自動車整備士の勉強法|何から始める?働きながら続けるコツ

自動車整備士の勉強法を紹介する記事のアイキャッチ。教科書とノート、スマートフォンが置かれた机

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整備士の資格を取ろうと決めたものの、『何から手をつければいいの?』『仕事終わりに勉強が続くかな』と不安になりますよね。車の知識に自信がない方なら、なおさらです。

結論から言うと、自動車整備士の勉強は「理屈を知る」「出る形に慣れる」「手で覚える」の3つに分けると進めやすくなります。最初にやるのは、受ける試験の形を知って、過去問を1回分見てみることです。

この記事を読めば、勉強の始め方から週ごとの進め方、働きながら続けるコツまで分かります。

目次

自動車整備士の勉強は何から始める?

先に結論

最初の一歩は、受ける試験の種類を決めて、過去問を1回分ながめることです。どんな問題が何問出るのかが分かると、教科書のどこを読めばいいかが見えてきます。

『まずは教科書を最初から読もう』と考える方は多いですよね。ただ、ゴールの形を知らないまま読み始めると、どこが大事なのか分からず途中で止まりがちなんです。

そこで、始める順番をおすすめの形で並べてみました。

勉強を始める手順
  1. 受ける試験の種類を決める(三級ガソリン・エンジン、三級シャシなど)
  2. 受験資格を満たす時期と、受ける回を確かめる
  3. 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の過去問を1回分ながめる
  4. 受ける種類の教科書と法令の教材を用意する
  5. 週ごとの進め方を決めて、手帳やスマホに書き込む

受ける試験の種類を先に決める理由

自動車整備士の資格は、級と種類ごとに試験が分かれています。例えば3級には、三級自動車シャシ、三級自動車ガソリン・エンジン、三級自動車ジーゼル・エンジン、三級二輪があります。

種類が違えば、教科書も問題も違ってきます。職場でどの車を多く扱うかや、先輩に聞きながら決めるといいですよ。

新しい資格の区分にも目を向けておく

令和9年1月1日から、自動車整備士の資格の種類が見直されます。3級は「三級自動車整備士(総合)」と「三級自動車整備士(二輪)」に再編される予定です。

JASPAの登録試験では、令和8年度第2回(学科は令和9年3月14日)から新しい区分の学科試験も始まり、現行の区分と並行して行われます。どちらで受けるかで教科書の版が変わるので、早めに確かめておきましょう。

改正の中身は自動車整備士の資格制度の改正で詳しく紹介しています。

勉強を「理屈・出る形・手」の3つに分けて考える

ここでの結論

整備士の勉強は「理屈を知る=教科書」「出る形に慣れる=過去問」「手で覚える=実務」の3つでできています。どれか1つに偏ると、覚えたつもりでも問題で迷いやすくなります。

『過去問は解けるのに、少し聞き方が変わると分からない』という声はよく聞きます。それは、出る形には慣れていても、理屈とのつながりが弱いからかもしれません。

この記事では、勉強を次の3つに分けて考えます。

整備士の勉強を、理屈を知る・出る形に慣れる・手で覚えるの3つに分けた図解
分け方使う物身につくこと足りないと起きること
理屈を知る教科書、法令の教材なぜそうなるかを説明できる言い回しが変わると迷う
出る形に慣れる過去問、問題集、問題アプリ時間内に4つの選択肢から選べる知識はあるのに点にならない
手で覚える職場の作業、講習の実習部品の位置と動きが頭に浮かぶ図を見ても実物と結びつかない

理屈を知る:教科書は「理由」を読む本

教科書には、装置の構造や働きが図と一緒に書かれています。全部を暗記しようとせず、「なぜこうなっているのか」を一言で言えるかを目安に読んでみてください。

教科書の選び方は自動車整備士の教科書・テキストの選び方でまとめています。

出る形に慣れる:過去問は「地図」

JASPAの「過去の問題と解答」ページには、登録試験の学科の問題と解答が回ごとに載っています。平成16年度第1回から令和8年度第1回までの範囲です。

過去問は、どの分野がどんな聞き方で出るかを教えてくれる地図のような物なんです。過去問の探し方と使い方は自動車整備士の過去問はどこで見られる?で紹介しています。

手で覚える:職場の作業が一番の教材

整備の職場で働いている方は、毎日の作業そのものが勉強になります。教科書で読んだ部品を、実際の車で探してみると覚え方が変わりますよ。

「この前教科書で見たオルタネータって、どれですか?」
「これだよ。教科書の図と見比べてごらん」

こんな一言のやり取りで、図と実物がつながります。

整備工場で教科書と実物のエンジンルームを見比べながら勉強する様子

職場の作業を勉強に変える見方

同じ作業でも、見方を少し変えるだけで勉強になります。例えば、点検の作業をしながら次のようなことを意識してみてください。

作業の場面意識すること教科書でつながる所
エンジンルームの点検部品の名前と位置を言えるかエンジン本体、冷却装置、電気装置の章
足回りの作業どの部品が何を支えているかシャシの章
測定器を使う作業何を測り、どの数字なら良いのか整備用の試験機、計量器の章
点検の記録を書く時なぜその項目を点検するのか法規、点検・整備の章

作業が終わったら、その日に触った部品を1つだけ教科書で調べてみましょう。それだけで、毎日の仕事がそのまま勉強の時間になりますよ。

試験の形を知ってから計画を立てる

ここでの結論

JASPAの登録試験の学科は四肢択一のマークシートです。3級は30問・60分、2級ガソリン・ジーゼルは40問・80分なので、まずは本番と同じ時間で解けることを目標に計画を立てます。

計画を立てる前に、試験の形を知っておきましょう。JASPAの令和8年度の案内では、学科の形は次のとおりです。

試験出題数試験時間直近の合格基準
三級(シャシ・ガソリン・ジーゼル・二輪)30問60分30点満点中21点以上
二級ガソリン・ジーゼル40問80分40点満点中28点以上かつ分野ごとの基準あり
二級シャシ30問60分30点満点中21点以上かつ分野ごとの基準あり
一級小型(筆記)50問100分50点満点中40点以上かつ分野ごとの基準あり

合格基準は、合格発表の時にJASPAのホームページなどで公表される扱いです。上の表は直近の公表値なので、受ける回の発表もあわせて確かめておきましょう。

2級は分野ごとの基準に気をつける

2級ガソリン・ジーゼルの直近の合格基準では、エンジン(問題1〜15)、シャシ(問題16〜30)、整備機器等(問題31〜35)、法規(問題36〜40)の分野ごとに一定以上の成績が求められています。

つまり、得意なエンジンで点を稼いでも、法規を捨てると届かないことがあるんです。どの分野も最低限は押さえておくのが、2級の勉強のポイントですね。

試験は年2回、学科は秋と春

JASPAの登録試験は年2回です。令和8年度は、第1回の学科が令和8年10月4日、第2回の学科(筆記)が令和9年3月14日に予定されています。

受付期間は、第1回が令和8年7月27日〜7月31日、第2回が令和8年12月14日〜12月18日です。受付は短いので、申し込みの時期もカレンダーに書いておきましょう。

受験資格がそろう時期も一緒に確かめる

勉強の計画は、受験資格がそろう時期とも合わせて立てる必要があります。自動車整備士技能検定規則では、三級の受験資格は自動車の整備作業に関する6月以上の実務経験(15歳となった日以後の経験に限る)などです。

この期間は、学科試験の日の前日の時点で満たしている必要があります。令和7年7月8日の改正で短くなった値なので、古い情報の年数と混ぜないようにしましょう。受験資格の細かい条件は自動車整備士の受験資格と実務経験で確かめられます。

受付期間の見落としに注意

受験申請書は最寄りの自動車整備振興会に備えてあります。勉強が順調でも、受付期間を逃すと次の回まで待つことになるので、職場の先輩や振興会に早めに確かめておきましょう。

週ごとの進め方:受ける回から逆算する

ここでの結論

勉強は「分野をつかむ」「理由を埋める」「時間に慣れる」の順に、週ごとに目的を変えて進めます。1か月を1つの区切りにして、試験まで何回まわせるかで計画を組んでみてください。

『毎日なんとなく問題を解いているけど、進んでいる気がしない』という方も多いはずです。週ごとに目的を決めるだけで、やることがはっきりしますよ。

週ごとに分野をつかむ・理由を埋める・時間に慣れる・総仕上げと目的を変えて進める流れの図解

この記事で考えた、1か月を1つの区切りにした進め方の例です。

週目的理屈を知る出る形に慣れる手で覚える
1週目分野をつかむ教科書の目次を読み、章の数を数える過去問1回分を時間を気にせず解く職場で出てきた部品の名前をメモする
2週目理由を埋める間違えた分野の章を読む間違えた問題を解き直すメモした部品を教科書の図で探す
3週目苦手を減らす法規と計算の章を読む苦手な分野だけまとめて解く先輩に1つだけ質問する
4週目時間に慣れる印をつけた所だけ読み返す本番と同じ時間で1回分解く作業の手順を声に出して説明する

1か月で1周したら、次の月はまた1週目に戻ります。2周目は別の回の過去問を使うと、聞き方の違いにも慣れていきますね。

計算と法規は早めに手をつける

令和8年度第1回の三級自動車ガソリン・エンジンでは、電気回路の計算や総排気量の計算が出題されました。最後の3問は、前照灯や自動車の高さの基準、道路運送車両の定義など法規の問題でした。

計算と法規は、職場の作業だけではなかなか身につきません。机に向かう時間を、まずこの2つに回すのがおすすめです。

分野早めに手をつける理由やり方
計算式を知らないと解けない式と単位を毎回書いてから計算する
法規数字と言葉をセットで覚える必要がある法令の教材の一覧表を見ながら過去問を解く
電気・電子目に見えないので実務で覚えにくい教科書の回路図を指でなぞって流れを追う

働きながら勉強を続けるコツ

ここでの結論

働きながらの勉強は、まとまった時間を作るより、すき間時間に何をするかを決めておく方が続きます。休憩は問題アプリ、夜は教科書、休みの日は過去問のように、場面ごとにやることを分けてみてください。

整備の仕事は体を使うので、帰ってから机に向かうのは大変ですよね。『今日は疲れたから明日』が続いてしまうのは、誰にでもあることです。

続けるための工夫
  • 場面ごとにやることを決める(休憩は1問、夜は1章、休みは1回分)
  • 教科書は職場のロッカーにも置いておく
  • 分からない所は付せんに書いて、先輩に聞く日を決める
  • できた問題に印をつけて、進み具合を目で見えるようにする
  • 疲れた日は「1問だけ」でもよしとする

場面ごとにやることを分ける

すき間時間を上手に使うには、場面と勉強の中身を結びつけておくのがコツです。

場面やること使う物
昼休みや待ち時間1問ずつ解く問題アプリ、過去問のpdf
仕事終わりの夜間違えた分野の章を読む教科書
休みの日本番と同じ時間で1回分解く過去問、マークシートの見本
作業中部品の名前と働きを思い出す職場の車

問題アプリの使い方は自動車整備士の問題アプリの使い方で詳しく紹介しています。

講習を使うのも一つの方法

各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所(二種養成施設)では、整備の職場で働く人を対象にした講習が行われています。夜間や休日に講習を行う施設もあると、国土交通省は案内しています。

講習の課程を修了すると、修了した課程の実技試験が修了後2年間免除されます。学科の勉強を一人で続けるのが不安な方は、講習で仲間と一緒に学ぶのも心強いですよ。

勉強しやすい職場を選ぶことも大切

今の職場で先輩に聞きながら勉強を続けるのは、とても良い道です。講習に通う時間を職場が考えてくれるなら、なおさら心強いですよね。

一方で、整備の作業が少なくて経験が積みにくい、勉強の時間が取れないと感じる方もいます。そんな時は、資格の取得を応援している整備の職場の求人を比べてみると、続けやすい環境が見つかることもあります。

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分野別のつまずきと直し方

ここでの結論

つまずく理由は「言葉を知らない」「動きがイメージできない」「計算の手順が分からない」の3つに分かれます。理由ごとに直し方を変えると、同じ所で何度も止まらずに済みます。

勉強が止まる時は、だいたい同じような所でつまずいています。理由を分けると、何をすればいいかが見えてきますよ。

つまずきよくある場面直し方
言葉を知らない部品名やカタカナの用語が覚えられない教科書の図に自分で名前を書き込む
動きがイメージできないバルブ機構や点火の流れが分からない職場の車や図解で動く順番を追う
計算の手順が分からない電気回路や総排気量の計算式と単位を書き、過去問の同じ形を続けて解く
法規の数字が混ざる保安基準の数値を取り違える法令の教材の一覧表を見ながら過去問を解く
問題文の読み違い適切な物と不適切な物を取り違える問題文の最後に丸をつけてから選ぶ

自動車整備士の知識がゼロからでも大丈夫?

『車の知識がほとんどないけど、ついていけるかな』と心配な方もいますよね。教科書は、整備士を目指す人や自動車に興味のある人のために、多くの図を使って書かれています。

最初は分からない言葉だらけでも、職場で実物を見るたびに少しずつつながっていきます。知識が少ないことを気にするより、毎日1つずつ部品の名前を覚える方が力になりますよ。

自動車整備士の勉強についてよくある相談

ここでの結論

相談で多いのは「おすすめの本」「車の知識がない時の勉強」「2級の電気回路の難しさ」です。どれも教科書を軸に、過去問と実物を往復するのが近道です。

ネットの質問サイトで見かける、整備士の勉強についての相談を3つ取り上げます。

「整備士の資格の勉強におすすめの本を知りたい」

勉強に使う本のおすすめを尋ねる相談は、とてもよく見かけます。どの本がいいか迷う気持ちはよく分かります。

この記事では、特定の本を挙げるより、受ける種類の教科書を軸にすることをおすすめします。そのうえで、図解の本や解説付きの問題集を、足りない役割に合わせて1冊ずつ足していくと迷いません。

「車の知識がほとんどないまま資格を取ることになった」

整備の会社に入って資格を取らないといけないけれど、車の知識がほとんどない、という相談です。

まずは教科書の目次を読んで、車がどんな装置でできているかの全体像をつかみましょう。そのうえで、職場で見た部品を毎日1つずつ教科書で探すと、知識が実物と一緒に増えていきます。

「2級の電気回路図の問題がよく分からない」

2級の勉強で、電気回路図の問題が分からないという相談です。2級になると電気や電子制御の問題が手ごわく感じますよね。

回路図は、電気がどこから出てどこへ戻るかを指でなぞるところから始めてみてください。教科書の回路図で流れを追ってから過去問に戻ると、聞かれていることが分かりやすくなります。

分からない問題の聞き先

JASPAは、電話などによる試験問題の問い合わせには応じられないと案内しています。分からない問題は、教科書や講習の先生、職場の先輩に聞いてみましょう。

よくある質問

自動車整備士の勉強は何から始めればいいですか?

受ける試験の種類を決めて、JASPAの過去問を1回分ながめるところから始めましょう。どんな問題が何問出るのかが分かると、教科書のどこを読めばいいかが見えてきます。

自動車整備士の勉強は独学でもできますか?

学科の勉強は、教科書と過去問を使って自分で進められます。ただ、受験には実務経験や養成施設の修了などの受験資格が必要なので、勉強とは別に確かめておきましょう。

働きながらでも勉強は続けられますか?

すき間時間に何をするかを決めておくと続けやすくなります。休憩は問題アプリ、夜は教科書、休みの日は過去問のように、場面ごとにやることを分けてみてください。

2級の勉強は3級と何が違いますか?

2級ガソリン・ジーゼルの学科は40問・80分で、エンジン・シャシ・整備機器等・法規の分野ごとに基準があります。どの分野も最低限押さえることと、電気や電子制御の理屈を教科書で深めることが大切です。

自動車整備士の知識がなくても勉強についていけますか?

教科書は多くの図を使って書かれているので、知識が少なくても読み進められます。職場で見た部品を教科書で探す習慣をつけると、少しずつ知識がつながっていきます。

まとめ

この記事の要点
  • 自動車整備士の勉強は、受ける種類を決めて過去問をながめるところから始める
  • 勉強は「理屈を知る」「出る形に慣れる」「手で覚える」の3つで考える
  • 3級は30問・60分、2級ガソリン・ジーゼルは40問・80分で、2級は分野ごとの基準に注意
  • 週ごとに目的を変えて、1か月を1つの区切りに回す
  • 働きながらなら、場面ごとにやることを決めておくと続く
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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