自動車整備士の免許証(合格証書)とは|手帳との違いと見方

自動車整備士の免許証と呼ばれる合格証書と、整備士手帳との違いを紹介する記事のアイキャッチ。机の上の証書と手帳

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『自動車整備士の免許証って、運転免許証みたいなカードなの?』と気になっている方も多いはずです。転職の面接で「免許を見せて」と言われて、どれを出せばいいか迷うこともありますよね。

結論から言うと、自動車整備士の「免許証」と呼ばれている物の正体は、国土交通大臣が交付する合格証書です。運転免許証のような更新のあるカードではありません。

この記事を読めば、合格証書と整備士手帳の違いと、職場で何を見せればいいかが分かります。

目次

自動車整備士の「免許証」の正体は合格証書

先に結論

自動車整備士は、国の技能検定に合格して名乗れる資格です。自動車整備士技能検定規則では、国土交通大臣が合格者に「合格証書」を交付すると決められています。

自動車整備士は「免許」と呼ばれることが多いですが、制度の上では技能検定に合格したという資格です。そのため、手元に届くのも「免許証」ではなく「合格証書」なんです。

合格証書の様式は、規則の第2号様式として決められています。どの種類の整備士に合格したかが書かれているので、資格の証明として使えます。

自動車整備士の資格の全体像は自動車整備士とは?仕事内容・資格の種類・なるまでの流れで紹介しています。

「免許」「免状」と呼ばれる理由

求人票や会話では、「整備士免許」「整備士の免状」という言い方もよく使われます。どれも、合格証書のことを指していると考えて大丈夫です。

「整備士の免許、持ってる?」
「2級ガソリンの合格証書ならあります」

こんなふうに、会話の「免許」は資格そのものを指すことがほとんどです。

運転免許証との違い

運転免許証には有効期間があり、更新が必要です。一方、自動車整備士技能検定規則には、合格の有効期限や更新の決まりは見当たりません。

合格証書・整備士手帳・免許証の違いを表で比べる

『合格証書と整備士手帳、どっちが本物の資格証なの?』と迷う方もいますよね。ここでは、よく出てくる言葉を並べて、職場や転職で求められる場面までまとめました。

規則で決まっているのは合格証書

自動車整備士技能検定規則で様式まで決まっているのは合格証書です。整備士手帳は、規則の中に様式の定めがありません。

言葉正式な書類か中身求められやすい場面
合格証書規則で決まった書類国土交通大臣が交付する合格の証明資格の確認、上の級の受験、転職時の確認
合格証明書運輸局の手続きで出る書類合格証書をなくした時などに交付を受ける証明合格証書が手元にない時の代わり
整備士手帳規則に様式の定めなし合格番号などを記した手帳と呼ばれる物講習の申込で合格番号を示す時など
免許証・免許通称合格証書や資格そのものを指す言い方求人票や会話
免状通称合格証書を指す言い方会話

整備士手帳とは

整備士手帳という言葉は、講習の案内などで使われています。たとえば千葉県自動車整備振興会の講習案内では、提出物として「三級整備士の合格証書のコピー(整備士手帳合格番号欄のコピーでも可)」と書かれています。

ただ、整備士手帳の法令上の位置づけや、どこが発行しているかは、この記事では確かめられていません。手元の手帳の扱いが分からない時は、技能検定を申請した県の自動車整備振興会に聞いてみてください。

合格証書・整備士手帳・免許証という言葉の違いと、それぞれが求められる場面を並べた図解

合格証書を受け取るまでの流れ

登録試験の合格だけでは届かない

日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の登録試験に合格すると、国の技能検定の試験が合格後2年間免除されます。合格証書は、その後に国の技能検定を申請して合格した時に交付されます。

ここは見落としやすいところです。登録試験の合格通知が届いて、それで手続きが終わったと思ってしまう方もいます。

実際には、学科と実技の両方が免除になった状態で、国の技能検定を申請します。学科と実技の全部が免除される人の技能検定は、随時、申請によって行われます。

合格証書を受け取るまでの流れ
  1. 登録試験の学科に合格する(養成施設の修了で実技が免除される人もいる)
  2. 実技試験に合格するか、実技の免除を確かめる
  3. 合格や修了から2年以内に、運輸監理部や運輸支局へ技能検定を申請する
  4. 技能検定に合格し、合格証書の交付を受ける
登録試験に合格してから国の技能検定を申請し、合格証書を受け取るまでの流れを示した図解

国土交通省の「受験の申請について」では、技能検定の手数料は種類1件につき7,200円、学科と実技の全部の免除を受ける人は2,450円と案内されています。

免除には2年の期限がある

ここが大事なところです。登録試験の合格も、養成施設の修了による実技の免除も、使えるのは2年の間だけなんです。

免除のもと免除される試験期限
登録試験の合格対応する国の学科試験または実技試験合格日から2年
一種・二種養成施設の修了その課程の種類の実技試験修了日から2年

『仕事が忙しくて、申請はそのうちでいいや』と後回しにしていると、期限を過ぎてしまうことも。合格したら、その年のうちに申請まで済ませておくのがおすすめです。

なお、学科と実技の全部が免除される人は、申請書に写真を付けなくてよいと国土交通省は案内しています。

この申請は「全免申請」「両免申請」と呼ばれることもあります。くわしい手続きは自動車整備士の両免申請・全免申請とは|仕組みと手続きの流れで紹介しています。

自動車整備士の免許の種類と、合格証書に書かれる名前

合格証書には種類ごとの正式名称が入る

自動車整備士は種類ごとに技能検定が行われます。合格証書の資格名も、種類ごとの正式名称で書かれています。

現行の規則では、自動車整備士の種類は14種類あります。級ごとに分けると、次のとおりです。

区分現行の種類(正式名称)
一級一級大型自動車整備士、一級小型自動車整備士、一級二輪自動車整備士
二級二級ガソリン自動車整備士、二級ジーゼル自動車整備士、二級自動車シャシ整備士、二級二輪自動車整備士
三級三級自動車シャシ整備士、三級自動車ガソリン・エンジン整備士、三級自動車ジーゼル・エンジン整備士、三級二輪自動車整備士
特殊整備士自動車タイヤ整備士、自動車電気装置整備士、自動車車体整備士

法令上は「ディーゼル」ではなく「ジーゼル」と書かれている点も、覚えておくと役に立ちます。

級ごとにできることの目安

国土交通省は、級ごとの位置づけを次のように説明しています。合格証書の級を見れば、どこまでの整備を任せられる人かの目安になるんです。

  • 三級:自動車の各装置の基本的な整備ができる
  • 二級:自動車の一般的な整備ができる
  • 一級:二級より高度な自動車の整備ができる
  • 特殊整備士:タイヤ・電気装置・車体の各分野で専門的な知識と技能がある

職場で「2級を持っています」と伝える時も、ガソリンかジーゼルかまで言えると話が早いですよ。

令和9年1月1日からの名前

令和9年1月1日から資格の体系が見直され、種類は9種類に再編されます。一級・二級・三級の「総合」と「二輪」、タイヤ、電気・電子制御装置、車体・電子制御装置です。

今の合格証書を持っている人は、新しい資格に合格した者とみなされます。合格証書を取り直す必要はないので、手元の合格証書を大事に保管しておきましょう。

種類のくわしい違いは自動車整備士の資格の種類|1級・2級・3級・特殊整備士の一覧にまとめています。

よくある相談:免許証についての3つの質問

ここでは、自動車整備士の免許についてよく見かける相談を取り上げます。

相談1 自動車整備士の免許3級を取りたい。どうすればいい?

『工業系の大学に通っていて、3級を取りたいけれど何から始めればいい?』という相談は、とても多く読まれています。

三級は、15歳になった日以後の実務経験が6月以上あれば受けられます。大学や高校の機械・電気・電子に関する学科を卒業した人は、実務経験が3月以上に短くなります。

まずは、自分の学科が短縮の対象になるかを確かめてみてください。受験資格のくわしい条件は自動車整備士の受験資格と実務経験|級ごとに必要な条件で紹介しています。

相談2 免許の証明書をなくした。再発行できる?

『10年ほど前に取った2級の証明書をなくしてしまった』という相談も多いです。

四国運輸局の案内では、合格証書の再交付はできませんが、申請によって合格証明書の交付を受けられるとされています。手続きの流れは自動車整備士の合格証書・手帳の再発行と書き換え|更新は必要?で紹介しています。

相談3 免許があれば車検を個人でできる?

『整備士の免許を持っていれば、自分で車検ができるの?』という質問もあります。

自動車の使用者は、自分で点検や必要な整備をして、保安基準に合うように保つ義務があります。ただ、他人の車の特定整備を事業として行うには、地方運輸局長の認証が必要です。

資格だけで事業はできない

整備士の資格は個人の技能の証明です。整備の事業を始めるには、事業場ごとの認証という別の手続きがあります。

職場や転職で合格証書を見せる場面

写しの提出を求められることが多い

入社の手続きや資格手当の申請では、合格証書のコピーの提出を求められることがあります。原本は自宅で保管し、コピーで足りるかを先に聞いておくと安心です。

転職の面接で「資格を確認させてください」と言われた時に、すぐ出せると話がスムーズです。履歴書に書く資格名も、合格証書の名前に合わせておきましょう。

合格証書を手元で確かめておくこと
  • 資格の正式名称を確認する
  • 合格年月日と合格証書の番号を確認する
  • 名字が変わっていないかを確認する
  • コピーを1部とってファイルに入れておく
  • 原本の保管場所を家族と共有しておく

合格証書が必要になる主な場面

実は、合格証書を出す場面は転職の時だけではありません。上の級を受ける時や講習に申し込む時にも、資格の証明が求められます。

場面求められること
上の級の技能検定を申請する受験資格を証する書面の提示
振興会の講習に申し込む下の級の合格証書のコピーなど(千葉県の講習案内の例)
入社や資格手当の申請合格証書のコピー(会社による)
整備主任者などの役目を任される一級・二級などの資格の確認

たとえば、二級の講習を受ける時に三級の合格証書が見つからないと、申込が止まってしまうことも。使う前に一度、手元にあるかを確かめておきましょう。

履歴書での書き方は自動車整備士の資格の履歴書への書き方|正式名称と志望動機の例で紹介しています。

合格証書は、資格を活かして職場を選ぶ時の大事な手札です。今の職場で続けるのも一つの道ですし、資格手当や資格支援の条件を見直したい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がります。

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よくある質問

自動車整備士の免許証はカードですか?

いいえ、カードではありません。自動車整備士技能検定規則で決まっているのは、国土交通大臣が交付する合格証書です。

自動車整備士の免許に更新はありますか?

規則には、合格の有効期限や更新の決まりは見当たりません。運転免許証のような更新手続きはないと考えてよいでしょう。

登録試験に合格すれば合格証書が届きますか?

登録試験の合格だけでは届きません。合格後2年以内に国の技能検定を申請し、合格した時に合格証書が交付されます。

整備士手帳と合格証書はどちらを見せればいいですか?

規則で様式が決まっているのは合格証書です。提出先から指定がなければ、合格証書のコピーを用意しておくと安心です。

合格証書の番号や合格日を忘れた時はどうすればいいですか?

四国運輸局の案内では、運輸局は合格証書番号や合格年月日の照会は行っておらず、技能検定を申請した県の自動車整備振興会に問い合わせるよう案内しています。まずは申請した県の振興会に聞いてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 自動車整備士の免許証の正体は、国土交通大臣が交付する合格証書
  • 免許・免状は通称で、規則に更新の決まりは見当たらない
  • 整備士手帳は規則に様式の定めがなく、扱いは振興会に確かめる
  • 登録試験の合格後、2年以内に国の技能検定を申請して合格証書を受け取る
  • 令和9年1月1日以後も、今の合格証書は新しい資格とみなされる
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

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