外国人の自動車整備士|特定技能などの在留資格と働くまでの流れ

外国人が自動車整備士として働く在留資格と流れを紹介する記事のアイキャッチ。整備工場で並んで作業する2人の後ろ姿

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整備工場で外国から来た仲間と働く場面が増えて、『どんな資格で働いているんだろう?』と気になった方もいますよね。採用を考えている職場の方も多いはずです。

結論から言うと、外国人が自動車整備士として働く主な道は在留資格「特定技能」の自動車整備分野です。1号と2号があり、それぞれ試験や3級・2級の技能検定で技能を確かめる仕組みになっています。

この記事を読めば、在留資格の種類と試験の条件、働くまでの流れがひととおり分かります。

目次

外国人も自動車整備士として働ける?

先に結論

外国人も、在留資格の条件を満たせば日本の整備工場で働けます。中心になるのは「特定技能」の自動車整備分野で、受け入れる職場は認証工場に限られます。

外国人の自動車整備士は、ここ数年で大きく増えています。出入国在留管理庁の公表(速報値)を見てみましょう。

区分令和7年12月末令和8年6月末
特定技能1号「自動車整備」4,560人5,235人
特定技能2号「自動車整備」320人670人

半年で、1号も2号も人数が増えていますよね。国は、自動車整備分野の令和6年度からの5年間の1号の受入れ見込数を、最大で1万人としています。

背景にあるのは整備士の人手不足

『どうして外国人の整備士が増えているの?』と思う方もいるかもしれません。大きな理由は、整備の現場の人手不足なんです。

特定技能の運用方針では、令和4年度の自動車整備分野の有効求人倍率が4.72倍と書かれています。さらに、5年後には2万8,000人程度の人手不足が生じると推計されています。

整備士の仕事の将来については、自動車整備士の将来性でくわしく紹介しています。

在留資格は3つに分けて考える

ここが大事

外国人が整備の仕事に就く道は、「特定技能」「技能実習から移る道」「その他」の3つに分けると整理しやすいです。試験や条件がそれぞれ違います。

在留資格の話は、言葉が多くて混乱しやすいですよね。この記事では次の3つに分けて見ていきます。

分け方主な中身技能の確かめ方日本語の確かめ方
特定技能1号整備の基礎的な業務特定技能1号評価試験、又は技能検定3級国際交流基金日本語基礎テスト、又は日本語能力試験N4以上
特定技能2号指導しながら行う一般的な業務特定技能2号評価試験、又は技能検定2級+認証工場での実務経験この記事で参考にした資料には記載なし
技能実習から移る道技能実習2号を良好に修了して1号へ1号の技能試験が免除日本語の試験も免除
その他技人国など、ほかの在留資格この記事では扱わない出入国在留管理庁で確かめる
外国人が自動車整備士として働く在留資格を特定技能・技能実習から移る道・その他の3つに分けた図解

技能実習から特定技能へ移る道

自動車整備分野の技能実習2号を良好に修了した人は、特定技能1号の技能試験が免除されます。日本語の試験も同じく免除です。

すでに日本の整備工場で技能実習をしてきた人にとっては、続けて働くための大事な道なんです。

日本の整備士の資格を取って働く道

特定技能で働きながら、日本人と同じ自動車整備士の資格を目指す人もいます。令和7年7月8日の改正で、3級の受験に必要な実務経験は6月以上に短くなりました。

県の自動車整備振興会の中には、外国人向けの3級の講習コースを設けている所もあります。講習の中身や日程は、県ごとに違うので各振興会の案内で確かめてみてください。

受験資格の全体は、自動車整備士の受験資格と実務経験で紹介しています。

技人国などほかの在留資格は?

自動車整備士の技人国について聞かれることもあります。ただ、この記事で参考にしている公的な資料では、自動車整備分野として扱われているのは特定技能です。

ほかの在留資格で整備の仕事ができるかどうかは、出入国在留管理庁の案内で確かめるのが確実です。

気をつけたい所

在留資格ごとに、できる仕事の範囲は決められています。自分で判断せず、出入国在留管理庁の案内や専門家に確かめてから動きましょう。

自動車整備士の特定技能1号と2号の違い

先に結論

自動車整備士の特定技能1号は基礎的な整備の業務、2号は他の人を指導しながら行う一般的な整備の業務です。2号には、技能検定2級か2号評価試験に加えて、認証工場での実務経験が求められます。

1号と2号では、任される仕事の範囲が違います。出入国在留管理庁の案内をもとに比べてみましょう。

特定技能1号
  • 日常点検整備、定期点検整備、特定整備
  • 特定整備に付随する基礎的な業務
  • 1号評価試験か技能検定3級と、日本語の試験
特定技能2号
  • 他の要員への指導を行いながらの点検整備・特定整備
  • 特定整備に付随する一般的な業務
  • 2号評価試験か技能検定2級と、認証工場での実務経験

日本の3級・2級の技能検定でも技能を示せる

特定技能では、評価試験のかわりに、日本人と同じ自動車整備士の技能検定でも技能を示せます。1号なら3級、2号なら2級です。

3級の中身や受け方は、3級自動車整備士とはで紹介しています。

評価試験の受験者と合格者

出入国在留管理庁の運用状況の資料では、自動車整備分野の技能試験は国内と海外4か国で行われています。受験者数は16,420人で、合格者数は令和8年6月末の時点で累計10,987人です。

合格者数(累計)の移り変わりも見てみましょう。

時点合格者数(累計)
令和7年6月末6,412人
令和7年12月末8,694人
令和8年6月末10,987人

半年ごとに2,000人以上ずつ増えていて、試験を受けて整備の仕事を目指す人が多いことが分かります。

補足

2号の実務経験について、運用要領では認証を受けた事業場での3年以上の実務経験を要件とする、と書かれています(2級の技能検定に合格した人を除く旨の記載もあります)。

受け入れる職場の条件と働くまでの流れ

先に結論

特定技能の外国人を受け入れられるのは認証工場で、雇い方は直接雇用です。ほかにも、国土交通省の協議会に入ることなどの条件があります。

外国人の自動車整備士を受け入れる側にも、決まりがあります。出入国在留管理庁の案内では、主に次のような条件が書かれています。

受け入れる職場の主な条件
  • 特定技能所属機関が認証工場であること
  • 国土交通省の自動車整備分野特定技能協議会の構成員になること
  • 雇い方は直接雇用であること
  • 登録支援機関に任せる場合、1級か2級の整備士などを置くこと
  • 外国人に求められたら、実務経験を証明する書面を出すこと

受け入れる側が準備しておきたいこと

『受け入れたいけど、何から準備すればいい?』という職場の方もいますよね。条件を満たすだけでなく、働きやすい環境をつくることも大切です。

準備すること中身の例
作業の手順写真や図を使った手順書をつくる
言葉の工夫難しい言い回しを短い日本語に言い換える
資格の支援3級や2級の講習・試験を受けやすくする
経験の証明求められたら実務経験の書面をすぐ出せるようにする

実務経験の証明は、2号や技能検定を目指す時に欠かせません。日ごろから、担当した作業を記録しておくとスムーズです。

働くまでの流れ

特定技能1号で働くまでの流れ(一例)
  1. 技能の試験(1号評価試験か技能検定3級)に合格する
  2. 日本語の試験に合格する(技能実習2号の良好修了者は免除)
  3. 認証工場との雇用契約を結ぶ
  4. 在留資格の手続きをする
  5. 働き始めてから、2級や2号を目指して経験を積む

在留できる期間など、分野に共通する決まりは、出入国在留管理庁の案内で確かめてみてください。

外国人の自動車整備士についてよくある相談

先に結論

相談で多いのは「どの資格で働いているの?」「在留期間は?」「なぜ増えているの?」の3つです。中心は特定技能で、期間などの細かい決まりは出入国在留管理庁で確かめます。

よく寄せられる相談を、内容をまとめた形で紹介します。

相談1:職場の外国人整備士は技能実習生なの?

中古車の販売店などで働く外国人の整備士は、いわゆる技能実習生なのか、という相談です。

整備の現場で働く外国人には、特定技能の人もいれば、技能実習の人もいます。どちらかは、その人の在留資格によって違うんです。

「どの資格で日本に来ているんですか?」
「特定技能の1号です。去年、3級の技能検定に受かりました」

本人や職場に確かめれば、こんなふうにはっきりします。

相談2:外国人整備士の在留期間はどれくらい?

一緒に働いている外国人の整備士が、いつまで日本にいられるのか知りたい、という相談です。

在留期間の上限などは、分野に共通する特定技能の決まりで定められています。この記事では確かめられていないため、出入国在留管理庁の案内を見てみてください。

相談3:整備士が足りなくなるのは本当?

若い人の車離れもあって、整備士が将来足りなくなるのでは、という相談もあります。

先ほど紹介したとおり、国の運用方針でも人手不足が生じると推計されています。外国人の受け入れは、その対策の一つとして進められているんです。

一緒に働く職場で大切なこと

先に結論

外国人の整備士と働く職場では、作業手順を分かりやすく伝える工夫が欠かせません。日本人の整備士にとっても、教える経験は自分の腕を見直す機会になります。

言葉の違う仲間と働くと、最初は戸惑うこともありますよね。ただ、手順を写真や図で示すなど、伝え方を工夫すると職場全体が働きやすくなります。

現場で伝わりやすい言い方の工夫

実は、ちょっとした言い方の違いで、伝わり方が大きく変わります。たとえば「ちょっと見といて」より、「このタイヤの溝を測ってください」のほうがずっと分かりやすいですよね。

伝え方を工夫する時のポイント
  • 指示は一つずつ、短い文で伝える
  • 「あれ」「それ」ではなく部品の名前で言う
  • 実物を指さしたり、写真を見せたりする
  • 終わったら、やった作業を言ってもらって確かめる

「次はブレーキの点検です。ここのパッドの厚さを見てください」
「はい、パッドの厚さですね。測ったら報告します」

こうしたやり取りは、日本人の新人にとっても分かりやすい伝え方なんです。

2号の外国人は、他の要員への指導を行いながら働く立場です。国籍を問わず、教え合える職場は人が育ちやすいとも言えます。

今の職場で経験を積むのも、もちろん立派な道です。そのうえで、外国から来た仲間と働く職場や、資格を活かせる職場を探してみたい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がりますよ。

外国から来た仲間と働く整備工場の作業場で、リフトに上がった乗用車と工具ワゴン

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よくある質問

外国人が自動車整備士として働くには、どの在留資格が必要ですか?

主な道は在留資格「特定技能」の自動車整備分野です。1号は評価試験か技能検定3級と日本語の試験、2号は評価試験か技能検定2級と認証工場での実務経験が求められます。

自動車整備士の特定技能1号では、どんな仕事ができますか?

出入国在留管理庁の案内では、日常点検整備、定期点検整備、特定整備と、特定整備に付随する基礎的な業務です。

技能実習から特定技能に移れますか?

自動車整備分野の技能実習2号を良好に修了した人は、特定技能1号の技能試験と日本語の試験が免除されます。

自動車整備士として技人国の在留資格で働けますか?

この記事で参考にした公的な資料では、自動車整備分野として扱われているのは特定技能です。ほかの在留資格で整備の仕事ができるかどうかは、出入国在留管理庁の案内で確かめてください。

どんな職場でも外国人の整備士を受け入れられますか?

特定技能の外国人を受け入れられるのは認証工場で、直接雇用に限られます。国土交通省の協議会の構成員になることなどの条件もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 外国人の自動車整備士の主な道は、在留資格「特定技能」の自動車整備分野
  • 1号は評価試験か技能検定3級と日本語、2号は評価試験か技能検定2級と実務経験
  • 技能実習2号を良好に修了すると、1号の試験が免除される
  • 受け入れる職場は認証工場で、直接雇用に限られる
  • 在留期間やほかの在留資格は、出入国在留管理庁で確かめる
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

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