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自動車整備士として働くなら、ディーラーがいいのか、町の整備工場がいいのか。『給料も働き方も違うって聞くけど、何がどう違うの?』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、ディーラーと整備工場の違いは「扱う車の幅」「教育や資格支援の仕組み」「年収と年齢の傾向」の3つに表れます。どちらが上ということではなく、自分が何を大事にしたいかで選ぶのがコツです。
この記事を読めば、自動車整備士が働く場所ごとの違いと、自分に合う会社の選び方が分かります。
ディーラーと整備工場、自動車整備士の働き方はどう違う?
ディーラーは主に自社が扱うメーカーの車を整備し、整備工場はいろいろなメーカーの車を幅広く整備するのが基本です。業界団体の調査では、ディーラーの整備要員は平均年収が高く、平均年齢が若い傾向があります。
『ディーラーと整備工場って、仕事の中身から違うの?』と思いますよね。まずは、大まかな違いを並べてみます。
| 比べる所 | ディーラー | 整備工場(専業・兼業) |
|---|---|---|
| 扱う車 | 主に販売しているメーカーの車 | いろいろなメーカーの車 |
| 仕事の中心 | 点検・車検・保証の修理・新車の納車前の整備など | 点検・車検・修理・板金など、工場によってさまざま |
| 平均年収(JASPA 令和7年度) | 535万1,200円 | 401万5,200円 |
| 平均年齢(JASPA 令和7年度) | 37.9歳 | 52.1歳 |
| 確かめたいこと | 配属先・異動・研修の仕組み | 扱う作業の幅・資格支援の有無 |
JASPAは日本自動車整備振興会連合会のことで、全国の整備事業場を調べた業界団体の調査です。年収には給与・各種手当・賞与が含まれます。
ディーラーの整備士の仕事
ディーラーの整備士は、自社が販売するメーカーの車を中心に整備します。同じメーカーの車を深く知ることができ、新しい技術にも触れやすい環境です。
メーカー系のディーラーには、独自の研修や社内の技術資格を設けている所もあります。中身は会社によって違うので、説明会や面接で確かめてみてください。
整備工場の整備士の仕事
整備工場は、地域のお客さんの車をメーカーを問わず整備します。古い車から新しい車まで、いろいろな車に触れられるのが特徴です。
工場によっては、板金や塗装、大型車の整備などを得意にしている所もあります。何を得意にしている工場かで、身につく技術も変わってきます。
見学の時は、こんなふうに聞いてみると工場の特徴がつかめます。
「普段はどんな車の整備が多いですか?」「車検と修理では、どちらの仕事が多いですか?」
お客さんとの距離が近く、自分が整備した車の持ち主と直接話す場面が多いのも、地域の整備工場ならではです。
働く場所を4つに分けて比べる
自動車整備士が働く場所は「ディーラー」「整備工場」「カー用品店・ガソリンスタンド」「運送会社など」の4つに分けると比べやすくなります。仕事の中身・資格支援・休みの3つで、自分に合う所を探してみましょう。
整備士の働く場所は、ディーラーと整備工場だけではありません。『ほかにどんな会社で働けるの?』という方のために、4つに分けて比べてみました。

| 働く場所 | 仕事の中身の例 | 資格支援で確かめること | 休みで確かめること |
|---|---|---|---|
| ディーラー | 自社メーカーの車の点検・車検・修理 | 社内研修・講習の費用負担 | 定休日と、交替で休む日の取り方 |
| 整備工場 | いろいろな車の点検・車検・修理・板金 | 講習の費用・受講日の配慮があるか | 土日の営業と休みの取り方 |
| カー用品店・ガソリンスタンド | タイヤやオイルの交換、点検、店舗によって車検 | 整備作業場の有無と、資格取得の支援 | 店舗の営業時間とシフト |
| 運送会社など | バスやトラックなど自社の車の点検・整備 | 大型車の整備に必要な資格の支援 | 車が動いていない時間帯の作業の有無 |
厚生労働省の職業分類でも、自動車整備士の仕事の例として「車検係(バス会社)」「トラック修理工」「バス修理工」などが挙げられています。整備士が活躍する会社は、思ったより幅広いんです。
休みの取り方は、営業日で変わる
厚生労働省の職業情報(job tag)の記載では、整備の職場は日曜・祝日や夜間に営業することもあり、交替制の週休二日制を採用する企業も多いとされています。
お客さんが来る日に店を開けている職場ほど、土日に休みにくいことがあります。『家族と休みを合わせたい』という方は、年間休日だけでなく休みの曜日も確かめておきましょう。一日の流れや休みは自動車整備士の一日の流れでも紹介しています。
カー用品店・ガソリンスタンドで働く時の注意
カー用品店やガソリンスタンドは、整備士として働ける職場の一つです。ただ、受験に必要な実務経験を積みたい人は注意が必要です。
国土交通省の通達では、オイル・タイヤ・灯火装置・ワイパーブレードなどの交換作業だけの仕事は、実務経験と認められないとされています。点検や整備の作業にも携われるかを確かめておくと安心です。
バスやトラックを整備したい人は
バスやトラックなど大きな車を整備したい方は、運送会社や大型車を扱う整備工場、トラックを販売するディーラーが候補になります。
自動車整備士技能検定規則では、一級大型自動車整備士の対象は、車両総重量8トン以上、最大積載量2トン超、乗車定員11人以上のいずれかに当たる普通自動車と、大型特殊自動車です。ジーゼル・エンジンの車を整備するなら、二級ジーゼル自動車整備士も関わってきます。
| 目指したい方向 | 関わる資格の例(現行) |
|---|---|
| 乗用車を幅広く整備したい | 二級ガソリン自動車整備士、一級小型自動車整備士 |
| バス・トラックを整備したい | 二級ジーゼル自動車整備士、一級大型自動車整備士 |
なお、令和9年1月1日からは資格の種類が見直され、一級大型・一級小型は「一級自動車整備士(総合)」に、二級ガソリン・二級ジーゼルは「二級自動車整備士(総合)」に合格した者とみなされます。資格の違いはガソリンとジーゼルの自動車整備士の違いで紹介しています。
年収と年齢で見るディーラーと整備工場
JASPAの令和7年度調査では、自動車整備士の平均年収はディーラーが535万1,200円、専業・兼業の整備工場が401万5,200円でした。賃金構造基本統計調査でも、規模の大きい会社ほど賞与が多い傾向があります。
『大手企業のディーラーのほうが給料はいいの?』という疑問も多いですよね。公表値で見てみます。
業態別の平均年収と年齢
| 業態(JASPA 令和7年度) | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| ディーラー | 535万1,200円 | 37.9歳 |
| 整備要員全体(自家を除く) | 442万8,900円 | 47.7歳 |
| 専業・兼業の整備工場 | 401万5,200円 | 52.1歳 |
専業・兼業の整備工場の平均年齢を分けると、専業が53.0歳、兼業が49.0歳です。ディーラーは平均年齢が若く、年収は高めという傾向が読み取れます。
会社の規模別の給与と賞与
令和7年賃金構造基本統計調査の「自動車整備・修理従事者」を、企業の規模ごとに見てみます。
| 企業規模(令和7年) | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 36万1,800円 | 120万5,800円 | 37.6歳 |
| 100〜999人 | 33万4,800円 | 96万6,800円 | 40.1歳 |
| 10〜99人 | 32万3,800円 | 70万8,400円 | 44.4歳 |
自動車整備士として大手企業で働くと、毎月の給与より賞与で差が出やすいことが分かります。
平均年齢が違うと、平均年収も変わって見えます。同じ年齢・同じ経験で比べると差が小さくなることもあるので、気になる会社では、自分の年齢に近いモデル年収を聞いてみてください。年収の読み方は自動車整備士の年収・給料で詳しく紹介しています。
認証工場・指定工場とは?会社選びで見る所
他人の車の分解整備などを仕事として行うには、地方運輸局長の「認証」が必要で、この認証を受けた工場が認証工場です。さらに、検査の設備や自動車検査員を備えた工場は「指定工場」になれます。会社選びでは、どちらの工場かも確かめておきましょう。
求人票で「認証工場」「指定工場」という言葉を見かけて、『何が違うの?』と思った方もいるはずです。ここで違いを見ておきますね。
| 種類 | どんな工場か | 働く人にとっての意味 |
|---|---|---|
| 認証工場 | 地方運輸局長の認証を受け、分解整備などの特定整備を行える工場 | 分解整備に携われる。整備主任者を目指せる |
| 指定工場 | 認証工場のうち、検査の設備を持ち、自動車検査員を選任する工場 | 車検の検査まで工場で行う。検査員を目指せる |
JASPAの令和7年度調査では、全国の認証工場(事業場)は92,251か所、そのうち指定工場は29,810か所です(令和7年6月30日時点)。
認証工場に必要な人と資格
道路運送車両法施行規則では、認証工場の人の条件が決められています。分解整備を行う事業場の場合は、次のとおりです。
- 特定整備に携わる従業員が2人以上いる
- 1級または2級の整備士が少なくとも1人いる
- 1級・2級・3級の整備士の数が、従業員の4分の1以上いる
- 事業場ごとに整備主任者を置く
令和2年4月からは、自動ブレーキなどのカメラやレーダーの調整(エーミングなど)も「電子制御装置整備」として、認証が必要な作業になりました。新しい車を多く扱う職場では、この認証を持っているかも見ておきたいところです。
自動車整備士として認証工場で働くことは、整備主任者や検査員へ進む土台になります。検査員の条件は自動車検査員とはで紹介しています。
指定工場で働くと何が違う?
指定工場では、車検の検査まで工場の中で行います。そのため、自動車検査員という役割を目指せるのが大きな違いです。
指定自動車整備事業規則では、自動車検査員になるには、整備主任者として1年以上(1級の整備士は6月以上)の実務経験を積み、地方運輸局長が行う教習を修了することなどが条件です。
『将来は検査員まで目指したい』という方は、応募先が指定工場かどうかを求人票で確かめておくとよいですよ。
自分に合う会社の選び方
会社選びは「何を伸ばしたいか」から逆算するのがコツです。決まったメーカーを深く知りたいならディーラー、いろいろな車に触れたいなら整備工場、大型車ならバス・トラックを持つ会社が候補になります。
『結局、自分はどこを選べばいいの?』と迷いますよね。ここでは、選び方の考え方を順番に見ていきます。
- 同じメーカーの車を深く学べる
- 新しい技術や電子制御に触れやすい
- 社内研修を設けている会社もある
- 他の店舗への異動や、整備以外の部署への配属があるか
- 土日に休めるか、休みの曜日
- 扱う車が限られることに納得できるか
整備工場は反対に、いろいろな車に触れられる一方で、会社ごとの仕組みの差が大きいのが特徴です。資格支援や休みの決まりを、一社ずつ確かめていきましょう。

- 伸ばしたい力(メーカーを深く・幅広く・大型車など)を決める
- 4つの働く場所から候補を絞る
- 認証工場・指定工場かどうかを確かめる
- 資格支援・休み・年収の条件を求人票で比べる
- 職場見学で作業場の雰囲気を見る
求人票で比べる項目
ディーラーと整備工場では、同じ項目でも見るポイントが少し違います。並べて比べる時の目安にしてみてください。
| 比べる項目 | ディーラーで見る所 | 整備工場で見る所 |
|---|---|---|
| 仕事の中身 | 整備以外の部署への配属があるか | 板金・大型車など得意な作業は何か |
| 資格支援 | 社内研修と国家資格の講習の扱い | 講習の費用と、受講日を休めるか |
| 休み | 定休日と交替で休む日の取り方 | 土日の営業と休みの曜日 |
| 給与 | 資格手当と賞与の実績 | 資格手当と賞与の実績、昇給の仕組み |
| 工場の種類 | 指定工場かどうか | 認証工場・指定工場かどうか |
面接や見学で聞いておきたいこと
求人票だけでは分からないことも多いです。例えば、こんな聞き方をしてみてください。
「整備士として入った人が、別の部署に配属されることはありますか?」「2級を取るための講習は、勤務扱いで受けられますか?」
答えが具体的に返ってくる会社は、整備士の育て方がはっきりしていることが多いです。
今の職場から移りたい時は
今の職場で経験を積み、資格を取っていくのも立派な道です。そのうえで、働く場所を変えてみたい、資格支援のある会社に移りたいという方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がります。
ディーラーと整備工場の求人を並べて、仕事の中身・資格支援・休みの3つで比べてみてください。
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ディーラーの整備士、よくある相談
知恵袋では、メーカー系ディーラーの整備士について「級で給料は変わる?」「高校で何を勉強すればいい?」「通勤の車は別メーカーでもいい?」という相談が多く読まれています。どれも、会社ごとの決まりを確かめるのが一番の近道です。
知恵袋で多く読まれている相談を、要約して答えてみますね。
相談1:ディーラーの整備士は、3級と2級で給料が変わる?
「メーカー系ディーラーの整備士は、資格が3級と2級で給料が大きく変わるのか」という相談です。
級ごとの給料の差を示した公表値はありません。差が出るのは、資格手当の額や、上の級に任せる仕事の違いを通してです。
会社の給与規程や面接で、「3級と2級で資格手当はいくら違いますか?」と聞いてみてください。級と年収の関係は自動車整備士の級と年収で詳しく紹介しています。
相談2:ディーラーの整備士になるには、高校で何を勉強すればいい?
「ディーラーの整備士になりたい。工業高校でどんな資格を取ったり勉強したりするといいか」という相談です。
高校の自動車科の中には、一種養成施設として三級の課程を持つ学校があります(全ての高校が当てはまるわけではありません)。そうした課程を修了すると、3級は実務経験の定めなしで受けられます。
高校卒業後に整備専門学校の二級課程(修業年限2年以上)に進む道もあります。進み方は高校から自動車整備士になるにはで紹介しています。
相談3:通勤の車が別メーカーでも大丈夫?
「メーカー系ディーラーに整備士として就職する予定だが、通勤の車が別のメーカーでも問題ないか」という相談です。
通勤の車に決まりがあるかどうかは、会社によって違います。公的な決まりではないので、入社前に人事の担当者に聞いておくのが確実です。
『聞きにくいな…』と思うかもしれませんが、入ってから気まずくなるより、先に確かめておくほうが安心ですよ。
ディーラーでは、整備士として入社しても、会社の方針で他の部署に配属されることがあるという声も見かけます。整備の仕事を続けたい方は、配属の考え方を面接で確かめておきましょう。
よくある質問
ディーラーと整備工場では、どちらの年収が高いですか?
JASPAの令和7年度調査では、ディーラーの平均年収は535万1,200円、専業・兼業の整備工場は401万5,200円でした。ただ、平均年齢がディーラーは37.9歳、専業・兼業は52.1歳と違うので、同じ年齢で比べることも大切です。
認証工場とは何ですか?
地方運輸局長の認証を受け、分解整備などの特定整備を仕事として行える工場です。分解整備を行う事業場には、1級または2級の整備士が少なくとも1人いることなどが条件になっています。
自動車整備士は大手企業で働いたほうがいいですか?
賃金構造基本統計調査では、規模の大きい会社ほど賞与が多い傾向があります。ただ、扱う車や休み、配属の考え方も会社で違うので、何を大事にしたいかで選んでみてください。
指定工場と認証工場では、どちらで働くのがいいですか?
検査員まで目指したいなら、自動車検査員を選任する指定工場で働くと道が開けます。分解整備の経験を積んで整備主任者を目指すなら、認証工場でも十分です。
ディーラー以外で整備士が働ける会社はありますか?
整備工場、カー用品店やガソリンスタンド、バスやトラックを持つ運送会社など、幅広くあります。公務員として整備に携わる道もあります。
まとめ
- ディーラーは主に自社メーカーの車、整備工場はいろいろな車を整備する
- JASPAの調査では、ディーラーの平均年収は535万1,200円、専業・兼業の整備工場は401万5,200円
- 働く場所は4つに分け、仕事の中身・資格支援・休みで比べる
- 認証工場・指定工場かどうかで、目指せる役割が変わる
- 伸ばしたい力から逆算して会社を選ぶ





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