働きながら自動車整備士の資格を取るには|実務経験と講習の進め方

働きながら自動車整備士の資格を取る道を紹介する記事のアイキャッチ。整備工場の手元と教科書

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整備工場やガソリンスタンドで働きながら自動車整備士資格を取りたいと考えている方も多いはずです。でも『仕事をしながら勉強なんて続くかな』と不安になりますよね。

結論から言うと、自動車整備士の資格は働きながら取る人がとても多い資格です。実務経験そのものが受験資格になるので、働くことが資格への道の一部になるんです。

この記事を読めば、働きながら3級・2級・1級へ進む道と、それぞれにかかる時間の目安が分かります。

目次

自動車整備士の資格は働きながら取れる?

先に結論

働きながら自動車整備士の資格を取ることはできます。国土交通省の受験資格では、学校に通わなくても、整備の実務経験を積めば3級から受けられる仕組みになっています。

『やっぱり専門学校に行かないとダメなの?』と思っている方もいますよね。実は、学校は道のひとつでしかありません。

自動車整備士技能検定規則では、3級は「自動車の整備作業に関し六月以上の実務の経験」があれば受けられます。この経験は、15歳となった日以後のものに限られます。

厚生労働省の職業情報サイト(2021年時点の掲載)でも、入職後に実務経験を積んでから資格を取る場合がある、と紹介されています。

働きながら取る人と、学校で取る人の違い

学校で取る人と、働きながら取る人では、受験資格の満たし方が違います。並べてみると、こんなイメージです。

項目働きながら取る一種養成施設(専門学校など)で取る
受験資格実務経験で満たす課程の修了で満たす
実技試験振興会の講習を修了すれば免除課程の修了で免除
収入働いているのであり在学中は学費がかかる
時間仕事の後や休日に勉強する平日の昼間に学ぶ

どちらにも良い所があるので、今の暮らしに合う方を選べば大丈夫です。資格の全体像は自動車整備士とは?で紹介しています。

働きながら取る3つの道と、級ごとの時間の目安

ここでの結論

働きながら資格を取る道は「実務経験を積んで受験」「振興会の講習」「夜間や学校と組み合わせる」の3つに分けられます。級ごとに必要な経験の長さが決まっているので、時間の見通しが立てやすいんです。

自動車整備士の資格を働きながら取るといっても、やり方はひとつではありません。この記事では、3つの道に分けて考えてみますね。

働きながら資格を取る3つの道を、実務経験・振興会の講習・夜間や学校の組み合わせに分けて示した図解

道1:実務経験を積んで、そのまま受験する

整備の職場で働いて実務経験を積み、日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の登録試験を受ける道です。学科と実技の両方に合格すると、国の技能検定の試験が免除されます。

講習に通わない分、時間の自由はききます。そのかわり、実技試験も自分で受けて合格する必要があります。

道2:振興会の講習に通ってから受験する

各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所(二種養成施設)に通う道です。国土交通省は「主に、自動車整備工場などで働きながら受講する方が多く、夜間や休日などに講習を行っている施設もあります」と案内しています。

課程を修了すると、修了した課程の実技試験が修了後2年間免除されます。あとは登録試験の学科に合格すれば、学科と実技の全部が免除された状態で国に申請できるんです。

道3:夜間の課程や学校と組み合わせる

整備の経験がまだない社会人なら、夜間課程を置く一種養成施設に通う方法もあります。国土交通省の一種養成施設の一覧には、「二級自動車整備士コース(夜間課程)修業年限3年」という記載の例があります。

夜間の探し方は自動車整備士の夜間学校で詳しく紹介しています。

級ごとの時間軸の表

働きながら進む時の、受験資格がそろうまでの目安を表にしました。年数は令和7年7月8日の改正後の値です。

段階受験資格がそろう条件働き始めてからの目安
3級15歳以降の実務経験6か月以上入社から6か月
2級3級合格後、実務経験2年以上3級合格から2年
1級2級(二級シャシを除く)合格後、実務経験3年以上2級合格から3年

試験は年2回で、講習も前期・後期に分かれているので、実際は受験の時期に合わせて少し前後します。受験資格の細かい条件は受験資格と実務経験で紹介しています。

学歴で短くなる場合

高校の機械・電気・電子に関する学科を卒業した人などは、3級が実務経験3か月以上、2級が3級合格後1年4か月以上などに短くなります。自分が当てはまるかは、最寄りの振興会に聞いてみてください。

3級から2級まで、働きながら進む流れ

ここでの結論

3級は入社から6か月、2級は3級合格から2年の実務経験で受けられます。働きながら2級までなら、順調に進めば入社からおよそ2年半から3年ほどが見通しになります。

『結局、何年くらいで2級まで取れるの?』と気になりますよね。上の表を足し合わせると、受験資格だけで入社から2年6か月です。

ここに試験の日程の待ちが加わるので、もう少し長めに見ておくと安心です。

登録試験の1年の流れ

JASPAの登録試験は年2回です。令和8年度は次の日程が公表されています。

回受付期間学科試験実技試験
第1回令和8年7月27日から7月31日令和8年10月4日令和9年1月17日(二級ガソリン・三級シャシ)
第2回令和8年12月14日から12月18日令和9年3月14日一級小型のみ(令和9年8月22日)

第1回の実技は、年度ごとに種目が交互に変わります。受けたい種目の実技がある年かどうかも、早めに確かめておきましょう。

3級はどの種類から受ける?

今の制度では、3級はシャシ・ガソリン・エンジン・ジーゼル・エンジン・二輪の4種類に分かれています。働きながら受ける時は、今の職場でよく触る車と作業から選ぶのが自然です。

例えば、乗用車の車検や点検が多い職場ならガソリン・エンジンかシャシ、トラックの整備が多い職場ならジーゼル・エンジンが仕事につながりやすいですよね。迷ったら、職場の先輩に「うちだと、どれから取る人が多いですか」と聞いてみてください。

振興会の講習を使う時の流れ

講習を使う場合は、講習の修了日までに実務経験がそろっている必要があります。JASPAの説明では、講習は前期が4月から、後期が9月から始まります。

働きながら3級から2級へ進む流れ
  1. 実務経験に数えられる整備の職場で働き始める
  2. 実務経験6か月を見込んで、振興会の三級の講習に申し込む
  3. 講習を修了し、実技試験の免除を受ける
  4. 登録試験の学科に合格し、国に全部免除で申請する
  5. 3級合格から2年の実務経験を積み、二級の講習と試験に進む

全部免除の申請は随時受け付けられています。ただ、講習の修了や登録試験の合格から2年を過ぎると免除が使えなくなるので、申請を後回しにしないようにしてくださいね。

講習の日程と費用の例

千葉県自動車整備振興会の令和8年度上期の例では、二級ガソリンの土曜コースが4月11日から9月12日まで全20回です。修了の条件は「出席率85%以上、試験成績65点以上」とされています。

受講料は、同じ例で二級ガソリンが会員65,300円、会員外103,100円(税込・教科書代込み)です。会員かどうかは勤め先で変わり、他の県の費用や日程は県ごとに違います。講習について詳しくは自動車整備士の講習とはで紹介しています。

仕事と勉強を両立させる1週間の組み立て

働きながら資格を取る時に一番むずかしいのは、勉強の時間を作ることですよね。『疲れて帰ってきて、教科書を開く気になれない…』という日もあるはずです。

そんな時は、1日の中で短い時間をいくつか決めておくと続けやすくなります。

時間帯やることねらい
出勤前過去問を数問だけ解く頭がすっきりした時に考える問題を解く
昼休み間違えた問題を見直す短い時間で覚え直す
仕事の後その日に触った装置を教科書で読む現場の作業と教科書を結びつける
休日講習の復習と過去問1回分本番と同じ時間で解く練習をする

ここで大事なのは、その日の作業を教科書で読み返すことなんです。働きながら学ぶ人ならではの強みで、実物を触った装置の話は頭に残りやすくなります。

令和9年1月からの見直しも計画に入れる

令和9年1月1日から、資格の種類が見直されます。今の二級ガソリン・二級ジーゼルは二級自動車整備士(総合)に、今の3級は三級自動車整備士(総合)に合格した者とみなされます。

旧制度での受験は令和10年3月31日まで(一級は令和11年3月31日まで)とされています。講習に申し込む時は、今の制度と新しい制度のどちらに対応した課程かも聞いておきましょう。詳しくは資格制度の改正で紹介しています。

一級自動車整備士を働きながら目指す時のポイント

ここでの結論

一級自動車整備士を働きながら目指す場合は、2級合格後3年以上の実務経験を積んでから受けるのが基本です。筆記・口述・実技と段階があるので、1年がかりの計画を立てておきましょう。

『一級まで働きながら取れるの?』という方もいますよね。一級も、2級(二級シャシを除く)に合格してから3年以上の実務経験があれば受けられます。

一級の試験は1年かけて進む

JASPAの登録試験で一級小型の筆記があるのは、第2回だけです。令和8年度第2回は、筆記が令和9年3月14日、口述が5月9日、実技が8月22日と公表されています。

一級を働きながら目指す時の、筆記・口述・実技の1年の流れを順番に示した図解

1年の中で3回の山があるので、繁忙期と重ならないように職場と相談しておくと安心です。

段階令和8年度第2回の日程準備のポイント
筆記令和9年3月14日年末から年度末の繁忙期と勉強が重なる
口述令和9年5月9日問診と整備内容の説明を声に出して練習する
実技令和9年8月22日測定器の使い方を職場で確かめておく

一級の講習もある

二種養成施設には一級の課程もあります。国土交通省の案内では、一級課程は二級ガソリンか二級ジーゼルの取得者が対象で、修業年限は1年6か月以内(両方の取得者は1年以内)です。

千葉県の例では、一級の講習を受けるには、講習修了日までに二級整備士2種目の合格後3年以上の実務経験が必要とされています。受講の条件は県ごとに違うので、最寄りの振興会で確かめてみてください。

令和9年1月からの変更に注意

令和9年1月1日からの資格の見直しで、一級の口述試験はなくなります。旧制度での一級の受験は、令和11年3月31日までとされています。今の制度で一級を目指すか、新しい一級(総合)を目指すかは、受験の時期から考えておきましょう。

一級について詳しくは1級自動車整備士とはで紹介しています。

働きながら資格を取りやすい職場の見分け方

ここでの結論

働きながら資格を取れるかどうかは、職場選びで大きく変わります。実務経験に数えられる作業があるか、講習や受験を応援してくれるかを求人票と面接で確かめましょう。

『同じ整備の仕事なら、どこでも同じでしょ?』と思うかもしれません。実は、実務経験として数えられない働き方もあるんです。

実務経験に数えられる作業と、数えられない作業

国土交通省の通達では、実務経験として認められる作業に、分解整備や主要な装置の点検・調整・交換などが挙がっています。

一方で、オイル・タイヤ・灯火装置・ワイパーブレードなどの交換だけの作業や、アルバイトなど臨時の勤務は、実務経験とは認められません。ガソリンスタンドで働く場合も、整備作業ができる作業場があるかを確かめておきましょう。

求人票と面接で確かめたいこと
  • 認証を受けた整備工場か、整備の作業場がある職場か
  • 点検や分解整備など、実務経験に数えられる作業に入れるか
  • 講習に通う日の勤務の調整をしてもらえるか
  • 講習費や受験料の補助があるか
  • 資格を取った後の資格手当があるか

講習費の補助や資格手当の有無は、会社によって違います。求人票に書かれていない時は、面接で聞いてみてください。

例えば、面接ではこんなふうに聞けます。

「働きながら2級まで取りたいのですが、講習に通っている先輩はいますか」
「講習の日は、勤務の調整をしてもらえますか」

資格を応援してくれる職場なら、この質問にすぐ答えてくれるはずです。求人の見方は自動車整備士の求人の探し方でも紹介しています。

社会人が専門学校に通い直す道

もちろん、仕事を辞めて専門学校に通い直す社会人もいます。一種養成施設の二級課程は、高校卒業以上が入学の条件で、修業年限は2年以上です。

自動車整備士の専門学校に社会人として入る時は、厚生労働省の専門実践教育訓練給付金が使える場合があります。講座ごとに指定が違うので、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で確かめてみてください。

働きながら取る
  • 収入を保ちながら資格に進める
  • 実務経験がそのまま受験資格になる
  • 現場で覚えたことが試験に役立つ
社会人として学校に入り直す
  • 平日の昼間にまとめて学べる
  • 修了で受験資格と実技免除が得られる
  • 在学中の収入が減り、学費がかかる

働きながら資格を取ることについてよくある相談

この章について

ネットの質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「働きながら勉強して取るのは難しい?」

自動車整備士の資格を働きながら勉強して取るのは難しいのか、という相談です。閲覧の多い質問で、気になっている方が多いのが分かりますよね。

結論から言うと、働きながら取る人はたくさんいます。JASPAの公表では、令和7年度第2回の登録試験の学科で、二級ガソリンの合格率は92.0%でした。

整備工場で働きながら、仕事の後に教科書で資格の勉強をする様子

もちろん準備は必要ですが、講習と過去問を組み合わせれば、仕事と両立して進められます。勉強の進め方は自動車整備士の勉強法で紹介しています。

相談2「整備と関係ない仕事をしながら3級を取れる?」

今は自動車と関係のない仕事をしていて、働きながら3級を取れるか、という相談です。

3級の受験資格は、整備の作業の実務経験6か月以上が基本です。整備と関係ない仕事のままでは、実務経験が数えられません。夜間課程のある養成施設に通うか、整備の職場に移るかを考えることになります。

相談3「ガソリンスタンドで半年働けば受験できる?」

整備工場のあるガソリンスタンドで半年働けば、3級の受験資格になるのか、という相談です。

国土交通省の通達では、定期点検整備促進対策要綱に規定する特定給油所や、整備用の機械器具を備えた作業場を持つガソリンの販売事業者の事業場が、実務経験の場として挙がっています。ただ、オイルやタイヤの交換だけでは認められないので、どんな作業に入れるかを先に確かめておきましょう。

相談4「働きながらだと、何年くらいで取得できる?」

働きながらだと、自動車整備士の資格は何年くらいで取れるのか、という相談です。先が見えないと、なかなか一歩を踏み出せませんよね。

受験資格だけで見ると、3級は入社から6か月、2級はそこから2年です。試験の日程待ちを入れても、2級までは入社から3年前後を一つの目安にして計画を立ててみてください。

今の職場で続けるのも、資格を応援してくれる職場に移るのも、どちらも正しい選択です。『今の職場だと実務経験が数えにくいかも』と感じたら、整備士の求人を比べて、講習の補助や勤務の調整がある職場を探してみると選択肢が広がります。

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よくある質問

働きながら自動車整備士の資格を取るには何年かかりますか?

3級は実務経験6か月、2級は3級合格後2年、1級は2級合格後3年で受験資格がそろいます。試験の日程を待つ時間もあるので、少し長めに見ておきましょう。

働きながら自動車整備士の資格を取るのに、学校は必要ですか?

学校に通わなくても、整備の実務経験を積めば受験資格を満たせます。振興会の講習に通えば、実技試験の免除も受けられます。

自動車整備士の資格を働きながら取る時、講習は必要ですか?

講習は必須ではありません。ただ、修了すると実技試験が修了後2年間免除されるので、働きながら取る人の多くが利用しています。

社会人から専門学校に入って整備士を目指せますか?

一種養成施設の二級課程は高校卒業以上が入学の条件です。社会人でも入学できますが、条件は学校ごとに違うので募集要項で確かめてください。

アルバイトの経験は実務経験に入りますか?

国土交通省の通達では、アルバイトなど臨時で勤務しているような作業経験は実務経験と認められないとされています。

まとめ

この記事の要点
  • 自動車整備士の資格は、実務経験を積めば働きながら取れる
  • 3級は実務経験6か月、2級は3級合格後2年、1級は2級合格後3年
  • 振興会の講習を修了すると、実技試験が修了後2年間免除される
  • 交換作業だけやアルバイトの経験は、実務経験に数えられない
  • 講習の補助や勤務の調整がある職場を選ぶと進めやすい
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

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