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『自動車整備士って、この先も仕事はあるのかな』と気になりますよね。人手不足というニュースを見る一方で、電気自動車が増えたら仕事が変わるのでは、と不安になる方も多いはずです。
結論から言うと、自動車整備士は人が足りずに求められている仕事で、これからは電子制御や電気の知識を持つ人がさらに必要になると考えられます。
この記事では、公的な数字で人手不足の今を確かめ、これからの変化と今から備えることをお伝えしますね。
自動車整備士の将来性は?3つの変化で見てみよう
将来を考える時は「人の数」「車の変化」「仕事の中身」の3つの変化に分けると分かりやすいです。人は足りず、車は電子化が進み、整備の中身は予防整備と電子制御の調整へ広がっています。
将来性と一口に言っても、何が変わるのかが見えないと判断しにくいですよね。そこで、これからの変化を3つに分けてみました。

| 変化 | 今起きていること | 今から備えること |
|---|---|---|
| 人の数 | 有効求人倍率が高く、整備士の平均年齢が上がっている | 資格を取って、求められる立場を固める |
| 車の変化 | 自動ブレーキのカメラやレーダー、電気自動車が増えている | 電子制御と電気の知識を学ぶ |
| 仕事の中身 | 予防整備が中心になり、電子制御装置の調整も整備に加わった | 診断の機械を使った点検に慣れる |
このあと、3つの変化を順番に数字と制度で確かめていきます。
「人の数」は足りない状態が続いている
国土交通省の資料では、自動車整備要員の有効求人倍率は令和5年度に4.99倍でした。仕事を探す人1人に対して、5件近い求人がある計算です。
『それだけ大変な仕事だから人が来ないのでは?』と思うかもしれません。ただ、裏を返せば、資格と経験を持つ人は職場を選べる立場にあるということなんです。
「車の変化」で新しい作業が増えている
令和2年4月から、自動ブレーキなどのカメラやレーダーの調整が「電子制御装置整備」として特定整備に加わりました。車が変わると、整備の仕事も新しく生まれるんです。
例えば、フロントガラスやバンパーを交換した後には、カメラやレーダーの向きを合わせる作業が必要になります。昔の車にはなかった仕事ですよね。
「仕事の中身」は予防と調整へ
厚生労働省の職業情報サイト(job tag)の2021年時点の掲載では、車の性能が上がって故障が少なくなり、車検や定期点検などの予防整備が仕事の中心になっているとされています。壊れたら直すだけでなく、壊れる前に見る仕事が増えているということです。
自動車整備士の人手不足は数字でどのくらい?
有効求人倍率は全職種よりかなり高く、整備士の平均年齢は上がり続けています。整備の学校に入る人も、過去20年で半減しました。
『人手不足って、どのくらい足りないの?』と気になりますよね。ここでは、公的な数字で確かめてみます。
有効求人倍率の推移
自動車整備士の求人倍率は、出典によって数字が少しずつ違います。主なものを並べてみますね。
| 出典 | 年度 | 自動車整備の有効求人倍率 | 全職種 |
|---|---|---|---|
| 国土交通省の資料 | 平成23年度 | 1.07倍 | 0.59倍 |
| 関東運輸局の資料 | 令和元年度 | 4.77倍 | 1.41倍 |
| 特定技能の運用方針(出入国在留管理庁) | 令和4年度 | 4.72倍 | 記載なし |
| 国土交通省の資料 | 令和5年度 | 4.99倍 | 1.17倍 |
平成23年度には1倍台だった倍率が、令和5年度には5倍近くまで上がっています。全職種と比べても、整備の仕事が強く求められているのが分かりますよね。
特定技能の運用方針では、令和4年度の地域の例として、愛知県5.19倍、埼玉県4.87倍、島根県8.29倍、福井県8.50倍が挙げられています。地域によっては、さらに人が足りていないんです。
厚生労働省の一次統計では、自動車整備だけの令和6年度以降の倍率は公表されていません。自動車以外も含む「機械整備・修理従事者」では、パートを含む常用で2024年度4.13倍、2025年度4.04倍でした(職業計は1.14倍、1.10倍)。
自動車整備士の人数と推移
日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の令和7年度の調査(調査時点 令和7年6月30日)では、整備士の人数は次のとおりです。
| 項目 | 令和7年度の調査 |
|---|---|
| 整備関係従業員数 | 565,680人(8年連続増) |
| 整備要員数 | 402,367人 |
| 整備士数 | 333,475人 |
| 整備士保有率 | 82.9%(ピークは平成20年度の87.2%) |
| 事業場(認証工場)数 | 92,251(前年度より133減) |
整備関係の従業員は増えている一方で、整備要員に占める整備士の割合はピークより下がっています。資格を持つ人が、ますます貴重になっているとも言えます。
整備の仕事の量は増えている
同じ調査では、総整備売上高は令和6年度の実績で6兆6,592億円となり、4年連続で増えています。車がある限り点検や整備の仕事は続き、その量も増えているんです。
仕事は増えているのに、担い手の平均年齢は上がっている。これが、人手不足と言われる背景です。
平均年齢の推移と、学校に入る人の数
同じ調査で、整備要員の平均年齢(自家を除く)は47.7歳でした。推移を見てみましょう。
| 年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均年齢 | 45.7歳 | 46.4歳 | 46.7歳 | 47.2歳 | 47.4歳 | 47.7歳 |
業態別では、ディーラーが37.9歳、専業・兼業の整備工場が52.1歳です。
国土交通省の資料では、自動車整備学校の入学者数は平成15年の12,394人から令和6年の7,068人に減っています。同じ期間に高校の卒業者数も128万人から93万人に減っており、若い人の数そのものが減っているんです。
離職率は勤続年数とあわせて見る
『整備士は離職率が高い』という話を聞いて、不安になる方もいるでしょう。自動車整備士だけの離職率は、公的な一次統計では見つけにくい数字です。
代わりの目安として、令和7年賃金構造基本統計調査の「自動車整備・修理従事者」では、平均の勤続年数は13.7年でした。長く働き続けている人も多い仕事なんです。
人手不足の原因と、国の取り組み
人手不足の背景には、若い人の減少、平均年齢の上昇、待遇や働き方への不安があります。国は職場づくりのガイドラインや資格制度の見直しで、整備士を増やす取り組みを進めています。
なぜ整備士がこれほど足りないのか、気になりますよね。国土交通省の資料では、次のように書かれています。
近年、自動車整備要員の有効求人倍率の上昇、過去20年で自動車整備学校入学者数の半減、平均年齢の上昇など、整備業界の人材不足が顕在化している。
出典:国土交通省「自動車整備士の確保・育成に係る課題とこれまでの取組」
同じ資料では、約6割の事業者が整備士の不足を感じているとされています。「やや不足」が31.9%、「不足」が24.3%でした。
不足の原因として考えられること
| 原因 | 公的な資料で分かること |
|---|---|
| 若い人の減少 | 整備学校の入学者数が過去20年で半減、高校の卒業者数も減少 |
| 平均年齢の上昇 | 整備要員の平均年齢は令和7年度で47.7歳 |
| 待遇の見え方 | 高校訪問では「初任給が20万円を超えないと求人票を見てもらえない」という意見も |
『給料が仕事に見合っていないから人が来ないのでは』という声もよく聞きます。JASPAの調査では、整備要員の平均年収(自家を除く)は令和2年度の3,963.0千円から令和7年度の4,428.9千円へ上がってきています。
国の取り組みの流れ
国土交通省は、整備士の人材確保のために段階的に取り組んできました。
| 時期 | 取り組み |
|---|---|
| 平成29年12月 | 女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン |
| 令和4年5月 | 人材確保の検討を開始 |
| 令和6年3月 | 働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン |
| 令和7年6月 | 同ガイドラインの改訂版 |
| 令和7年7月8日 | 受験に必要な実務経験の年数を短縮 |
改訂版のガイドラインでは、資格手当の支給や勤務シフトの柔軟化などが取り組みの例に挙がっています。待遇や働き方を良くしようとする動きが、業界全体で進んでいるんです。
ニュースで見る人手不足への対策
人手不足は、国の発表でもたびたび取り上げられています。例えば国土交通省は2024年6月、自動車運送業などの担い手の確保に向けて、防衛省・自衛隊と連携すると発表しました。
外国人の整備士も増えています。出入国在留管理庁の速報値では、特定技能1号の「自動車整備」で働く人は令和8年6月末で5,235人でした。受入れの見込み数は、令和6年度からの5年間で最大1万人とされています。
外国人の整備士については外国人の自動車整備士で詳しく紹介しています。
海外でも整備士は求められている
人手不足は日本だけの話ではありません。オーストラリア連邦政府が2024年12月に定めた就労ビザの職業リストには、自動車整備の職業「Motor Mechanic (General)」が載っています。
ただし、日本の資格がそのまま海外で通用するとは限りません。海外で働く道は自動車整備士は海外で働ける?で紹介しています。
自動車整備士の今後は?車の変化で求められる力
これからの整備士には、電子制御装置の調整や電気自動車の整備の知識が求められます。資格制度も令和9年1月1日から電子制御を含む形に見直されます。
『電気自動車が増えたら、整備の仕事はなくなるの?』と心配する方もいますよね。実は、車が変わるほど、新しい知識を持つ整備士が必要になっているんです。
整備の仕事に関わる制度の変化

| 時期 | 変わったこと・変わること |
|---|---|
| 令和2年4月 | 自動ブレーキなどのカメラ・レーダーの調整が「電子制御装置整備」として特定整備に加わる |
| 令和6年10月1日 | 電気自動車などの整備の特別教育で、蓄電池の電圧の上限を廃止 |
| 令和7年7月8日 | 受験に必要な実務経験の年数を短縮 |
| 令和9年1月1日 | 資格の種類を9種類に再編(電子制御を含む資格を設定) |
| 令和11年4月1日 | 自動運転車の保安基準適合証明を行う検査員は一級の整備士に限る |
実務経験の短縮について、国土交通省は、整備作業が「機械中心」から「電子中心」となり、作業経験よりも座学が重要になっていることを背景に挙げています。整備の中身そのものが変わってきているんです。
電気自動車と特別教育
電気自動車やハイブリッド車の整備には、労働安全衛生規則にもとづく特別教育が必要です。対象は、対地電圧が50ボルトを超える蓄電池を積んだ車の整備です。
電気自動車の整備については電気自動車(EV)と自動車整備士で詳しく紹介しています。
令和9年からの資格の再編
自動車整備士技能検定規則の改正で、令和9年1月1日から資格の種類が9種類に再編されます。一級・二級・三級の(総合)と(二輪)、タイヤ、電気・電子制御装置、車体・電子制御装置です。
今持っている資格は、新しい資格に合格したものとみなされます。『せっかく取った資格が無駄になるのでは』と心配しなくて大丈夫です。
「車が電気自動車になれば整備はいらなくなる」と考えてしまうことです。ブレーキやタイヤ、ハンドルなど、走る・曲がる・止まるの部分はどの車にもあり、点検と整備はこれからも続きます。
自動車整備士の将来性でよくある相談
相談で多いのは「待遇が良くないのに将来性はあるのか」「人手不足なのはなぜか」「不足や離職率の実情と課題」です。数字と制度の動きを知ると、自分なりの答えが出しやすくなります。
Q&Aサイトでよく見かける相談を、要約して紹介しますね。
相談1:待遇が良くないと聞くけど、将来性はある?
『知り合いがディーラーで働いているけど、忙しくて待遇も良くないみたい。整備士に将来性はあるの?』という相談は、とても多く読まれています。
結論から言うと、人が足りずに求められている点では、将来性は高い仕事です。待遇は職場によって差があるので、資格を取って条件の良い職場を選べる立場になることが大切です。
JASPAの調査では、業態別の整備要員の平均年収(自家を除く)は、ディーラーが5,351.2千円、専業・兼業が4,015.2千円でした。働く場所によって差があることが分かります。
相談2:人手不足なのはなぜ?
『整備士が人手不足なのは、仕事量に給料が見合っていないから?』という相談です。
給料への不安も理由の一つと言われますが、それだけではありません。若い人の数が減っていることや、平均年齢が上がっていることも大きな原因です。
相談3:不足や離職率の実情、課題は?
『整備士の不足や離職率の高さを耳にするけど、課題は何?』という相談です。
国の資料からは、人材の確保と、電子化する車に対応できる人の育成が課題だと読み取れます。だからこそ、国は職場づくりのガイドラインや資格制度の見直しを進めているんです。
『これから整備士を目指しても遅くない?』と迷う方もいますよね。人が足りない今は、未経験から入る人にとっても入口が広い時期です。未経験からの進め方は未経験から自動車整備士になるにはで紹介しています。
これからの自動車整備士が今からできること
今からできるのは、資格を段階的に取ること、電子制御と電気の知識を学ぶこと、待遇や学ぶ環境の整った職場を選ぶことの3つです。
人手不足の今は、整備士にとって職場を選びやすい時期でもあります。自動車整備士のこれからに向けて、今から始められることをまとめてみました。
- 実務経験を積んで3級、2級と資格を取る
- 電子制御装置の調整や診断の機械の使い方を覚える
- 電気自動車などの整備の特別教育を受ける
- 令和9年からの新しい資格の仕組みを確かめておく
- 資格手当や講習の支援がある職場を選ぶ
令和7年7月8日の改正で、3級は6月以上、2級は3級合格後2年以上の実務経験で受けられるようになりました。以前より早く、上の資格を目指せるようになっています。
立場ごとに、今から始めたいこと
今の立場によって、優先したいことは少し違います。
| 今の立場 | 今から始めたいこと |
|---|---|
| 整備士を目指す高校生 | 学校見学で、電子制御や電気自動車の実習があるかを確かめる |
| 3級を目指して働いている人 | 実務経験を積みながら、3級の受験に向けて勉強を始める |
| 2級を持っている人 | 電子制御装置整備の講習や、電気自動車の特別教育を受ける |
| 転職を考えている整備士 | 資格手当や講習の支援、扱う車の種類で職場を比べる |
どの立場でも、新しい技術を少しずつ学び続ける人ほど、これからの時代に求められる整備士になれますよ。
年収の公的な数字は自動車整備士の年収・給料で詳しく紹介しています。整備士の仕事の全体像は自動車整備士とはでまとめています。
今の職場で経験を積むのも、学校で基礎から学ぶのも、どちらも将来につながる道です。そのうえで、電気自動車や電子制御の整備に関われる職場や、資格の支援がある職場を探したい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がりますよ。
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よくある質問
自動車整備士の有効求人倍率はどのくらいですか?
国土交通省の資料では、自動車整備要員の有効求人倍率は令和5年度に4.99倍でした。全職種の1.17倍と比べて、かなり高い水準です。
自動車整備士の人数は減っていますか?
JASPAの令和7年度の調査では、整備士数は333,475人でした。整備関係の従業員数は8年連続で増えていますが、整備士保有率は82.9%で、ピークの平成20年度の87.2%より下がっています。
電気自動車が増えたら整備士の仕事はなくなりますか?
なくなるとは考えにくいです。ブレーキやタイヤなどの点検は電気自動車にも必要で、電子制御装置の調整や電気の安全な扱いなど、新しい知識が求められる場面が増えています。
自動車整備士の今後に向けて、何を学べばいいですか?
電子制御と電気の知識です。令和9年1月1日からは、電子制御の内容を含む資格に再編されます。職場の研修や講習を使って、少しずつ学んでいくのがおすすめです。
まとめ
- 自動車整備士の将来性は「人の数・車の変化・仕事の中身」の3つの変化で見ると分かりやすい
- 有効求人倍率は令和5年度で4.99倍と高く、整備士の平均年齢は上がり続けている
- 人手不足の原因は若い人の減少と高齢化で、国はガイドラインや制度の見直しで対策中
- これからは電子制御装置の調整や電気自動車の整備の知識が求められる
- 資格を段階的に取り、学べる環境の整った職場を選ぶことが将来への備えになる





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