自動車整備士の工具|そろえ方と自前で買う工具の考え方

自動車整備士の工具のそろえ方と自前で買う工具の考え方を紹介する記事のアイキャッチ。作業台に並んだ手工具

当サイトの記事は編集部が法令・国土交通省・厚生労働省などの公的機関の情報、業界団体の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に整備士の求人・転職さがしのサービスへの案内(広告)を含みます。

整備士の工具って自腹で買うって本当? これから整備の仕事を始める方なら、気になりますよね。

結論から言うと、リフトや診断機のような大きな設備は職場で用意され、手になじむ手工具は自分でそろえる人が多いです。ただ、どこまで自前かは職場によってかなり違うんです。

この記事では、工具を3つのグループに分けて、そろえる順番と考え方を紹介します。

目次

自動車整備士の工具は自腹?会社支給?

先に結論

自動車整備士の工具は「全部会社」でも「全部自腹」でもないことが多いです。大きな設備は職場、毎日使う手工具は自分、という分け方が一つの目安です。

『入社したら、いきなり高い工具を何十本も買わないといけないの?』と不安になる方もいますよね。実は、入ったばかりの頃は職場の共用の工具を借りながら、少しずつ自分の物をそろえていく人も多いんです。

工具を3つのグループに分けて、誰が用意することが多いかを表にしました。

グループ主な例用意するのは
職場で用意されるものリフト、ジャッキ、診断機(スキャンツール)、タイヤチェンジャー、測定器職場
自分でそろえることが多いものソケットとラチェット、メガネレンチ、スパナ、ドライバー、プライヤー職場による(自前が多い)
あると便利なもの工具箱やキャビネット、ライト、マグネットピックアップ、作業用の手袋自分で選ぶことが多い
工具を職場で用意されるもの・自分でそろえることが多いもの・あると便利なものの3つに分けた図解

どの工具が自前になるかは、同じ地域の同じような工場でも違います。入社前に「工具は支給ですか、自前ですか」と聞いておくと、あとで慌てずにすみますよ。

整備の仕事の中身は自動車整備士の仕事内容で紹介しています。

職場で用意されることが多い工具と設備

大きくて高い設備は職場の物

車を持ち上げるリフトや、電子制御の不具合を読み取る診断機などは、一人で買うものではありません。工場の設備として用意されているのが一般的です。

職場の設備は、仕事の種類によって変わります。どんな作業でどんな設備を使うかを並べてみました。

作業使う主な設備
車の下回りの点検・整備リフト、ジャッキ、ウマ(リジッドラック)
タイヤの交換タイヤチェンジャー、ホイールバランサー
電子制御の点検診断機(スキャンツール)
車検の点検検査用の機器、測定器
エンジンまわりの整備エンジンクレーンなどの大物工具

『診断機の使い方なんて分からない…』と思っても大丈夫です。職場の設備は、先輩に教わりながら仕事の中で覚えていくものなんです。

共用の工具を大事に使う

職場の共用工具は、みんなが使うものです。使い終わったら元の場所に戻し、壊れたらすぐに報告しておきましょう。小さな心がけが、職場での信頼につながります。

車の変化で、職場の設備も変わってきている

令和2年4月からは「特定整備制度」が始まり、自動ブレーキなどのカメラやレーダーに関わる作業が「電子制御装置整備」として位置づけられました。こうした作業には、エーミングという調整に使う機器が要ります。

認証の基準でも、電子制御装置整備を行う工場には、エーミング作業に必要な機器を手に入れられる体制が求められています。個人で買う物ではなく、工場としてそろえる設備の代表例なんです。

設備がそろった職場で働くと、新しい作業を覚える機会も増えます。職場を見学する時は、どんな設備があるかにも目を向けてみてください。

自分でそろえることが多い工具と、そろえる順番

毎日使う手工具から順に

自前でそろえるなら、毎日の作業で何度も手に取る工具から始めるのがおすすめです。使う回数が多い物ほど、自分の手になじむ物を選ぶ価値があります。

いきなり全部をそろえる必要はありません。仕事で「これがないと困る」と感じた物から、少しずつ買い足していけば大丈夫です。

手工具をそろえる順番の例
  1. ソケットとラチェットハンドル(よく使うサイズから)
  2. メガネレンチとスパナ
  3. ドライバー(プラスとマイナス)
  4. プライヤーやニッパーなどのつかむ・切る工具
  5. ハンマーやエクステンションなどの補助の工具
手工具を、毎日使う物から順にそろえていく流れを示した図解

自動車整備士の工具セットは買うべき?

「工具セットを買えば一度にそろうから楽そう」と思いますよね。工具セットには良いところと、気をつけたいところがあります。

工具セットの良いところ
  • 基本のサイズが一度にそろう
  • 専用のケースが付いていることが多い
  • 何が足りないかが分かりやすい
気をつけたいところ
  • 使わないサイズや工具も入っている
  • 手になじむかを一本ずつ選べない
  • 職場の工具と重なることがある

入ったばかりの頃は、基本の工具セットで始めて、よく使う工具だけ単品で良い物に買い替える、という人もいます。どちらが合うかは、職場で借りられる工具の多さでも変わります。

一本ずつ選ぶ時に見たいポイント

単品で買い足す時は、値段だけで選ばず、自分の作業に合うかを見てみてください。手に持った時の感覚は、カタログでは分かりにくいものです。

見るポイント理由
握りやすさ長い時間使っても手が疲れにくい
長さと大きさ狭いエンジンルームに入るか、力をかけやすいかが変わる
重さ一日に何度も持つので、重すぎると負担になる
職場の工具と合うかソケットの差し込みなど、組み合わせて使えるかを見る

『先輩と同じ物を買えば間違いない?』と思うかもしれませんね。参考にはなりますが、手の大きさや作業のくせは人それぞれです。できれば先輩の工具を少し借りて、実際に触ってから決めると失敗が減りますよ。

長く使うための手入れと保管

自前の工具は、手入れをするほど長く使えます。仕事終わりのちょっとした習慣で、持ちがかなり変わるんです。

  • 使い終わったら油汚れをふき取る
  • さびやすい場所に置きっぱなしにしない
  • 決まった場所に戻して、なくしたらすぐ気づけるようにする
  • ガタつきや欠けが出たら、無理に使わず買い替えを考える

整備の仕事をやめたあとも工具を残しておきたいなら、汚れを落として、湿気の少ない場所にしまっておくのがおすすめです。

自動車整備士の工具箱はどう選ぶ?

工具箱は「持ち運ぶか」で選ぶ

工具箱には、手で持ち運ぶ箱型と、キャスター付きのキャビネット(ロールキャビネット)があります。職場で置きっぱなしにするのか、持って移動するのかで選び方が変わります。

工具が増えてくると、どこに何をしまうかが仕事の速さにも関わってきます。工具箱を選ぶ時に見ておきたい点をまとめました。

工具箱を選ぶ時のチェック
  • 職場に置くスペースの広さと、持ち込みのルールを確かめる
  • 引き出しの深さが、持っている工具に合っているかを見る
  • キャスター付きなら、床の段差や作業場の広さを考える
  • 転職や引っ越しの時に運べる大きさかを考える
  • 鍵がかけられるかを確かめる

工具箱の中を使いやすく整える

工具箱は、買ったあとの整え方で使いやすさが変わります。よく使う物ほど手前の取り出しやすい段に入れておくと、作業の流れが止まりにくくなりますよ。

  • よく使う工具は、上の段や手前に入れる
  • サイズ順に並べて、足りない物がすぐ分かるようにする
  • 引き出しにマットを敷いて、工具が転がらないようにする

職場によっては、自前の工具箱の持ち込みにルールがあることもあります。大きなキャビネットを買う前に、職場に置けるかを先輩や上司に聞いておくと安心です。

自腹の負担を軽くする工夫と、職場選びで見ること

工具の扱いは職場選びのポイントの一つ

工具の負担は、職場の制度で大きく変わります。求人票や面接で、工具の扱いを確かめておくのがおすすめです。

自腹の工具は、続けていくうちに少しずつ増えていきます。負担を軽くするために、こんな工夫ができます。

  • 最初は職場の共用工具を借り、本当に必要な物だけ買う
  • よく使う物から順に、少しずつ買い足す
  • 先輩に、使いやすかった工具の選び方を聞いてみる
  • 工具の補助や貸し出しの制度がある職場を選ぶ

『工具の補助なんて、聞いてもいいのかな?』と迷うかもしれませんね。働く条件の一つなので、面接で聞くのは不自然なことではありません。

確かめたいこと聞き方の例
工具は支給か自前か「仕事で使う工具は、どこまで用意されていますか」
補助や手当はあるか「工具の購入に補助の制度はありますか」
工具箱の持ち込み「自分の工具箱を置くことはできますか」

未経験から整備士になる方は、未経験から自動車整備士になるにはもあわせて読んでみてください。作業着や安全靴など、身につける物の準備は自動車整備士の服装で紹介しています。

自動車整備士の工具についてよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「整備士の工具は会社支給じゃなく自前って本当?」

整備士は工具を自分で買うと聞いたけれど本当なのか、そういう仕事だと割り切るしかないのか、という相談です。

手工具を自前でそろえる人は多いですが、どこまで自前かは職場によって違います。工具を支給する職場や、補助を出す職場もあるので、入る前に確かめてみてください。

相談2「会社から支給された工具が使いにくい」

新社会人になり、会社から支給された工具を使っているけれど、手になじまない、という相談です。

工具の使いやすさは、手の大きさや作業のくせでも変わります。よく使う一本から、自分に合う物を選んで買い足していくのが無理のない方法です。

相談3「転職の時、工具箱はどうしている?」

ほかの整備工場に移る時、大きな工具箱やキャビネットをどう運ぶのか、という相談です。

キャスター付きの大きなキャビネットは、運ぶのに手間がかかります。転職先に置けるスペースがあるかも、事前に聞いておきましょう。

相談4「最初はみんな、どうやって工具を買っていった?」

整備士になったばかりで、先輩たちは最初どのように工具をそろえていったのか知りたい、という相談です。

よく聞くのは、職場の工具を借りながら仕事を覚え、「これは自分の物があると楽だ」と感じた物から買っていく進め方です。一度に全部そろえようとしなくて大丈夫ですよ。

工具の扱いや設備の充実ぶりは、職場ごとに本当にさまざまです。今の環境で道具の負担が大きいと感じるなら、整備士の求人を比べてみると、工具の支給や補助がある職場も見つかりやすくなります。

整備士の求人・転職さがし(PR)

資格を活かせる職場を探すなら、整備士の求人も比べてみる

資格手当や資格取得の支援、扱う車の種類、休みの取り方は、職場によって大きく違います。地域や条件から整備士の求人を探して、今の自分に合う働き方を比べてみてください。

無料整備士の求人を探す

求人の条件・待遇は各求人票と応募先の案内でご確認ください。

整備士の仕事や資格の全体像は、自動車整備士とは?仕事内容・資格の種類・なるまでの流れで紹介しています。

よくある質問

自動車整備士の工具は自腹ですか?

手工具は自分でそろえる人が多いですが、職場によって違います。リフトや診断機などの大きな設備は職場で用意されるのが一般的です。

自動車整備士の工具セットは最初に買ったほうがいいですか?

基本のサイズが一度にそろう良さはありますが、職場で借りられる工具と重なることもあります。職場で何を使えるかを確かめてから決めると、無駄が少なくなります。

工具箱はどんな物を選べばいいですか?

持ち運ぶなら箱型、職場に置くならキャスター付きのキャビネットが選ばれやすいです。置く場所の広さと、職場の持ち込みのルールを先に確かめておきましょう。

工具の支給があるかは、どうやって確かめればいいですか?

求人票の待遇欄に書かれていることもありますが、書かれていない場合は面接で聞いてみるのが確実です。「仕事で使う工具は、どこまで用意されていますか」と聞けば、支給の範囲や補助の有無が分かります。職場見学ができるなら、先輩たちの工具箱の様子も参考になります。

学生のうちに工具をそろえておくべきですか?

学校の実習で使う工具は学校の案内に従うのが基本です。仕事で使う物は、就職先で何が用意されているかを確かめてから買うと、無駄になりにくいです。

まとめ

この記事の要点
  • 大きな設備は職場、毎日使う手工具は自分でそろえる人が多い
  • どこまで自前かは職場によって違うので、入社前に確かめる
  • 手工具は、よく使う物から少しずつ買い足していく
  • 工具箱は「持ち運ぶか、職場に置くか」で選ぶ
  • 工具の支給や補助は、職場選びのポイントの一つ
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次