自動車整備士は通信教育で取れる?通信講座でできること・できないこと

自動車整備士の通信教育でできることとできないことを紹介する記事のアイキャッチ。自宅の机の教科書とノートパソコン

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仕事や家庭の事情で学校に通うのは難しいけれど、『自動車整備士の資格を通信教育で取れないかな』と考える方は多いですよね。家で勉強できるなら、と期待したくなる気持ちはよく分かります。

結論から言うと、通信講座でできるのは学科の勉強までです。受験に必要な実務経験や実技の練習は通信では代わりにならないので、整備の仕事や講習と組み合わせて目指す形になります。

この記事では、通信でできることとできないことを分けて、組み合わせ方を表でお伝えしますね。

目次

自動車整備士は通信教育で取れる?

先に結論

通信講座で学科の知識をつけることはできます。ただ、資格を取るには受験資格(整備作業の実務経験や養成施設の修了など)と、学科・実技の試験の合格が必要です。通信だけで完結する道ではありません。

国土交通省は、自動車整備士になるには一定の受験資格を満たしたうえで、技能検定の学科試験と実技試験に合格しなければならないと案内しています。

資格を取るまでに必要な物を、通信で用意できるかどうかで分けてみました。

資格を取るまでに必要な物中身通信でまかなえるか
受験資格整備作業の実務経験(3級は6月以上)、または養成施設の修了などまかなえない
学科試験の合格構造や点検の方法、法規などの筆記勉強はできる
実技試験の合格点検・分解・組立てなどの実技知識の準備まで
実技試験の免除養成施設の課程を修了すると修了後2年間免除通信講座の修了では受けられない

3級の実務経験の6月以上は、令和7年7月8日の改正で短くなった現在の値です。実務経験は整備の事業場などでの作業が前提なので、通信の勉強だけでは満たせないんです。

通信で「できること」と「できないこと」

ここでの結論

通信でできるのは、教科書の理解と過去問の練習、法規の暗記などの学科の勉強です。できないのは、実務経験と、実物を使う実技の経験です。ここを分けると、通信講座をどう使えばいいかが見えてきます。

『通信講座に申し込めば、資格まで取れるの?』と迷ったら、次のように分けて考えてみてください。

自動車整備士の通信教育で、できること(学科の勉強)とできないこと(実務経験・実技)を分けた図解
通信でできること
  • 装置の構造や働きを教材で学ぶ
  • 過去問や問題で出る形に慣れる
  • 法規や計算の問題を練習する
  • 自分のペースで復習する
通信ではできないこと
  • 受験資格になる整備作業の実務経験
  • 実物の部品の分解・組立て
  • 養成施設の修了による実技試験の免除
  • 実務経験を証明してもらうこと

国が認めるオンラインの授業もある

『学校の授業をオンラインで受けられないの?』という疑問もありますよね。実は、令和7年7月8日の改正で、養成施設の学科科目などをオンラインで行えるようになりました。

ただし、養成施設の指定基準の通達では、オンラインで行えるのは実習と実務実習以外の教育とされています。実習は現場で行うので、全部を自宅で済ませることはできないんです。

自動車整備士の資格の通信講座を選ぶ時のチェック

民間の通信講座を使う場合は、どこまでを任せられるかを申し込む前に確かめておきましょう。

通信講座を選ぶ前に確かめること
  • 受ける種類(三級ガソリン・エンジンなど)に合った教材か
  • 現行の区分か、令和9年1月1日以降の新しい区分に対応しているか
  • 教材の中身が学科の勉強なのか、実技の準備も含むのか
  • 受験資格や実務経験について、講座側でどう案内しているか
  • 教育訓練給付の対象かどうか

教育訓練給付の対象かどうかは講座ごとに違います。厚生労働省の教育訓練給付制度の検索システムで確かめてみてください。

通信の勉強は試験の形に合わせて進める

通信で学科を勉強するなら、本番の試験の形を先に知っておくと教材の使い方が決まります。JASPAの令和8年度の案内では、学科は四つの選択肢から一つを選ぶマークシート方式です。

試験出題数試験時間
三級(シャシ・ガソリン・ジーゼル・二輪)30問60分
二級ガソリン・ジーゼル40問80分
一級小型(筆記)50問100分

通信講座の教材を一通り終えたら、JASPAの「過去の問題と解答」ページの過去問を、本番と同じ時間で解いてみてください。教材の問題に慣れていても、本番の言い回しで迷うことがあるからです。

登録試験は年2回で、令和8年度は第1回の学科が令和8年10月4日、第2回の学科(筆記)が令和9年3月14日に予定されています。通信の勉強の締め切りを、この日に合わせて決めておくと進めやすいですよ。

教材の区分に気をつける

令和9年1月1日から資格の種類が見直され、登録試験でも令和8年度第2回から新しい区分の学科試験が始まります。通信講座の教材が、自分の受ける区分に合っているかを申し込む前に確かめておきましょう。

通信と組み合わせて資格を取る道

ここでの結論

通信の勉強は、整備の仕事で積む実務経験か、振興会の講習、学校のどれかと組み合わせて使います。自分が今どこにいるかで、組み合わせ方が変わります。

『じゃあ、通信はどう使えばいいの?』という方のために、組み合わせ方を表にしました。

通信の勉強を、整備の仕事・振興会の講習・学校と組み合わせて資格を取る流れの図解
今の状況組み合わせ方通信の役割実技の扱い
整備の職場で働いている仕事で実務経験+通信で学科学科の勉強の柱登録試験の実技を受ける
整備の職場で働いていて実技が不安仕事で実務経験+振興会の講習+通信で復習講習の予習・復習講習の修了で修了後2年間免除
まだ整備の仕事をしていない整備の職場に入る、または学校に入る入る前の予習進む道による
学校に通える一種養成施設に入る授業の予習・復習修了で修了後2年間免除

働きながらなら振興会の講習も選べる

各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所(二種養成施設)は、全国に53施設あると国土交通省は案内しています。主に整備工場などで働きながら受講する人が多く、夜間や休日に講習を行う施設もあります。

通信の勉強で学科の下地を作っておくと、講習の内容がぐっと入りやすくなりますよ。講習の流れは自動車整備士の講習で、働きながら資格を取る進め方は働きながら自動車整備士の資格を取るにはで紹介しています。

自動車整備士の専門学校に通信の課程はある?

ここでの結論

国土交通省の養成施設の案内には、通信の課程についての記載は見当たりません。働きながら学校で学びたい方は、夜間の課程や振興会の講習を調べてみるのが近道です。

『自動車整備士の学校で通信制ってあるの?』という質問はよく見かけます。国土交通省の「自動車整備士養成施設について」のページでは、一種養成施設と二種養成施設が紹介されていますが、通信の課程についての説明はありません。

気になる学校があれば、通い方や授業の形を募集要項で確かめてみてください。

学び方主な対象通い方修了した時の扱い
一種養成施設(専門学校・高校・職業能力開発校など)整備の実務経験がない人昼間が中心。夜間課程の例もある実技試験の免除と受験資格
二種養成施設(振興会の技術講習所)整備の実務経験がある人夜間や休日に講習を行う施設もある実技試験の免除(修了後2年間)
民間の通信講座学科を自分で学びたい人自宅で教材を使う養成施設の修了にはならない

国土交通省の一種養成施設の一覧には、二級の課程で夜間課程の例も載っています。働きながら学校に通いたい方は、自動車整備士の夜間学校も見てみてください。

通信制高校から自動車整備士を目指すには

ここでの結論

通信制高校に通っていても、整備士を目指す道はあります。卒業後に一種養成施設の二級課程に進むか、整備の職場に就職して実務経験を積むかの2つが主な道です。

通信制の高校に通いながら、整備士を目指している方も多いですよね。『普通の高校と比べて不利にならないかな』と不安に思う気持ちも分かります。

通信制高校から目指す時の流れ
  1. 進みたい道(学校に進む、整備の職場に就職する)を決める
  2. 学校に進むなら、一種養成施設の二級課程の入校資格を募集要項で確かめる
  3. 就職するなら、整備の作業に関われる職場かを求人票で確かめる
  4. 在学中に、自動車整備士の教科書や過去問で基礎に触れておく

一種養成施設の二級課程は、入校資格が高等学校卒業者等で、修業年限は2年以上です。入試の中身は学校ごとに違うので、志望する学校の案内を早めに取り寄せておきましょう。

高校の自動車科が一種養成施設として三級の課程を持っている例もあると、国土交通省の一種養成施設の一覧から分かります。ただ、全ての高校が当てはまるわけではありません。

就職して働きながら目指す場合は、整備の作業で6月以上の実務経験を積むと3級の受験資格がそろいます。『学校に行くお金がない』という方にとっても、働きながら資格を取る道はしっかり開かれているんです。

通信についてよくある相談

ここでの結論

相談で多いのは「整備士の学校に通信制はあるか」「通信制高校からどう進めばいいか」「専門学校の前に独学しておくべきか」の3つです。どれも、学科と実務・実技を分けて考えると整理できます。

ネットの質問サイトでよく見かける、通信についての相談を3つ取り上げます。

「自動車整備士の学校で通信制はあるのか」

整備士の学校に通信制があるかを尋ねる相談です。学校に通う時間が取れない方には切実な疑問ですよね。

国土交通省の養成施設の案内には、通信の課程についての記載はありません。働きながら学ぶなら、振興会の講習や夜間課程のある学校を調べてみるのがおすすめです。

「通信制高校に通っていて、卒業後どうすればいいか」

通信制高校に通う高校生が、卒業後に整備士になるにはどうしたらいいかを尋ねる相談です。

進む道は、一種養成施設に進学するか、整備の職場に就職して実務経験を積むかです。どちらも正当な道なので、学費や働き方を家族と話し合いながら決めてみてください。

「専門学校に通う前に独学しておきたい」

専門学校に入る前に、独学で何を勉強しておけばいいかという相談です。

入学前なら、教科書の目次を読んで車がどんな装置でできているかをつかむだけでも十分です。独学でできる範囲は自動車整備士は独学で取れる?で詳しく紹介しています。

実務経験を積める職場を探すのも一つの道

通信で学科を学ぶなら、実務経験を積む場所が要になります。今の職場で整備の作業に関われているなら、それが一番の近道ですよね。

一方で、整備の作業に関われない、資格支援が無いと感じる方もいます。そんな時は、働きながら資格を取れる整備の職場の求人を比べてみると、通信の勉強を生かせる環境が見つかることもあります。

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よくある質問

自動車整備士は通信教育だけで取れますか?

通信教育でできるのは学科の勉強までです。受験には実務経験や養成施設の修了などの受験資格が必要で、実技試験もあるため、通信だけでは完結しません。

自動車整備士3級の通信教育は役に立ちますか?

学科の勉強を自分のペースで進めたい人には役立ちます。整備の職場で実務経験を積みながら、学科の柱として使うのがおすすめです。

自動車整備士の専門学校に通信の課程はありますか?

国土交通省の養成施設の案内には、通信の課程についての記載は見当たりません。働きながら学ぶなら、夜間課程のある学校や振興会の講習を調べてみてください。

通信教育で勉強した後、どの試験を受ければいいですか?

JASPAが年2回行う登録試験を受ける方法があります。登録試験に合格すると、合格した種目について国の技能検定の試験が合格後2年間免除されます。

通信講座を修了すると実技試験は免除されますか?

実技試験の免除は、国土交通大臣が指定した養成施設の課程を修了した人が対象です。民間の通信講座の修了では受けられないので、免除を受けたい方は振興会の講習などを検討しましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 通信教育でできるのは学科の勉強までで、資格は通信だけでは完結しない
  • 受験資格になる実務経験と、実物を使う実技は通信では代わりにならない
  • 養成施設のオンライン授業は、実習と実務実習以外の教育に限られる
  • 働きながらなら、通信の勉強と振興会の講習を組み合わせる道がある
  • 通信制高校からは、一種養成施設に進むか整備の職場で経験を積む
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

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