自動車整備士の両免申請・全免申請とは|仕組みと手続きの流れ

自動車整備士の両免申請・全免申請の仕組みと手続きの流れを紹介する記事のアイキャッチ。窓口に置かれた申請用紙

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登録試験に受かってほっとしたのも束の間、『次は両免申請をしてね』と言われて戸惑っていませんか。言葉は聞くけれど、何をどこに出すのかは意外と知られていないんですよね。

結論から言うと、両免申請・全免申請は、学科と実技の両方が免除になった人が国の技能検定を申請する手続きのことです。これを済ませて初めて、国の合格証書が交付されます。

この記事を読めば、申請の仕組みと、いつまでに何を用意すればいいかが分かります。

目次

自動車整備士の両免申請・全免申請とは?

先に結論

「両免申請」「全免申請」は、現場で使われている呼び方です。国の規則や国土交通省の案内では、学科試験と実技試験の「全部免除」を受ける人の技能検定の申請として説明されています。

自動車整備士は、国土交通大臣が行う技能検定に合格して名乗れる資格です。学科と実技の両方が免除になっている人は、試験を受けずに申請だけで技能検定を受けられる仕組みなんです。

「両免」は学科と実技の両方の免除、「全免」は全部の免除を縮めた言い方です。どちらも同じ手続きを指していると考えて大丈夫です。

検索では「両面申請」と書く人もいますが、正しくは「両免申請」です。

公式の言葉は「全部免除」

「両免申請」という言葉は、国の公式ページでの使い方が確かめられていません。窓口で話す時は「全部免除で技能検定を申請したい」と言うと、伝わりやすくなります。

自動車整備士の資格の全体像は自動車整備士とは?仕事内容・資格の種類・なるまでの流れで紹介しています。

なぜ申請が必要なのか

資格の本体は、あくまで国の技能検定です。日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の登録試験は、合格すると対応する国の試験が合格後2年間免除される、という仕組みになっています。

つまり、登録試験に受かっただけでは、まだ国の合格証書は届きません。免除を使って国に申請し、技能検定に合格して初めて自動車整備士になれるんです。

職場で資格手当をもらう時や、転職先で資格の確認を求められた時に示すのも、この合格証書です。せっかく試験に受かったのに申請を忘れていると、資格として使えない期間ができてしまいます。

「登録試験、受かりました!」
「おめでとう。じゃあ次は全免申請だね。期限があるから早めに行っておいで」

職場の先輩にこう声をかけられたら、それがこの手続きのことなんです。

申請の種類を「使う場面」「条件」「流れ」で比べる

『自分は両免申請でいいの?それとも試験を受けるの?』と迷う方もいますよね。免除の組み合わせによって、申請の形が変わります。

両方免除なら全免申請、片方だけなら残りの試験を受ける

学科も実技も免除なら全部免除の申請です。どちらか一方だけが免除なら、残った方の試験を受けることになります。

申請の形どんな時に使うか必要な条件流れ
全部免除の申請(両免申請・全免申請)学科と実技の両方が免除になった時免除の期限内で、受験資格を満たしている随時申請し、技能検定を受ける
一部免除で試験を受ける学科か実技の片方だけが免除の時免除の期限内であること免除されない方の試験を受ける
免除なしで試験を受ける国が試験を実施する種目を受ける時受験資格を満たしている受付期間に申請し、学科と実技を受ける

令和8年度に国が自ら試験を行う種目は、二級自動車シャシ整備士だけです。多くの人は、登録試験や養成施設の修了で免除を受けて、全部免除の申請をする流れになります。

全部免除の申請・一部免除・免除なしの3つの申請の形を、使う場面と条件で比べた図解

全部免除になる主な組み合わせ

学科が免除になる理由実技が免除になる理由結果
登録試験の学科に合格養成施設の課程を修了全部免除
登録試験の学科に合格登録試験の実技に合格全部免除
登録試験の学科に合格免除なし実技を受ける

専門学校を卒業した人は、学校の修了で実技が免除になります。そこに登録試験の学科合格を合わせると、全部免除になるんです。

試験の仕組みそのものは自動車整備士の国家試験とは|登録試験との違い・学科と実技の内容でくわしく紹介しています。

両免申請の手続きの流れと必要な物

申請先は運輸監理部か運輸支局

国の技能検定の申請は、受けようとする種類ごとに、最寄りの運輸監理部または運輸支局(沖縄は沖縄総合事務局陸運事務所)に出します。

両免申請の流れ
  1. 登録試験の合格や養成施設の修了で、学科と実技の免除がそろったかを確かめる
  2. 受験資格を満たしているかを確かめる
  3. 技能検定申請書を用意する
  4. 受験資格と免除を証する書面をそろえる
  5. 最寄りの運輸監理部か運輸支局に申請し、手数料を納める
  6. 技能検定に合格し、合格証書の交付を受ける
両免申請で免除を確かめてから申請し、合格証書を受け取るまでの流れを示した図解

全部免除の人の申請は、随時受け付けられています。受付期間が決まった試験とは違って、条件がそろえばいつでも申請できるんです。

用意する物

申請の前にそろえる物
  • 技能検定申請書を用意する
  • 受験資格を証する書面を用意する
  • 免除を受ける資格を証する書面(登録試験の合格や養成施設の修了を示す物)を用意する
  • 受験手数料を用意する
  • 写真は全部免除の人なら不要と案内されている

手数料の額は、国土交通省の「受験の申請について」のページで案内されています。全部免除の人は、通常の受験とは別の額が決まっているので、申請前に確かめておきましょう。

窓口に行く前に確かめたいこと

両免申請は平日の窓口に出向くことが多い手続きです。仕事を休んで行ったのに書類が足りなかった、とならないように、電話で次のことを聞いておくと安心です。

窓口に電話で聞いておくこと
  • 全部免除の申請を受け付けている窓口かを確認する
  • 受付の曜日と時間を確認する
  • 証明書類は原本かコピーかを確認する
  • 手数料の納め方を確認する
  • 合格証書の受け取り方と、届くまでの目安を確認する

受験資格を満たす日に注意

全部免除の人の受験資格は、申請の日の前日の時点で満たしている必要があります。実務経験で受ける人は、申請する日までに必要な年数がそろっているかを確かめてみてください。

たとえば、三級の実務経験は6月以上、二級は三級合格後2年以上が今の基本です。令和7年7月8日の改正で短くなった年数なので、古い情報と混同しないようにしましょう。

2年の期限と、ほかの免除のルール

免除が使えるのは2年

登録試験の合格による免除も、養成施設の修了による実技の免除も、使えるのは合格日や修了日から2年以内です。期限を過ぎると、その免除は使えなくなります。

『仕事が忙しくて、両免申請に行けないまま時間がたってしまった』という声も見かけます。2年は長いようで、繁忙期をはさむとあっという間なんですよね。

免除のもと免除される試験期限
登録試験の合格対応する学科試験または実技試験合格日から2年
一種・二種養成施設の修了その課程の種類の実技試験修了日から2年
国の技能検定で学科に合格し実技に不合格同じ種類の学科試験実技試験の日から2年
国の技能検定で一級の筆記に合格し口述に不合格同じ種類の筆記試験筆記試験の日から2年
よくある失敗

二級ガソリンと二級ジーゼルのように、合格した時期が違う種類を続けて申請する時は、それぞれの期限を別に数える必要があります。カレンダーに期限を書いておくと安心です。

職業訓練指導員試験に合格している人

自動車整備科を免許職種とする職業訓練指導員試験に合格した人などが二級・三級を受ける場合は、学科試験(法規の科目を除く)と実技試験が免除されます。

この場合は法規の科目が残るので、全部免除とは扱いが違います。当てはまりそうな方は、申請先の運輸支局で受け方を確かめてみてください。

二級シャシの実技免除

養成施設で二級ガソリンと二級ジーゼルの両方の課程を修了した人は、二級自動車シャシ整備士の実技試験も免除されます。期限は、早い方の修了日から2年以内です。

よくある相談:両免申請で迷う3つの質問

ここでは、両免申請についてよく寄せられる相談を取り上げます。

相談1 登録試験の学科合格と専門学校卒業を合わせられる?

『専門学校を出て登録試験の筆記に受かった。実技の免除と合わせて両免申請できる?』という相談があります。

できます。養成施設の修了による実技免除と、登録試験の学科合格による学科免除がそろえば、全部免除になります。どちらも2年以内という期限だけ気をつけてみてください。

相談2 筆記に合格した後、何年以内に実技を受ければいい?

『3級の筆記に受かったけど、実技は何年以内に受けないといけないの?』という質問もよく見かけます。

登録試験の場合、合格した試験の免除は合格後2年間です。国の技能検定で学科に合格して実技に落ちた人は、実技試験の日から2年以内の同じ種類の学科試験が免除されます。

自分がどちらに当てはまるか分からない時は、受験した県の自動車整備振興会に聞くのが確実です。

相談3 住んでいる市から少し離れた支局でも申請できる?

『大分県で全免申請をしたいけど、近くの市でも申請できる?』という相談もあります。

規則では、最寄りの運輸監理部か運輸支局を経由して申請する形になっています。どの窓口が受け付けているかは、県内の運輸支局に電話で確かめてから出かけるのがおすすめです。

「全部免除で二級の技能検定を申請したいのですが、こちらで受け付けていますか」
こう聞けば、必要な物もあわせて教えてもらえるはずです。

令和9年の改正後も両免申請はできる?

全部免除の人は従前の例で申請できる

令和9年1月1日から資格の体系が見直されます。改正の附則では、改正前の規則で全部免除にあたる人の技能検定は、なお従前の例で行うことができるとされています。

令和9年からは、資格の種類が「総合」「二輪」などの9種類に再編されます。今の免除がどう扱われるか気になる方も多いはずです。

附則のとおり、全部免除にあたる人は今の制度で申請できる道が残されています。一方、千葉県自動車整備振興会の講習案内では、現行制度の講習を修了しても新しい資格制度では実技の免除が適用されない、と注意書きがあります。

改正の時期に受ける人へ

免除のもとになった試験や講習が、現行制度か新制度かで扱いが変わることがあります。受けた講習の案内と、申請先の運輸支局で確かめておきましょう。

合格証書を受け取ったら、資格を活かした働き方を考えるタイミングです。今の職場で経験を重ねるのも良い道ですし、資格手当や資格支援の条件を見直したい方は、整備士の求人を比べてみると選択肢が広がります。

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よくある質問

両免申請と全免申請は違う手続きですか?

同じ手続きを指す呼び方です。国の規則や案内では、学科試験と実技試験の全部免除を受ける人の技能検定の申請として説明されています。

両免申請はいつでもできますか?

全部免除の人の申請は、随時受け付けられています。ただし、免除は合格日や修了日から2年以内しか使えないので、早めに申請しておきましょう。

両免申請に写真は必要ですか?

国土交通省の案内では、全部免除の人は申請書への写真の添付が不要とされています。

両免申請の窓口は土日も開いていますか?

受付の曜日や時間は、窓口によって違う可能性があります。出かける前に、申請先の運輸支局や、登録試験を受けた県の自動車整備振興会に確かめてみてください。

登録試験に合格すれば合格証書は届きますか?

登録試験の合格だけでは届きません。国の技能検定を申請して合格した時に、国土交通大臣から合格証書が交付されます。

まとめ

この記事の要点
  • 両免申請・全免申請は、学科と実技の全部免除を受ける人の技能検定の申請
  • 登録試験に合格しただけでは合格証書は届かない
  • 申請先は最寄りの運輸監理部か運輸支局で、随時受け付けている
  • 免除が使えるのは合格日や修了日から2年以内
  • 令和9年の改正後も、全部免除の人は従前の例で申請できる
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自動車整備士ガイド 編集部

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