自動車整備士の講習とは|3級・2級の講習の流れと費用の考え方

自動車整備士の3級・2級の講習の流れと費用の考え方を紹介する記事のアイキャッチ。講習所の実習場と教科書

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整備の職場で働き始めて、『3級を取るなら講習に通った方がいいのかな』『講習費用はいくらかかるんだろう』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、自動車整備士の講習は、各都道府県の自動車整備振興会が行う、働きながら通える養成の課程です。修了すると実技試験が修了後2年間免除されるのが大きな特長です。

この記事では、講習を「受けられる人」「期間と中身」「修了後の試験」の3つに分けて、費用の考え方や学校との違いまでお伝えしますね。

目次

自動車整備士の講習とは?

先に結論

一般に「整備士の講習」と呼ばれているのは、各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所(二種養成施設)で受ける課程です。整備の実務経験がある人が対象で、修了すると実技試験が免除されます。

国土交通省は、国土交通大臣が指定した自動車整備士養成施設の課程を修了すると、技能検定の実技試験の免除などが受けられると案内しています。養成施設には2つの種類があります。

種類主な対象どんな所か修了すると
一種養成施設整備の実務経験がない人整備専門学校、高等学校、職業能力開発校など。全国に約230施設実技試験の免除(修了後2年間)と受験資格
二種養成施設整備の実務経験がある人各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所。全国に53施設実技試験の免除(修了後2年間)

この記事で「講習」と呼ぶのは、二種養成施設の課程のことです。国土交通省は「主に、自動車整備工場などで働きながら受講する方が多く、夜間や休日などに講習を行っている施設もあります」と案内しています。

講習会と呼ばれることもある

千葉県自動車整備振興会の案内では「整備士技術講習」という名前で紹介されています。講習会という言葉で探す方もいますが、大事なのは国が指定した二種養成施設の課程かどうかです。

申し込む前に、その講習が実技試験の免除につながる課程なのかを、振興会の案内で確かめておきましょう。

講習を「受けられる人・期間と中身・修了後の試験」の3つで見る

ここでの結論

講習は、受けられる人(実務経験の条件)、期間と中身(6か月以内の通学)、修了後の試験(学科は自分で受ける・実技は免除)の3つに分けると全体が見えます。学科試験まで免除されるわけではない点に気をつけましょう。

『講習に通えば資格が取れるの?』と思っている方もいますよね。実は、講習で免除されるのは実技試験だけなんです。3つに分けて見ていきます。

自動車整備士の講習を、受けられる人・期間と中身・修了後の試験の3つに分けて整理した図解

1. 受けられる人:修了日までに実務経験が必要

二種養成施設では、受講する課程の修了日までに、技能検定の受験資格(実務経験)を満たしていることが必要です。千葉県自動車整備振興会の令和8年度上期の案内では、講習修了日までの実務経験が次のように示されています。

講習講習修了日までに必要な実務経験(千葉県の例)
三級6ヶ月以上
二級三級合格後2年以上
一級二級整備士2種目合格後3年以上(ガソリン・ジーゼル両方取得者)

三級の6か月以上、二級の三級合格後2年以上は、令和7年7月8日の改正で短くなった現在の値です。学歴によって短くなる場合もあるので、詳しくは振興会に確かめてみてください。

2. 期間と中身:二級・三級は6か月以内

国土交通省の案内では、二種養成施設の二級・三級課程の修業年限は6か月です。JASPAは、二級・三級課程の教育時間を「90時間以上(実行110時間程度)で、6ヶ月を超えない範囲」と説明しています。

養成は前期が4月から、後期が9月から始まります。例えば千葉県の令和8年度上期では、二級ガソリンの土曜コースが令和8年4月11日〜9月12日の全20回、講習時間は9時30分〜16時10分でした。

項目二級・三級課程一級課程
修業年限(国土交通省)6か月1年6か月以内(二級ガソリン・ジーゼル両方取得者は1年以内)
教育時間(JASPA)90時間以上(実行110時間程度)135時間(実行170時間程度)以上
始まる時期(JASPA)前期4月・後期9月前期4月・後期9月

3. 修了後の試験:学科は自分で受ける

講習を修了するには、千葉県の例では「出席率85%以上、試験成績65点以上」が求められていました。修了すると、修了した課程の実技試験が修了後2年間免除されます。

学科試験は免除されないので、JASPAの登録試験の学科を受けて合格する必要があります。学科と実技の両方が免除になったら、国の技能検定は「全部免除」として随時申請できます。

2年の期限に気をつける

実技試験の免除は、修了日から技能検定の申請日まで2年を経過しない人が対象です。学科試験を先送りにしているうちに期限が過ぎないよう、修了したら受ける回を決めておきましょう。

3級・2級の講習費用の考え方

ここでの結論

講習費用は振興会ごと、会員かどうか、教科書代を含むかどうかで変わります。千葉県の令和8年度上期の例では、三級基礎+三級ガソリンが会員67,600円・会員外105,400円(教科書代含む)でした。

『講習費用って、自分で払うの?会社が出してくれるの?』という点も気になりますよね。まずは公開されている千葉県の例で、金額の見え方を確かめてみましょう。

千葉県自動車整備振興会の例(令和8年度上期・税込)

コース会員会員外
三級基礎+三級ガソリン(教科書代含む)67,600円105,400円
二級ガソリン(教科書代含む)65,300円103,100円
二級ガソリン(教科書不要)58,700円96,500円

千葉県の案内には、テキストの価格は1月末現在のもので変わる可能性があると書かれています。ほかの都道府県の講習費用や日程は、それぞれの振興会の案内で確かめてください。

3級の講習費用で確かめたいこと

3級の講習費用を比べる時は、金額だけでなく、何が含まれているかを見ておくと安心です。

講習費用で確かめること
  • 勤め先が振興会の会員かどうか(会員と会員外で金額が違う例がある)
  • 教科書代が含まれているか、教科書不要のコースがあるか
  • 講習費用を会社が負担してくれるか、立て替えか、自己負担か
  • 登録試験の受験手数料が別にかかること
  • 講習を受ける日の勤務の扱い(出勤扱いか、休みを使うか)

2級の講習費用と受験手数料

2級の講習費用も、千葉県の例では会員と会員外、教科書の有無で分かれていました。講習費用とは別に、登録試験の受験手数料がかかります。

JASPAの令和8年度第2回の案内では、学科(一級以外)が12,500円(税込)、実技が18,000円(税込)です。第1回の案内では学科(一級以外)7,200円、実技14,000円と、回によって金額が違うので、受ける回の案内で確かめましょう。

新しい資格制度の講習に注意

千葉県の案内には「令和8年度上期の講習は『現行資格制度』の講習です。『新資格制度』では実技免除が適用されません」と書かれていました。二級・三級は令和8年度下期から新資格制度に対応した講習になるとされているので、受ける時期の案内を確かめておきましょう。

かかるお金全体の比べ方は自動車整備士の資格取得にかかる費用で紹介しています。

講習の申し込みから合格までの流れ

ここでの結論

申し込みは振興会の案内に沿って進め、実務経験証明書などの提出物をそろえます。講習を修了したら登録試験の学科を受け、合格したら国の技能検定を全部免除で申請する流れです。

『何から手をつければいいの?』という方のために、千葉県の例をもとに流れを並べてみました。

講習の申し込みから、講習の修了、登録試験の学科、全部免除の申請までの流れの図解
申し込みから合格までの流れ
  1. 振興会の講習案内で、受けたいコースと日程を確かめる
  2. 事前のWEB受付をする(千葉県の例)
  3. 受付確定のお知らせを受け取る
  4. 実務経験証明書などの提出物をそろえ、受講料を納める
  5. 講習に通い、出席と試験の修了要件を満たす
  6. JASPAの登録試験の学科を受けて合格する
  7. 運輸支局などに、国の技能検定を全部免除で申請する

提出物で慌てないために

千葉県の例では、講習の申し込みで「実務経験証明書(押印した証明書)」の提出が求められていました。実務経験が短くなる人は、卒業証書か卒業証明書のコピーも必要です。

実務経験証明書は勤め先に書いてもらう物なので、申し込みの前に上司に相談しておくとスムーズですよ。

「来年の春の3級の講習に申し込みたいので、実務経験証明書をお願いできますか」
「いいよ。講習の日は勤務を調整しておくね」

こんなふうに、証明書と講習の日の勤務を一緒に相談しておくと安心です。

全部免除の申請

学科・実技とも免除になった人の技能検定は、随時申請できます。国の技能検定の手数料は、全部免除の場合は2,450円と国土交通省は案内しています。

全部免除の手続きは自動車整備士の両免申請・全免申請とはで詳しく紹介しています。

講習の前にしておくと楽になること

講習は限られた回数で進むので、予習をしておくと授業の中身が頭に入りやすくなります。『久しぶりの勉強で、ついていけるか不安』という方も、少しの準備で気持ちが軽くなりますよ。

講習の前の準備
  • 受ける種類の教科書の目次を読み、章の名前を知っておく
  • JASPAの過去問を1回分ながめて、出る形をつかんでおく
  • 職場で扱う部品の名前を、教科書の図で探しておく
  • 講習の日の勤務を上司と調整しておく

講習の修了には試験成績の基準もあるので、授業の後は過去問で復習しておくと安心です。千葉県の案内には、平日の短期の外国人向けコースも載っていて、受ける人に合わせたコースが用意されている振興会もあります。

講習と学校に通う道を比べる

ここでの結論

講習は「働きながら実務経験を積みつつ、短い期間で実技免除を受けたい人」、学校は「これから整備の道に入り、まとまった時間で基礎から学びたい人」に向いています。どちらも正当な道です。

『講習と専門学校、どっちがいいの?』と迷う方のために、主な違いを並べてみました。

比べる点振興会の講習(二種養成施設)学校(一種養成施設)
主な対象整備の実務経験がある人整備の実務経験がない人
期間(二級・三級)6か月以内三級課程1年以上、二級課程2年以上
教育時間(JASPA)二級・三級とも90時間以上(実行110時間程度)三級課程900時間、二級課程1800時間
通い方夜間・休日の講習もある昼間が中心。夜間課程の例もある
修了すると実技試験の免除(修了後2年間)実技試験の免除(修了後2年間)と受験資格
お金の考え方講習費用。会社負担の場合もある学費。公的な支援制度の対象になる学校もある

中途で整備士になる人の講習の使い方

厚生労働省の職業情報サイト(2021年時点の掲載)には、中途採用の人が入職後に夜間・休日に講習を受けられる養成施設に半年〜1年半通って資格を取る例が紹介されています。

未経験から整備の職場に入った人にとって、講習は働きながら資格を取る現実的な道なんです。働きながらの進め方は働きながら自動車整備士の資格を取るにはで、3級そのものは3級自動車整備士とはでまとめています。

講習に通いやすい職場の選び方

ここでの結論

講習に通えるかどうかは、職場の理解と支援で大きく変わります。求人票では、資格取得の支援、講習の日の勤務の扱い、講習費用の負担、資格手当の4つを確かめておきましょう。

講習は土曜や平日の日中に行われるコースもあります。『講習の日に休みが取れない』となると、せっかくの機会を逃してしまうことも。

だからこそ、講習に通いやすい職場かどうかは、資格を取るうえでとても大事なポイントなんです。

働きながら講習に通う整備士の職場の様子。リフトの車と教科書が置かれた作業台
求人票や面接で確かめたいこと
  • 資格取得の支援制度があるか(講習費用の負担・立て替え)
  • 講習の日の勤務の扱い(出勤扱いか、休みの調整ができるか)
  • 実務経験証明書を出してもらえる整備の作業に関われるか
  • 資格を取った後の資格手当や役割の変化
  • 勤め先が振興会の会員かどうか

国土交通省の「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」(令和7年6月改訂版)でも、取組の例として整備士資格手当の支給が挙げられています。資格の取りやすさや手当は会社によって違うので、求人票で確かめておきましょう。

職場のタイプ講習の面で確かめたいこと
整備工場整備の作業に関われるか、講習の日の調整ができるか
メーカー系のディーラー講習を受ける時期の決め方、受講の支援の内容
ガソリンスタンド・用品店実務経験として認められる整備作業があるか

ガソリンスタンドなどで働く場合は、国土交通省の通達で、オイル・タイヤなどの交換作業のみの経験や、アルバイト等臨時の勤務の経験は実務経験と認められないとされています。講習の受講資格に関わるので、作業の中身を確かめておきましょう。

今の職場で通うか、通いやすい職場に移るか

今の職場で講習に通わせてもらえるなら、それが一番の近道です。上司や先輩に、受講のタイミングを相談してみてください。

一方で、講習の日の休みが取りにくい、講習費用の支援が無いと感じる方もいますよね。そんな時は、資格取得を応援してくれる整備の職場の求人を比べてみると、選択肢が広がります。

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講習についてよくある相談

ここでの結論

相談で多いのは「3級を取るにはどうすればいいか」「講習は週に何回通うのか」「会員でないと受けられないのか」の3つです。どれも、受けたい振興会の案内を見ることから答えが見えてきます。

ネットの質問サイトでよく見かける、講習についての相談を3つ取り上げます。

「自動車整備士3級を取るにはどうしたらいいか」

3級を取るための道を尋ねる、とても多く見られている相談です。

働きながら目指すなら、整備の作業で6月以上の実務経験を積み、振興会の講習で実技免除を受け、登録試験の学科に合格する流れが分かりやすいです。学校に通う道もあるので、自分の状況に合わせて選んでみてください。

「実技免除の講習は、半年間で週に何回通うのか」

働きながら3級の講習に通う場合、どのくらいの頻度で通うのかという相談です。仕事との両立を考えると気になりますよね。

二級・三級課程は6か月以内の課程で、通う曜日や回数はコースと振興会によって違います。千葉県の例では、二級ガソリンの土曜コースが半年ほどで全20回でした。受けたい振興会の案内で日程表を見てみてください。

「振興会の会員でないと講習を受けられないのか」

勤め先が振興会の会員でないため、定員に達したら受講できないと言われた、という相談です。

千葉県の例のように、会員と会員外で受講料が分かれている振興会があります。受け付けの順番や定員の扱いは振興会によって違うので、早めに問い合わせて申し込みの時期を確かめておきましょう。

よくある質問

自動車整備士の3級の講習は誰でも受けられますか?

二種養成施設の講習は、受講する課程の修了日までに受験資格(実務経験)を満たしている人が対象です。三級は6月以上の実務経験などが必要です。

講習を修了すれば資格が取れますか?

講習の修了で免除されるのは実技試験です。学科試験はJASPAの登録試験などを受けて合格する必要があります。

自動車整備士の3級の講習費用はいくらですか?

振興会や会員かどうか、教科書代を含むかで変わります。千葉県の令和8年度上期の例では、三級基礎+三級ガソリンが会員67,600円、会員外105,400円(いずれも教科書代含む・税込)でした。

2級の講習も働きながら受けられますか?

二種養成施設の二級課程は、三級合格後2年以上の実務経験などを修了日までに満たしている人が対象です。夜間や休日に講習を行う施設もあるので、振興会の案内で日程を確かめてみてください。

講習はいつから始まりますか?

JASPAの説明では、二種養成施設の養成は前期が4月から、後期が9月から始まります。申し込みの時期は振興会ごとに違うので、早めに案内を確かめておきましょう。

講習を修了してから何年以内に申請すればいいですか?

実技試験の免除は、修了日から技能検定の申請日まで2年を経過しない人が対象です。修了したら、早めに登録試験の学科を受けておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 自動車整備士の講習は、振興会の技術講習所(二種養成施設)で受ける課程
  • 修了日までに実務経験が必要で、二級・三級課程は6か月以内
  • 修了で免除されるのは実技試験だけで、修了後2年間有効
  • 講習費用は振興会・会員かどうか・教科書代の有無で変わる
  • 講習に通いやすい職場かどうかを、求人票で確かめておく
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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