自動車整備士がきついと言われる理由|大変な所と長く続ける工夫

自動車整備士がきついと言われる理由と長く続ける工夫を紹介する記事のアイキャッチ。整備工場で車の下回りを点検する手元

当サイトの記事は編集部が法令・国土交通省・厚生労働省などの公的機関の情報、業界団体の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に整備士の求人・転職さがしのサービスへの案内(広告)を含みます。

『自動車整備士ってきついって聞くけど、本当のところはどうなの?』と気になりますよね。ネットで「やめとけ」という声を見かけて、不安になった方も多いはずです。

結論から言うと、自動車整備士の仕事には、暑さや姿勢などの体の負担、繁忙期の忙しさ、安全を預かる責任という大変さが確かにあります。ただ、その多くは自分の工夫と職場の選び方で軽くできるんです。

この記事では、大変さを「体・時間・気持ち」の3つに分けて、それぞれの乗り切り方と、長く続けるための職場の見方をお伝えしますね。

目次

自動車整備士がきついと言われるのはなぜ?

先に結論

きついと言われる理由は、作業場の環境、繁忙期の忙しさ、覚えることの多さと責任の重さの3つにほぼまとまります。どれも仕事の性質から来るもので、知っておけば準備ができます。

自動車整備士の仕事は、車の点検・整備・修理です。厚生労働省の職業情報サイト(job tag)の2021年時点の掲載では、走行の安全や排出ガス・騒音の抑制のために、専門の知識と技術で点検と整備を行う仕事と紹介されています。

同じ掲載では、労働条件の特徴として次のような点が挙げられていました。

  • 日曜・祝日や夜間に営業する職場もある
  • 休日は交替制の週休二日制をとる企業も多い
  • 外気が入る作業場で、騒音・振動・油による汚れがある

『やっぱり大変そう…』と感じた方もいるかもしれません。ただ、これは仕事の特徴をそのまま書いたもので、どの職場でも同じ重さというわけではないんです。

自動車整備士の大変なことを一覧にすると

よく挙がる大変なことを、場面ごとに並べてみますね。

場面大変なことどこから来るか
作業場夏の暑さ・冬の寒さ、油汚れ、騒音外気が入る作業場の性質
作業の姿勢車の下にもぐる、かがむ、狭い所に手を入れる車の構造
時期車検や季節のタイヤ交換が重なる時期の忙しさお客さんの予定が集中する
覚えること車の種類の多さ、電子制御の新しい技術車の進化
気持ち人の命に関わる作業の責任安全を預かる仕事

例えばタイヤ交換の時期は、予約が一気に入ります。「今日は何台入ってる?」「いつもの倍くらいかな」という会話が、作業場で交わされることもあるんです。

「きつい」の重さは職場で大きく変わる

ここが大事なところです。同じ整備の仕事でも、ディーラー、民間の整備工場、ガソリンスタンド、運送会社の車両整備など、働く場所はさまざまです。

扱う車の種類や営業日、作業場の設備は職場ごとに違います。だからこそ、きつさの中身を知っておくと、自分に合う職場を選びやすくなります。

自動車整備士の仕事の全体像は自動車整備士とはでまとめています。

大変さを「体・時間・気持ち」の3つに分けてみる

ここでの結論

大変さを体・時間・気持ちの3つに分けると、自分で工夫できる所と、職場選びで変えられる所が見えてきます。全部を一人で我慢する必要はありません。

『きつい』とひとまとめにすると、何をすればいいのか分かりにくいですよね。そこで、大変さを3つの種類に分けてみました。

自動車整備士の大変さを体・時間・気持ちの3つに分け、自分の工夫と職場選びで変えられる所を並べた図解
大変さの種類中身の例自分でできる工夫職場選びで変えられる所
体暑さ・寒さ、かがむ姿勢、重い部品服装と水分、休憩の取り方、道具の使い方空調や送風の設備、リフトや作業機械の充実
時間繁忙期の残業、土日の出勤早めの段取り、繁忙期前の体調管理営業日・休みの曜日、シフトの柔軟さ
気持ち安全への責任、覚えることの多さ確認の手順を決める、分からない時に聞く教える仕組み、資格取得の支援

体の大変さ:暑さ・寒さと姿勢

作業場は外気が入るので、夏は暑く冬は寒くなりがちです。車の下にもぐったり、エンジンルームをのぞき込んだりと、かがむ姿勢も多くなります。

ただ、リフトで車を持ち上げれば、立ったまま下回りを見られる作業も増えます。設備が整った職場ほど、体の負担は軽くなるんです。

時間の大変さ:繁忙期と休み

job tag の掲載では、休日が交替制の週休二日制の企業も多いとされています。土日が休みになりにくい職場もある、ということですね。

一方で、平日に休めると役所や病院の用事を済ませやすい、という面もあります。何曜日に休みたいかは、人によって違うはずです。

一日の流れや忙しい時期は自動車整備士の一日の流れで詳しく紹介しています。

繁忙期は段取りで乗り切る

忙しい時期が来ると分かっていれば、前もって準備ができます。例えば、こんな段取りです。

  • 繁忙期の前に、よく使う工具や消耗品の置き場所を整えておく
  • 予約が入りやすい時期を先輩に聞き、休みの予定を早めに相談する
  • 忙しい日ほど、作業の前後に確認の手順を省かない

「来月のタイヤ交換、何台くらい入りそうですか?」と早めに聞いておくだけでも、気持ちの準備がしやすくなりますよ。

気持ちの大変さ:責任と覚えること

ブレーキやハンドルなど、命に関わる部分を扱うのが整備の仕事です。『自分の作業で事故が起きたら…』と緊張するのは、まじめに向き合っている証拠でもあります。

また、車は年々電子化が進んでいます。新しい仕組みを学び続けることを負担に感じる方もいるでしょう。

新しい技術は少しずつ覚えればいい

国土交通省の案内では、令和2年4月から、自動ブレーキなどのカメラやレーダーの調整が「電子制御装置整備」として特定整備に加わりました。電気自動車やハイブリッド車の整備には、労働安全衛生規則にもとづく特別教育も必要です。

『そんなに覚えられるかな』と不安になりますよね。ただ、こうした知識は職場の研修や講習で、働きながら順番に身につけていくものです。最初から全部分かっている人はいません。

電気自動車の整備については電気自動車(EV)と自動車整備士で詳しく紹介しています。

3つは重なって効いてくる

暑い時期に繁忙期が重なり、疲れているところで確認作業に気を張る、というように3つの大変さは同時に来やすいです。一つでも軽くできると、全体がぐっと楽になります。

自動車整備士の暑さ対策と、体の負担を軽くする工夫

ここでの結論

暑さ対策は服装・水分・休憩の3つで考えると進めやすいです。姿勢の負担は、道具と設備に頼ることでかなり減らせます。

夏の作業場は本当に暑いですよね。エンジンを回した直後の車の近くは、熱がこもりやすい場所です。

『つなぎは長袖だし、どうやって暑さをしのげばいいの?』という声もよく聞きます。ここでは、自分でできる工夫をまとめてみますね。

夏の暑さ対策でやっておきたいこと
  • 汗を吸って乾きやすい下着やインナーを選ぶ
  • のどが渇く前に、こまめに水分をとる
  • 休憩は涼しい場所でとり、体を冷やしてから作業に戻る
  • 首や頭を冷やせるグッズを職場のルールの範囲で使う
  • 体調がおかしいと感じたら、早めに周りに声をかける

服装の選び方や夏用のつなぎについては自動車整備士の服装で詳しく紹介しています。

姿勢と重さの負担は道具で減らす

重いタイヤや部品を何度も持ち上げると、腰や肩に負担がかかります。台車やジャッキ、タイヤの取り外しを助ける機械など、使える道具は遠慮なく使いましょう。

「これくらい手で持てるでしょ」と無理をするより、道具に任せる方が長く働けます。先輩に「この作業、何を使ってますか?」と聞いてみるのもおすすめです。

国も働きやすい職場づくりを進めている

国土交通省は、令和7年6月に「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」の改訂版を出しています。働き方・労働条件、人間関係・コミュニケーション、人材開発、待遇の4つの要素で、取り組みの例を挙げたものです。

ガイドラインの要素取り組みの例(ガイドラインより)
働き方・労働条件フレックス勤務、時差出勤などの勤務シフトの柔軟化
待遇整備士資格手当や役職手当の支給、若い整備要員を含めた賃金の確保
設備女性用の作業機械などの設備・機器の充実

こうした取り組みをしている職場を選べば、体の負担や働き方の悩みは軽くしやすくなります。

「やめとけ」「辞めたい」という本音はどこから来る?

ここでの結論

「やめとけ」という声の多くは、労働環境や給料への不満から来ています。数字で見ると、残業の時間や給料の水準は職場によって差があり、一律に悪いとは言えません。

ネットで「自動車整備士はやめとけ」という言葉を見ると、ドキッとしますよね。実は、こうした本音は、働いてみて想像と違った所から出てくることが多いんです。

よく聞く理由を並べてみます。

よく聞く本音背景にあること見方のヒント
仕事がきついのに給料が見合わない職場の規模や業態で給料に差がある公的な統計と求人票を並べて見る
休みが少ない・土日に休めない営業日がお客さんの都合に合わせて決まる年間休日と休みの曜日を確かめる
覚えることが多くて追いつかない電子制御など新しい技術が増えている教える仕組みがある職場を選ぶ
人間関係がしんどい少人数の職場が多く、相性の影響が大きい職場見学で雰囲気を見る

労働時間を統計で見てみる

令和7年賃金構造基本統計調査の「自動車整備・修理従事者」では、所定内実労働時間は月166時間、超過実労働時間は月15時間でした。令和6年の同じ調査では超過実労働時間は月18時間です。

もちろんこれは平均の数字で、繁忙期に残業が増える職場もあります。ただ、毎日遅くまで帰れない職場ばかり、というわけではないんです。

給料は2つの公表値を見比べる

給料の目安も見ておきましょう。賃金構造基本統計調査の「自動車整備・修理従事者」では、令和7年のきまって支給する現金給与額は月339.5千円、年間賞与その他特別給与額は964.0千円でした。

ここから「月の給与×12+年間賞与」で計算すると、約503.8万円になります。これは調査の数字をもとにした計算方法による目安で、国が公表している年収の値ではありません。

もう一つ、日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の令和7年度の調査では、整備要員の平均年収(自家を除く)は4,428.9千円でした。こちらは整備事業場で働く整備要員の給与・手当・賞与の平均です。

2つの数字の違い

賃金構造基本統計調査は10人以上の事業所の一般労働者、JASPAの調査は整備事業場の整備要員が対象で、定義が違います。並べて見る時は、それぞれ別の物差しだと考えておきましょう。

給料の話は自動車整備士の給料が安いと言われる理由で、上げ方まで詳しく紹介しています。

人手が足りないことも忙しさにつながっている

国土交通省の資料では、自動車整備要員の有効求人倍率は令和5年度に4.99倍でした。全職種の1.17倍と比べると、かなり高い数字です。

人が足りない職場では、一人ひとりの負担が増えやすくなります。裏を返せば、整備士は求められている仕事で、職場を選べる立場にあるとも言えるんです。

自動車整備士はきつい?よくある相談に答えます

ここでの結論

相談で多いのは「車好きだけで続けられるか」「辞めた後どうなるか」「実際きついのか」の3つです。どれも、大変さの中身を知って職場を選べば、答えが見えてきます。

Q&Aサイトでよく見かける相談を、要約して紹介しますね。

相談1:「車が好き」という気持ちだけで目指すのはやめた方がいい?

『車が好き、壊れた車を自分の手で直したい、という気持ちだけで整備士になって大丈夫?』という相談です。とても多く読まれている質問の一つです。

結論から言うと、好きという気持ちは大きな支えになります。ただ、仕事では好きな車種以外も整備しますし、点検や車検の作業が中心になる職場も多いです。

job tag の掲載でも、車の性能が上がって故障が少なくなり、車検や定期点検などの予防整備が仕事の中心と書かれています。「直す」だけでなく「壊れないように見る」仕事も楽しめそうか、考えてみてください。

相談2:自動車整備士を辞めた人は、今どんな仕事をしている?

『整備士から転職した人は、どんな仕事に就いているの?』という相談も、非常に多く読まれています。辞めたいと感じている方ほど、気になりますよね。

整備で身につけた車の知識は、整備以外の仕事でも生かせます。例えば、車の販売や部品の仕事、保険の事故調査、運送会社の車両管理などです。

整備の資格を生かせる仕事は自動車整備士の資格を活かせる仕事でまとめています。

相談3:高卒で整備の仕事に就くけど、きつい?給料は低い?

『高校を出て、納車前の整備をする仕事に就く予定。2級を目指す感じになるの?きついの?』という相談です。

職場によって違いますが、入ってから実務経験を積んで3級、2級と資格を取っていく流れは一般的です。令和7年7月8日の改正で、3級は6月以上、2級は3級合格後2年以上の実務経験で受けられるようになりました。

よくある失敗

「きつい」という言葉だけで判断して、やりたい仕事をあきらめてしまうことです。どの部分がきついのか、自分はどこまでなら大丈夫かを分けて考えると、後悔しにくくなります。

辞めたい時はどうする?長く続けるための職場の選び方

ここでの結論

辞めたいと感じたら、まず何がつらいのかを3つの種類で書き出してみましょう。今の職場で変えられることか、職場を変えないと解決しないことかで、次の一歩が決まります。

『もう辞めたい』と感じる日は、誰にでもあります。そんな時に勢いで決めてしまう前に、一度立ち止まって考えてみてください。

自動車整備士を辞めたいと感じた時に、理由の整理から退職を伝えるまでの進め方を示した図解
辞めたいと感じた時の進め方
  1. つらい理由を体・時間・気持ちのどれに当たるか書き出す
  2. 上司や先輩に、変えられることがないか相談してみる
  3. 資格を取ると条件が変わるか、今の職場で確かめる
  4. 職場を変える場合は、求人票で同じ悩みが起きにくいかを比べる
  5. 次の職場が決まってから、今の職場に退職を伝える

今の職場で続ける道と、職場を変える道

どちらが正しいということはありません。それぞれの良さと気をつけたい所を並べてみますね。

今の職場で続ける
  • 仕事の流れや人間関係が分かっている
  • 実務経験がそのまま資格の受験につながる
  • 資格を取って手当や担当が変わることもある
職場を変える
  • 新しい職場の人間関係を一から作る
  • 扱う車や作業の手順を覚え直す
  • 求人票だけでは分からない所がある

職場を変えると決めた場合は、同じ悩みを繰り返さないことが大事です。求人票で確かめたい項目を、きつさの種類ごとにまとめておきます。

求人票と職場見学で確かめたいこと
  • 年間休日と、休みの曜日(土日か平日か)
  • 繁忙期の残業がどのくらいか
  • 作業場の空調・送風、リフトなどの設備
  • 資格取得の支援(講習の費用や受講日の扱い)
  • 新人に教える担当や仕組みがあるか

求人票の見方は自動車整備士の求人の探し方で、4つの項目に分けて詳しく紹介しています。

今の職場で続けるのも、学校に通い直して資格を取るのも、立派な選択です。そのうえで、体の負担が少ない職場や、休みや資格支援の条件が合う職場に移りたい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がりますよ。

整備士の求人・転職さがし(PR)

資格を活かせる職場を探すなら、整備士の求人も比べてみる

資格手当や資格取得の支援、扱う車の種類、休みの取り方は、職場によって大きく違います。地域や条件から整備士の求人を探して、今の自分に合う働き方を比べてみてください。

無料整備士の求人を探す

求人の条件・待遇は各求人票と応募先の案内でご確認ください。

整備士として職場を変える時の流れは自動車整備士の転職で、準備から入社までまとめています。

よくある質問

自動車整備士の仕事がきついと感じやすいのはどんな時期ですか?

車検や点検の予約が集中する時期や、季節のタイヤ交換が重なる時期は忙しくなりやすいです。暑い時期に繁忙期が重なると、体の負担も大きくなります。時期の傾向は職場によって違うので、面接で聞いておくと安心です。

自動車整備士の仕事で大変なことは何ですか?

よく挙がるのは、夏の暑さと冬の寒さ、かがむ姿勢、繁忙期の忙しさ、安全への責任です。どれが一番つらいかは人によって違います。自分が苦手なものを先に知っておくと、職場選びで避けやすくなります。

自動車整備士の暑さ対策は何をすればいいですか?

汗を吸って乾きやすいインナー、こまめな水分補給、涼しい場所での休憩の3つが基本です。職場のルールの範囲で首を冷やすグッズなども使えます。作業場の空調や送風の設備も、職場選びの時に見ておきましょう。

自動車整備士の労働環境は良くなっていますか?

国土交通省は令和7年6月に、働きやすい職場づくりのガイドラインの改訂版を公表しています。勤務シフトの柔軟化や資格手当などの取り組み例が挙げられています。取り組みの進み具合は職場ごとに違うので、求人票と職場見学で確かめてみてください。

自動車整備士を辞めたいと思ったら、すぐ辞めた方がいいですか?

まず何がつらいのかを書き出して、今の職場で変えられることか考えてみましょう。職場を変える場合も、次が決まってから退職を伝える方が安心です。勢いで辞めると、同じ悩みを次の職場で繰り返すこともあります。

まとめ

この記事の要点
  • 自動車整備士がきついと言われるのは、作業場の環境、繁忙期の忙しさ、責任と覚えることの多さから
  • 大変さを体・時間・気持ちに分けると、自分の工夫と職場選びで変えられる所が見える
  • 暑さ対策は服装・水分・休憩、姿勢の負担は道具と設備で減らす
  • 労働時間や給料は統計で見ると職場の差が大きく、一律に悪いとは言えない
  • 辞めたい時は理由を書き出し、続けるか移るかを落ち着いて決める
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次