャッチ。整備工場に並ぶ乗用車とトラック

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2級を目指していると、『ガソリンとディーゼル、どっちを先に取ればいいの?』と迷いますよね。両方取るべきなのか、片方で足りるのかも気になるところです。

結論から言うと、自動車整備士のガソリンとディーゼルの違いは、まず「扱う車のエンジン」です。試験の形はよく似ているので、働きたい職場が扱う車に合わせて選ぶのが一番分かりやすい決め方です。

この記事を読めば、自分がどちらから取ればいいかを判断表で決められるようになりますよ。

目次

ガソリンとディーゼルの自動車整備士は何が違う?

先に結論

2級の「二級ガソリン自動車整備士」と「二級ジーゼル自動車整備士」は、整備の対象になる車のエンジンの種類が違う資格です。どちらも2級なので、資格の格に上下はありません。

法令では「ディーゼル」ではなく「ジーゼル」と書きます。いわゆる2級ディーゼル自動車整備士の正式名称は「二級ジーゼル自動車整備士」です。

この記事では、読みやすさのために会話では「ディーゼル」、資格名では「ジーゼル」と書き分けますね。履歴書などの書類では、正式名称の「ジーゼル」で書いておきましょう。

3つの軸で比べてみる

違いを「扱う車」「試験の範囲」「職場」の3つの軸で並べてみました。

軸二級ガソリン自動車整備士二級ジーゼル自動車整備士
扱う車ガソリン・エンジンを原動機とする普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車ジーゼル・エンジンを原動機とする自動車
試験の範囲学科40問・80分。エンジン・シャシ・整備機器等・法規の4分野学科40問・80分。分野の分け方は同じ
職場の例乗用車を多く扱う整備工場や販売店トラック・バスなどを多く扱う工場
自動車整備士のガソリンとディーゼルを、扱う車・試験の範囲・職場の3つの軸で比べた図解

『試験の範囲がほとんど同じなら、違うのはエンジンだけ?』と思いますよね。ここからは、軸ごとにもう少し詳しく見ていきます。

扱う車の違い。ガソリン車かディーゼル車か

ここでの結論

二級ガソリンはガソリン車の普通・小型・軽自動車、二級ジーゼルはディーゼル車が対象です。どちらもエンジンだけでなく、車全体の整備が対象になります。

自動車整備士技能検定規則では、資格ごとに整備の対象が決められています。二級ガソリンの対象は、ガソリン・エンジンを原動機とする普通自動車や小型・軽自動車です。

二級ジーゼルの対象は、ジーゼル・エンジンを原動機とする自動車です。トラックやバスなど、ディーゼル・エンジンの車を整備する職場で求められやすい資格ですね。

二級ジーゼル自動車整備士が扱うディーゼル車の整備をイメージした、トラックのエンジン周りを点検する手元の写真

例えば、乗用車の車検整備が中心の工場なら、毎日触れるのはガソリン車が多いですよね。一方、運送の車を預かる工場では、ディーゼル車の点検や整備が仕事の中心になることもあります。

『どっちの車を多く触っているか』を思い出してみると、自分に近い資格が見えてきます。職場で扱う車の割合が分からない時は、上司や先輩に聞いてみてください。

3級ではエンジンとシャシが分かれている

3級では、エンジンとシャシが別の資格に分かれています。ガソリンとディーゼルの違いがあるのは、エンジンの資格です。

級ガソリンディーゼルエンジン以外
3級三級自動車ガソリン・エンジン整備士三級自動車ジーゼル・エンジン整備士三級自動車シャシ整備士
2級二級ガソリン自動車整備士二級ジーゼル自動車整備士二級自動車シャシ整備士

2級ではガソリン・ジーゼルとも、エンジンとシャシの両方を含めて扱えるのが大きな違いです。資格の種類の全体像は自動車整備士の資格の種類で紹介しています。

試験の範囲の違い。似ている所と違う所

ここでの結論

登録試験の学科は、どちらも40問・80分で、エンジン・シャシ・整備機器等・法規の4分野に分かれています。違いが出るのは主にエンジンの分野です。

令和8年度の登録試験の案内では、二級ガソリンと二級ジーゼルの学科は同じ出題数・時間です。合格基準も、直近の公表では同じ決まりでした。

比べる点二級ガソリン二級ジーゼル
学科の出題数と時間40問・80分40問・80分
合格基準(令和7年度第1回の公表)40点満点で28点以上、かつ分野ごとに4割以上同じ
エンジン分野の中身ガソリン・エンジンの構造や作動ジーゼル・エンジンの構造や作動
JASPAの教科書二級ガソリン自動車エンジン編二級ジーゼル自動車エンジン編
実技試験第1回の1月、ジーゼルと年度ごとに交互第1回の1月、ガソリンと年度ごとに交互

実技は、令和7年度が二級ジーゼル、令和8年度が二級ガソリンでした。実技を自分で受ける方は、受けたい種類の実技がある年度を確かめておきましょう。

受ける人の数も違う

JASPAの公表では、令和7年度第2回(3月)の学科は、二級ガソリンを11,197人、二級ジーゼルを7,845人が受けています。どちらも多くの人が受けている試験なんです。

合格率の比べ方は2級自動車整備士の合格率と難易度で紹介しています。試験の中身をもっと知りたい方は2級ガソリン自動車整備士とはも参考になりますよ。

両方受ける人へ

シャシ・整備機器等・法規の分野は分け方が同じなので、片方の勉強がもう片方にも活かしやすくなります。エンジンの分野だけは、それぞれの教科書で仕組みの違いを確かめておきましょう。

どちらから取る?職場で選ぶ判断表

ここでの結論

迷ったら、働いている(働きたい)職場が多く扱う車のエンジンに合わせて選びましょう。将来1級を目指すなら、両方取っておくと学校の一級課程で有利な場合があります。

『結局、どっちから取ればいいの?』という方のために、状況ごとの判断表を作ってみました。

今の状況おすすめの順番理由
乗用車が中心の整備工場・販売店で働いているガソリンから毎日の仕事とエンジン分野の中身が重なりやすい
トラック・バスなどを扱う工場で働いているジーゼルから職場で扱う車が資格の対象と重なる
これから職場を探す・まだ決めていない働きたい職場の車に合わせる取ったあとに活かしやすい
将来1級小型を目指したい片方を取ったあと、もう片方も検討学校の一級課程は両方持つ人の年限が短くなる場合がある
どちらから取るか決める前のチェック
  • 今の職場(働きたい職場)で多い車はガソリン車かディーゼル車か
  • 上司や先輩はどちらの資格を持っているか
  • 受けたい年度にその種類の実技があるか(自分で実技を受ける場合)
  • 将来、1級や自動車検査員を目指したいか

働きながら受ける人の順番の考え方

働きながら受ける場合、2級は3級に合格してからの実務経験が必要です。まずは1つ目の2級を取り、その後でもう片方を受ける流れになる人が多いですね。

2つ目を受ける時は、シャシ・整備機器等・法規の勉強をもう一度活かせます。エンジン分野の勉強に時間を多めに回す計画を立てると、効率よく進められますよ。

よくある失敗

「両方いっぺんに受ければ早い」と考えて、どちらのエンジン分野も中途半端になる失敗はよくあります。仕事と両立するなら、1つずつ確実に取るほうが結果として近道になることも多いです。

両方取ると何が変わる?

一種養成施設や二種養成施設の一級課程には、二級ガソリンと二級ジーゼルの両方を持つ人の年限を短くできる決まりがあります。学校の一級課程の年限は施設や入学資格によって違うので、募集要項で確かめてみてください。

また、二級ガソリンと二級ジーゼルの両方の課程を修了した人は、早いほうの修了日から2年以内なら、二級シャシを受ける時に実技試験が免除されます。両方を学ぶと、その先の選択肢が広がるんです。

職場でも、扱える車の幅が広がると任される仕事が増えることがあります。2級全体の仕組みは2級自動車整備士とはで紹介しています。

資格を活かせる職場を探すなら

ガソリン車中心の職場で働きながら、ディーゼル車も扱いたいと感じる方もいるはずです。今の職場で経験を広げるのも、もちろん一つの道です。

一方で、トラックやバスの整備に関わりたい、両方の資格を活かしたい、という方は整備士の求人を比べてみると選択肢が広がりますよ。

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令和9年からはガソリンとディーゼルが1つになる

ここでの結論

令和9年1月1日から、二級ガソリンと二級ジーゼルは「二級自動車整備士(総合)」に再編されます。今どちらかを持っている人は、二級(総合)に合格したものとみなされます。

資格制度の見直しで、ガソリンとジーゼルの区別は新しい制度ではなくなります。『今から片方だけ取っても損しない?』と心配な方も、どちらかに合格していれば二級(総合)として扱われるので安心してください。

項目今の制度令和9年1月1日以降
2級の種類二級ガソリン・二級ジーゼル・二級シャシ・二級二輪二級(総合)・二級(二輪)
今の合格者そのまま二級ガソリン・二級ジーゼルとも二級(総合)とみなされる
登録試験の学科種類ごとに実施令和8年度第2回(令和9年3月14日)から二級(総合)の学科も実施

これから学校を選ぶ方や、まだ2級を受けていない方は、自分がどちらの制度で受けることになるかを先に確かめておくと安心です。JASPAは「【新制度対応】二級自動車整備士(総合)」の教科書も出しています。

旧制度の受験資格で受ける2級の技能検定は、令和10年3月31日まで従来の例で行うことができるとされています。どちらの制度で受けるかで勉強の中身も変わるので、改正の流れは自動車整備士の資格制度の改正で確かめてみてください。

ガソリンとディーゼルについてよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「2級ガソリンと2級ディーゼル、二つの国家試験はどう違う?」

二級ガソリンと二級ジーゼルという二つの国家試験の違いを知りたい、という相談です。どちらも国土交通大臣が行う技能検定の2級で、対象になる車のエンジンが違います。

試験の形はよく似ていて、違いが出るのは主にエンジンの分野です。

「片方だけでも2級って名乗れますか?」
「はい、どちらか一つでもその種類の2級自動車整備士ですよ。」

相談2「2級で大型トラックの整備もできる?」

2級自動車整備士を目指していて、大型トラックの整備にも関わりたい、という相談です。二級ジーゼルの対象は、ジーゼル・エンジンを原動機とする自動車と規則で決められています。

トラックの整備をしたい方は、二級ジーゼルを視野に入れておくといいですね。実際にどの車を任されるかは職場によって違うので、求人票や面接で扱う車を確かめてみてください。

相談3「ガソリンとディーゼルの両方があれば、どんな所で働ける?」

2級のガソリンとディーゼルの両方を持っていると、どんな所に就職できるのかという相談です。乗用車を扱う整備工場や販売店に加えて、トラック・バスなどを扱う工場も選択肢に入ります。

公務員の例では、ある県警察の車両整備職員の募集で、一級小型・二級ガソリン・二級ジーゼルのいずれかの合格が応募資格になっていました。働き方の幅については自動車整備士の資格を活かせる仕事でも紹介しています。

よくある質問

2級ディーゼル自動車整備士の正式名称は?

法令上の正式名称は「二級ジーゼル自動車整備士」です。書類では「ディーゼル」ではなく「ジーゼル」と書きます。

ガソリンとディーゼル、両方取らないと2級になれませんか?

いいえ、どちらか一方に合格すれば、その種類の2級自動車整備士です。

ガソリンとディーゼルで試験の難しさは違いますか?

学科はどちらも40問・80分で、4分野の分け方も同じです。違いが出るのは主にエンジンの分野なので、職場で扱う車に近いほうから取ると学びやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • ガソリンとディーゼルの違いは、整備の対象になる車のエンジンの種類
  • 法令の表記は「ジーゼル」。2級ディーゼル自動車整備士の正式名称は二級ジーゼル自動車整備士
  • 学科はどちらも40問・80分で、違いが出るのは主にエンジンの分野
  • 迷ったら職場で扱う車に合わせて選び、1級を目指すなら両方も検討する
  • 令和9年1月1日からは二級(総合)に再編される
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

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