自動車整備士のアルバイト・派遣|できる仕事と実務経験の数え方

自動車整備士のアルバイト・派遣と実務経験の数え方を紹介する記事のアイキャッチ。整備工場のリフトと工具ワゴン

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整備の仕事に興味があって、まずはアルバイトや派遣から始めてみたい。『バイトでも、整備士の受験に必要な実務経験になるのかな?』と気になっている方も多いはずです。

結論から言うと、国土交通省の通達では「アルバイト等臨時で勤務しているような作業経験」は実務経験と認められないとされています。整備士の資格を目指すなら、雇い方と作業の中身の両方を確かめることが大切です。

この記事を読めば、自動車整備士のアルバイト・派遣でできる仕事と、実務経験の数え方、資格を目指す時の職場の選び方が分かります。

目次

自動車整備士のアルバイトは実務経験になる?

先に結論

国土交通省の通達では、オイル・タイヤ・灯火装置・ワイパーブレードなどの交換だけの作業や、アルバイト等で臨時に勤務している作業経験は、実務経験と認められないとされています。資格を取るための実務経験を積みたいなら、継続して整備作業に携われる働き方を選ぶのが近道です。

自動車整備士の受験には、級ごとに実務経験が必要です。令和7年7月8日の改正後、3級は自動車の整備作業に関して6月以上の実務経験(15歳になった日以後の経験に限る)が条件になっています。

では、その実務経験にアルバイトの期間を数えられるのか。国土交通省が公開している通達の抜粋には、次のように書かれています。

オイル、タイヤ、灯火装置、ワイパー・ブレード等の交換作業のみの整備作業及びアルバイト等臨時で勤務しているような作業経験は実務経験とは認められない。

出典:国土交通省「実務経験に関する規定及び申請書記載の注意事項について」(自整第46号の2 抜粋)

『じゃあ、バイトでの経験は全部むだになるの?』と不安になりますよね。ただ、ここで大事なのは「臨時の勤務かどうか」と「どんな作業をしているか」の2つなんです。

実務経験を見る2つのものさし

通達の文言から読み取れるのは、実務経験は2つのものさしで見られるということです。

ものさし実務経験として見られにくい例実務経験として見られる方向
勤務の仕方アルバイト等で臨時に勤務している継続して整備作業に携わっている
作業の中身オイル・タイヤ・灯火装置・ワイパーブレードなどの交換だけ分解整備や主要な装置の点検・調整などに携わる

パートや派遣社員として働く場合に、実務経験として数えられるかを個別に示した公式の記載は、この記事では確認できていません。働き方の名前だけで判断せず、受験の申請先に確かめるのが確実です。

どこに確かめればいい?

国の技能検定は最寄りの運輸監理部・運輸支局が申請の窓口です。登録試験や講習の申込は、各都道府県の自動車整備振興会が窓口になっています。「この働き方と作業内容で、実務経験に数えられますか?」と具体的に聞いてみてください。

実務経験として数えられる作業・数えられない作業

ここでの結論

実務経験として認められるのは、認証工場などの事業場で行う分解整備や、主要な装置の点検・調整・交換といった作業です。交換作業だけの仕事は認められないので、どんな作業を任されるかを入る前に確かめておきましょう。

『自分の仕事は実務経験に入るの?』を判断するために、通達の中身をもう少し詳しく見てみます。

認められる事業場の例

通達では、実務経験として認められる事業場や業務が挙げられています。

事業場・業務の例(通達より)
自動車特定整備事業の認証を受けた事業場(いわゆる認証工場)
優良自動車整備事業者の認定を受けた事業場
定期点検整備促進対策要綱に規定する特定給油所
整備用機械器具を備えた整備作業場を持つ、ガソリン・部品・用品などの販売事業者の事業場
路上故障の救援業務
これらと同等の整備作業を行い得る事業場や業務

ガソリンスタンドやカー用品店でも、整備作業場や機械器具を備えている所なら、対象になりうるということです。ただ、そこでどんな作業をしているかも見られます。

認められる作業・認められない作業

実務経験として認められる作業の例(通達より)
  • 分解整備にあたる整備作業
  • キャブレータやインジェクション・ポンプなど主要な装置の点検・調整
  • 装置や主要な部品の交換
  • 装置や主要な部品の点検・調整

反対に、オイル・タイヤ・灯火装置・ワイパーブレードなどの交換作業だけの仕事は、実務経験と認められないとされています。

例えば、ガソリンスタンドで給油やオイル交換、タイヤ交換だけを担当している場合は、このままでは実務経験に数えにくいと考えられます。点検や整備の作業に携われるかを、職場に確かめてみてください。

実務経験の書き方には注意

通達では、実務経験の記載が正しくないと分かった場合、検定合格の無効などの処分を受けるとされています。合格を無効とされた場合は、最大3年の受験停止です。働いた期間や作業内容は、事実どおりに書いて証明してもらいましょう。

受験の申請では、受験資格を証する書面の提示が求められます。講習の申込では、職場で押印した実務経験証明書を出す例もあります。級ごとの条件は自動車整備士の受験資格と実務経験でまとめています。

実務経験の期間はいつまでに満たせばいい?

自動車整備士技能検定規則では、受験資格は「学科試験の日の前日」の時点で満たしている必要があります。学科と実技の全部が免除される人は、申請日の前日が基準です。

確かめること中身
数え始め3級は15歳になった日以後の経験に限る
必要な期間(3級)自動車の整備作業に関して6月以上
満たす時点学科試験の日の前日(全部免除者は申請日の前日)

『試験の申込の時点で6か月ないとダメ?』と心配な方もいますよね。基準は試験日の前日なので、受けたい回の日程から逆算して、いつから整備作業に携わればいいかを考えてみてください。

アルバイト・パート・派遣・正社員を3つの観点で比べる

ここでの結論

働き方を「任される作業」「実務経験の扱い」「資格支援」の3つで比べると、自分に合う入り方が見えてきます。資格を取る前提なら、整備作業を継続して任される働き方が一番の近道です。

『どの働き方で入ればいいの?』と迷っている方も多いですよね。そこで、働き方ごとに確かめたいことを3つの観点で並べてみました。

自動車整備士のアルバイト・パート・派遣・正社員を、任される作業・実務経験の扱い・資格支援の3つの観点で比べる図解
働き方任される作業で確かめること実務経験の扱いで確かめること資格支援で確かめること
アルバイト洗車や交換作業だけか、点検・整備にも入れるか通達では臨時の勤務は認められない講習の費用や受講日の配慮があるか
パート継続して整備作業に携わるか公式の個別の記載は未確認。申請先に確認社員と同じ支援を受けられるか
派遣社員派遣先でどんな作業をするか公式の個別の記載は未確認。証明を誰が出すかも確認派遣会社・派遣先のどちらが支援するか
正社員整備作業を一から任されるか継続した整備作業なら数えやすい講習の費用負担や受講日の扱い

アルバイト・パートが向いている人

アルバイトやパートは、まず整備の現場の雰囲気を知りたい人に向いています。『いきなり正社員はハードルが高い』と感じる方にとって、職場を知る入口になります。

ただ、実務経験を積んで資格を取りたい場合は、アルバイトの期間がそのまま数えられない点に気をつけておきましょう。

派遣会社を通して働く場合

自動車整備士の派遣は、派遣会社に登録して派遣先の職場で働く形です。派遣会社によって、扱う職場や支援の内容は違います。

派遣社員として働く時は、作業の指示を出すのは派遣先、雇い主は派遣会社という形になります。実務経験の証明を誰に出してもらえるのかは、働き始める前に派遣会社に聞いておくと安心です。

アルバイト・派遣で入る良い所
  • 整備の現場の雰囲気を知ることができる
  • 働く日数や時間を調整しやすいことがある
  • 自分に合う職場か見てから決められる
アルバイト・派遣で入る時の注意
  • 臨時の勤務は実務経験と認められない
  • 交換作業だけだと実務経験に数えにくい
  • 資格支援の対象外になることがある

派遣会社に登録する前に聞いておきたいこと

派遣会社に確かめること
  • 派遣先は認証工場など整備作業場のある職場か
  • 派遣先で任される作業は何か
  • 実務経験証明書は派遣先・派遣会社のどちらが書くか
  • 講習の費用や受講日の配慮があるか
  • 派遣先で直接雇用に切り替わる道があるか

ここをあいまいにしたまま働き始めると、後で『実務経験として証明してもらえなかった』ということにもなりかねません。登録の面談で、遠慮せずに聞いてみてください。

自動車整備士のアルバイト・派遣の時給と求人の見方

ここでの結論

自動車整備士のアルバイトや派遣の時給は、地域・職場・資格の有無・任される作業で大きく変わります。公的な平均の時給は見当たらないので、求人票を並べて、時給と作業内容をセットで比べるのがコツです。

『整備のバイトって、時給はどのくらい?』と気になる方もいますよね。自動車整備士のアルバイトの時給や派遣の時給について、公的な平均値は見当たりません。

時給の高さだけで選ぶと、交換作業だけの仕事で実務経験にならなかった、ということも起こりえます。時給と作業内容は、セットで見ておきましょう。

求人票で確かめること

アルバイト・パート・派遣の求人で確かめること
  • 時給と、資格を持っている場合の加算があるか
  • 任される作業が点検・整備まで含むか
  • 認証工場や整備作業場のある職場か
  • 実務経験証明書を出してもらえるか
  • 社員になる道(登用)があるか

面接では、「ここでの作業は、整備士の受験の実務経験に数えられますか?」「実務経験証明書は書いてもらえますか?」と聞いてみてください。はっきり答えてくれる職場なら、資格を目指す人を受け入れた経験があると考えられます。

無資格でも整備の職場で働ける?

自動車整備士の資格が無くても、整備の職場で働くことはできます。法令では、認証工場に必要な整備士の数は従業員の4分の1以上などとされていて、全員が資格を持っていることは求められていないからです(法令の仕組みからの整理です)。

国土交通省が高校を訪問した結果の資料には、「整備士の資格を保有していなければ、自動車整備工場には就職できないものと認識していた」という声が載っています。実際には、入ってから実務経験を積んで資格を取る人もいるんです。

無資格でできる仕事と注意点は自動車整備士の資格がなくても働ける?で紹介しています。

資格を取りたい人の進め方

ここでの結論

資格を取りたいなら、継続して整備作業に携われる職場で働きながら実務経験を積み、講習や登録試験で資格を取るのが基本の流れです。アルバイトで現場を知ってから、整備作業を任される働き方に切り替える方法もあります。

『バイトから始めて、最終的には整備士になりたい』という方のために、進め方を順番に並べてみますね。

アルバイトで現場を知り、整備作業を任される職場で実務経験を積み、講習と試験で資格を取るまでの流れの図解
アルバイトから整備士を目指す流れ
  1. アルバイトや派遣で、整備の現場の雰囲気を知る
  2. 整備作業を継続して任される働き方に切り替える
  3. 実務経験6月以上(3級の場合)を積む
  4. 職場に実務経験証明書を書いてもらう
  5. 講習や登録試験を受けて3級を取る

働きながら資格を取る時は、各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所(二種養成施設)を使う人が多いです。国土交通省の案内では、夜間や休日に講習を行う施設もあるとされています。

年代や状況で変わる入り方

状況入り方の考え方
学生で、まず現場を知りたいアルバイトで雰囲気を知り、資格は学校や就職後に目指す
未経験の社会人で、資格を取りたい整備作業を任される正社員の求人を中心に探す
他の仕事と両立したいパートや派遣で働きつつ、実務経験に数えられるかを申請先に確認する
資格を持っていて、短時間で働きたい資格を活かせるパート・派遣の求人を比べる

未経験から整備士になる道は未経験から自動車整備士になるには、働きながら資格を取る方法は働きながら自動車整備士の資格を取るにはで詳しく紹介しています。

整備作業を任される職場を探すなら

アルバイトで経験を積むのも立派な選択です。そのうえで、実務経験として数えられる働き方に移りたい方や、資格支援のある職場を探したい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がります。

求人を見る時は、「未経験歓迎」「資格取得支援」「見習い」のような言葉と、任される作業の中身をあわせて確かめてみてください。

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アルバイトと実務経験の、よくある相談

ここでの結論

知恵袋では「ガソリンスタンドのアルバイトでも実務経験になる?」「パートタイムだと無理?」という相談が多く読まれています。どれも、勤務の仕方と作業の中身の2つで考えると答えが見えてきます。

知恵袋で多く読まれている相談を、要約して答えてみますね。なお、相談の中には改正前の年数(3級1年)を前提にしたものもあるので、今の条件に直して答えます。

相談1:ガソリンスタンドのアルバイトでも実務経験になる?

「3級を取るのに実務経験が何年必要か。ガソリンスタンドのアルバイトでも実務経験になるか」という相談です。

令和7年7月8日の改正後、3級に必要な実務経験は6月以上です。ただ、通達ではアルバイト等で臨時に勤務している経験や、オイル・タイヤなどの交換だけの作業は認められないとされています。

ガソリンスタンドで実務経験を積みたいなら、整備作業場がある店舗で、点検や整備の作業を継続して任されるかが鍵になります。申請先にも、働き方と作業内容を伝えて確かめてみてください。

相談2:パートタイムだと実務経験は不可能?

「3級の受験資格に実務経験が必要とあるが、パートタイムだと不可能なのか」という相談です。

パートタイムの扱いを個別に示した公式の記載は、この記事では確認できていません。通達の「臨時で勤務しているような作業経験」に当たるかどうかと、作業の中身で判断されると考えられます。

『パートだからダメ』と自分で決めつけず、まずは受験の申請先に聞いてみるのが確実です。

相談3:ディーラーでの洗車アルバイトは実務経験になる?

「3級を取りたいが、ディーラーでの洗車のアルバイトでも実務経験に当たるか」という相談です。

洗車は、通達で挙げられている整備作業(分解整備や主要な装置の点検・調整など)には当たりません。また、アルバイトとして臨時に勤務している点でも、実務経験としては認められにくいと考えられます。

ディーラーで整備の仕事に携わりたいなら、整備スタッフとしての募集を探してみてください。ディーラーの働き方はディーラーと整備工場の自動車整備士の違いで紹介しています。

相談4:週4〜5日のアルバイトなら数えられる?

「未経験から資格を取りたい。整備スタッフのアルバイトで週4〜5日ほど入っていれば、実務経験に数えられるか」という相談です。

日数の目安を示した公式の記載は、この記事では確認できていません。通達で見られるのは、臨時の勤務かどうかと、整備作業の中身です。

週の日数が多くても、雇い方がアルバイトのままだと認められない可能性があります。社員として整備作業を任される働き方に切り替えられないか、職場に相談してみるのも一つの方法です。

実務経験が無くても受けられる道

一種養成施設(整備専門学校や、高校の自動車科など)の三級課程を修了すると、3級は実務経験の定めなしで受けられます。働きながらが難しい方は、学校で学ぶ道も比べてみてください。

よくある質問

自動車整備士のアルバイトは実務経験になりますか?

国土交通省の通達では、アルバイト等で臨時に勤務しているような作業経験は実務経験と認められないとされています。オイルやタイヤなどの交換だけの作業も認められません。

派遣社員でも実務経験に数えられますか?

派遣社員の扱いを個別に示した公式の記載は、この記事では確認できていません。派遣先での作業内容と勤務の仕方を伝え、受験の申請先と派遣会社に確かめてください。

自動車整備士のアルバイトの時給はどのくらいですか?

公的な平均の時給は見当たりません。地域・職場・資格の有無・任される作業で変わるので、求人票を並べて、時給と作業内容をセットで比べてみてください。

資格が無くてもアルバイトで整備の職場に入れますか?

入れます。認証工場に必要な整備士の数は従業員の4分の1以上などとされていて、全員が資格を持っていることは求められていません。

3級の受験に必要な実務経験は何年ですか?

令和7年7月8日の改正後は、自動車の整備作業に関して6月以上です。学歴によって3月以上に短くなる場合や、養成施設の修了で実務経験が要らない場合もあります。

まとめ

この記事の要点
  • アルバイト等で臨時に勤務している経験は、実務経験と認められない
  • オイル・タイヤなどの交換だけの作業も、実務経験と認められない
  • パート・派遣の扱いは、申請先に働き方と作業内容を伝えて確かめる
  • 時給は作業内容とセットで比べる
  • 資格を目指すなら、整備作業を継続して任される職場で実務経験を積む
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

自動車整備士の資格の種類・受験資格・試験の日程と勉強法から、専門学校や働きながら資格を取る道、仕事内容・年収・求人の選び方までを、整備士を目指す人と働く人が自分で判断できるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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