1級小型自動車整備士とは|試験の内容と2級からの道のり

1級小型自動車整備士の試験の内容と2級からの道のりを紹介する記事のアイキャッチ。整備工場のリフトとテスタ

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1級を調べていると、「1級小型自動車整備士」という名前がよく出てきますよね。『小型ってことは、普通の1級とは別物なの?』と引っかかった方も多いはずです。

結論から言うと、1級小型自動車整備士は、乗用車や軽自動車など大型以外の車を対象にした1級の資格です。今の試験で実際に受けられる1級は、ほぼこの一級小型なんです。

この記事では、1級小型を3つに分けて、2級からの道のりを時間の流れで見ていきますね。

目次

1級小型自動車整備士とは?対象になる車の範囲

先に結論

1級小型自動車整備士は、国の自動車整備士技能検定の1級のうち、大型車を除く普通自動車・小型自動車・軽自動車・小型特殊自動車を対象にした種類です。

今の自動車整備士技能検定規則では、1級は大型・小型・二輪の3種類に分かれています。そのうち、小型自動車整備士1級にあたるのが「一級小型自動車整備士」です。

種類対象になる自動車
一級大型車両総重量8トン以上・最大積載量2トン超・乗車定員11人以上のいずれかの普通自動車と、大型特殊自動車
一級小型上の大型以外の普通自動車、四輪・三輪の小型自動車と軽自動車、小型特殊自動車
一級二輪二輪の小型自動車と二輪の軽自動車

「小型」という名前ですが、対象は小さい車だけではありません。大型にあたる条件を満たさない普通自動車も含まれるので、ふだん見かける乗用車の多くが対象です。

「国家1級」と「国家1級小型」は別物?

『国家1級自動車整備士と、国家1級小型自動車整備士は違うの?』という疑問もよく見かけます。国家1級は国の技能検定の1級全体の呼び方で、国家1級小型はその中の一つの種類です。

JASPA(日本自動車整備振興会連合会)が行う登録試験の種類一覧に載っている1級は、一級小型だけです。ですから「1級を受ける」と話す人の多くは、小型1級自動車整備士の試験を指していると考えてよいでしょう。

一級大型・一級二輪について

一級大型と一級二輪の試験が今どのように行われているかは、調べた範囲では確かめられませんでした。受けたい方は、最寄りの運輸支局や自動車整備振興会に問い合わせてみてください。

1級小型を3つに分けて見る:受験の条件・筆記と口述/実技・職場での役割

ここでの結論

1級小型は「受験の条件」「筆記と口述・実技」「職場での役割」の3つに分けると、何を準備すればいいかが見えます。2級との一番の違いは、口述試験があることです。

1級小型の情報を、3つの箱に分けてみました。

1級小型自動車整備士を受験の条件・筆記と口述と実技・職場での役割の3つに分けた図解
箱中身確かめる所
受験の条件2級(二級シャシを除く)合格後3年以上の実務経験、または一種養成施設の一級課程の修了2級の合格証書の年月日
筆記と口述・実技筆記に受かると口述、口述に受かると実技へ進むJASPAの登録試験の案内
職場での役割電子制御装置整備の整備主任者になる講習が免除される、自動車検査員の条件の期間が短い勤め先の認証の種類と求人票

職場での役割をもう少し

令和2年4月から、衝突被害軽減ブレーキのカメラやレーダーに関わる作業は「電子制御装置整備」として、国の認証が必要になりました。その整備主任者になるには講習の修了が必要ですが、一級小型自動車整備士は受講が免除されます。

また、自動車検査員になる条件では、整備主任者としての実務経験が2級なら1年以上、1級なら6か月以上とされています。1級小型を持つと、任される役割の幅が広がるんですね。

分解整備を行う認証工場には、1級か2級の整備士が少なくとも1人いることが求められています。1級小型を持つ人は、この条件を満たす一人として、整備主任者を任される場面も多いはずです。

詳しい役割や1級全体の話は一級自動車整備士とはで紹介しています。

2級から1級小型までの道のりを時間軸で見る

ここでの結論

働きながら受ける場合、2級の合格日から3年以上の実務経験を積んでから、12月の申し込み、3月の筆記、5月の口述、8月の実技と進みます。

1級小型の受験資格は、2級(二級シャシを除く)に合格していることが前提です。『2級ガソリンだけでも受けられる?』という相談がありますが、二級ガソリンでも二級ジーゼルでも、合格後3年以上の実務経験があれば受けられます。

時期やること(令和8年度第2回の例)
2級に合格した日実務経験3年の数え始め
合格後3年の前後二種養成施設(整備振興会の技術講習所)の一級課程に通うか決める
12月中旬登録試験の申し込み(12月14日〜18日)
3月筆記試験(令和9年3月14日)
5月口述試験(令和9年5月9日)
8月実技試験(令和9年8月22日)

受験資格は、学科試験の日の前日の時点で満たしている必要があります。3年に届く日が3月の筆記より後なら、翌年度の受験になるので気をつけてみてください。

働きながら1級小型を目指す流れ
  1. 2級の合格証書で合格年月日を確かめる
  2. 実務経験が3年に届く日を数える
  3. 講習に通うか独学で受けるかを決める
  4. 12月の受付期間に最寄りの振興会で申し込む
  5. 筆記・口述・実技の順に受ける

講習に行かずに学科だけ受けられる?

講習に行かずに学科試験を受けたい、という相談も多く見かけます。受験資格を満たしていれば、講習を受けずに登録試験を申し込むことはできます。

ただ、二種養成施設や一種養成施設の一級課程を修了した人は、修了後2年間は実技試験が免除されます。講習を受けない場合は、実技も自分で受ける前提で準備しておきましょう。

専門学校で1級小型を目指す道もある

これから学校を選ぶ方なら、一種養成施設(整備専門学校など)の一級課程で学ぶ道もあります。一級課程の入学資格は、二級ガソリンか二級ジーゼルを持っていることです。

国土交通省の一種養成施設の一覧には、一級(小型)課程の年限を「4(2+2)」と書いた施設が複数あります。二級課程の2年と一級課程の2年を続けて学ぶ形ですね。

ただ、一級課程の年限は施設や入学資格によって違います。気になる学校の募集要項で、年数と取れる資格を確かめてみてください。

1級小型の試験の内容:筆記・口述・実技

ここでの結論

筆記は50問・100分、口述は2問・10分、実技は4問・40分です。どれも合格基準が高めなので、1つずつ確実に越えていくイメージで準備します。

令和8年度の登録試験の案内と、令和7年度第2回の公表値をまとめました。

試験出題数・時間合格基準(直近の公表値)
筆記50問・100分(四肢択一式)50点満点で40点以上、かつ5つの分野ごとに40%以上
口述2問・10分20点満点で16点以上
実技4問・40分40点満点で32点以上、かつ各問題の配点の40%以上

口述試験はどんな試験?

口述試験は、試験委員と向き合って答える対話・聞き取りの形です。国土交通省の資料では、問題1が故障診断(問診)、問題2が整備内容の説明とされています。

問題1では「いつ、どこで、どんな不具合か」を聞き取って故障の場所を絞り込みます。国土交通省は、問診の基本として次の5つを挙げています。

問診の基本5項目(国土交通省の学習のポイント)
  • どこがどのように悪いのか(不具合現象)
  • いつから悪いのか
  • どのような場所で悪いのか
  • どのような状態で悪いのか
  • 再現できたか
1級小型の口述試験で使う、国土交通省が示す問診の基本5項目の図解

問題2は、点検整備記録簿や交換部品の写真を使って、行った整備を説明する形です。例えばこんなやりとりをイメージしておくとよいでしょう。

「ハンドルが重くなるのは、いつからですか?」
「先週から、朝のうちだけ重い気がします。」

実技試験は電気の測定が中心

令和7年度第2回の実技は、エアコンやウォッシャ、エンジンの電子制御の不具合を、電圧の測定や波形の観測から特定する4問でした。サーキット・テスタとオシロスコープを使います。

合格率はどれくらい?

JASPAの公表では、令和7年度第2回の一級小型の筆記は、受験者3,756人・合格者1,878人で合格率50.0%でした。前の年度の第2回は65.7%です。

口述は98.4%、実技は91.6%と高めでした。筆記がいちばんの山場と考えて、準備の時間を多めに取っておくと安心ですよ。

合格率の推移や勉強時間の考え方は、1級自動車整備士の合格率・難易度と勉強時間の目安で紹介しています。

令和9年から一級小型はどうなる?

令和9年1月1日から資格の種類が見直され、一級大型と一級小型は「一級自動車整備士(総合)」にまとめられます。今の一級小型の合格者は、一級(総合)に合格した人とみなされます。

施行後は一級の口述試験がなくなります。今の受験資格を持つ人の1級の技能検定は、令和11年3月31日まではこれまでの例により行うことができるとされています。

講習を受ける時の注意

千葉県自動車整備振興会の令和8年度上期の案内には、今の制度の講習を修了しても「『新資格制度』では実技免除が適用されません」と書かれています。講習の時期と受ける試験の制度は、申し込む前に振興会で確かめておきましょう。

1級小型を取ったあと、資格を評価してくれる職場で働きたい方もいますよね。今の職場で役割を広げる道もありますが、求人を比べてみると1級小型の扱われ方の違いが見えてきますよ。

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1級小型自動車整備士についてよくある相談

この章について

質問サイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介します。

相談1「口述試験って具体的にどんな試験?」

口述試験の中身が分からず不安、という相談です。国土交通省の資料では、問診と整備内容の説明の2問で、問診では故障の場所の特定までは求めないとされています。

教科書に書かれた基本的なことを質問すれば絞り込める設問とされているので、まずは問診の5項目を自分の言葉で言えるようにしてみてください。

相談2「1級小型を取れば大型トラックも整備できる?」

1級小型の資格で大型トラックの整備や車検もできるのか、という相談です。

資格の種類としての対象は、大型にあたる普通自動車や大型特殊自動車を含みません。大型車を扱う職場では、求められる資格を求人票や勤め先で確かめてみてください。

相談3「1級にはガソリンやディーゼルの区分はない?」

2級にはガソリンとジーゼルがあるのに、1級は小型だけなのか、という相談です。今の1級は、ガソリン・ジーゼルではなく、大型・小型・二輪で分かれています。

ガソリン車もジーゼル車も、大型以外なら一級小型の対象です。級ごとの違いは自動車整備士の1級・2級・3級の違いも参考にしてみてください。

相談4「1級小型や2級は陸上自衛隊で歓迎される?」

1級小型や2級の資格が陸上自衛隊で役立つのか、という相談です。陸上自衛隊の令和8年度の技術陸曹の採用要項には、整備の部門で資格を持つ人を採用する区分があります。

一級自動車整備士と大型自動車第1種免許を持つ23歳以上なら、1等陸曹の区分です。二級と大型自動車第1種免許を持ち2年以上の実務経験がある21歳以上なら、2等陸曹の区分でした。詳しくは公務員の自動車整備士で紹介しています。

よくある質問

1級小型自動車整備士の受験資格は?

2級(二級シャシを除く)に合格してから3年以上の実務経験があること、または2級合格者で一種養成施設の一級課程を修了したことです。

小型自動車整備士1級の試験はいつですか?

令和8年度第2回の登録試験では、筆記が令和9年3月14日、口述が5月9日、実技が8月22日です。

1級小型と一級大型の違いは?

対象になる車が違います。一級大型は車両総重量8トン以上などの大型車と大型特殊自動車、一級小型はそれ以外の普通自動車や小型・軽自動車などです。

令和9年以降、1級小型の資格はどうなりますか?

一級自動車整備士(総合)に合格した人とみなされます。

まとめ

この記事の要点
  • 1級小型自動車整備士は、大型以外の普通・小型・軽自動車などを対象にした1級
  • 今の登録試験で受けられる1級は一級小型だけ
  • 受験資格は2級合格後3年以上の実務経験か、一種養成施設の一級課程の修了
  • 試験は筆記・口述・実技の3段階で、口述は問診と整備内容の説明
  • 令和9年1月1日から一級(総合)に見直され、口述試験はなくなる
自動車整備士ガイド

自動車整備士ガイド 編集部

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